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萩澤 進 院長の独自取材記事

萩沢医院

(品川区/西大井駅)

最終更新日:2019/08/28

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耳を澄ますと、電車が線路の上を走るのがが風にのって聞こえてくるJR線・西大井駅周辺。駅から徒歩7分の住宅街の中にあり、開業50年の「萩沢医院」だ。昨年までは耳鼻咽喉科と小児科の診療を行っていたが、萩澤進院長の実母でもある前院長の後を継ぎ、現在は小児科の診療を専門としている。「小児の場合、第一印象が診断の重要な手掛かりになる場合があります。普段の様子との違いを医師に知ってもらう意味でも、地域にかかりつけ医を持つことが大切です」と語る萩澤院長は、目黒生まれの西大井育ちで、地域に対する愛着も人一倍だ。今回は地域医療を支える小児科医の立場から、子どもを持ったら是非知っておきたい、小児科病院との付き合い方を中心に、じっくりと話を聞いた。
(取材日2016年9月1日)

開業から50年以上、親子二代で地域医療に貢献

開業から50年以上になるそうですが。

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耳鼻咽喉科の医師であった母が、同じ西大井なのですが、現在の場所とは少し離れた場所に1962年に開業したのが始まりで、その後1966年に小児科の勤務医であった父も診療に加わり、現在の場所に自宅兼診療所になる建物を建てて移転開業しました。ですから現在の場所で開業してから今年でちょうど50年になります。その後父が他界したのですが、耳鼻咽喉科の場合、そもそも小さいお子さんなどを中心に風邪による鼻づまり、喉の痛みといった症状で小児科ではなく耳鼻咽喉科に通院するケースも少なくないですから、母が街のかかりつけ医という立場で、小児科兼任のような形で一人で診療を続けていました。その母も高齢になり、ケガをしたことをきっかけに、小児科の勤務医であった私が診療に参加することになりました。その母も今年(2016年)他界したため、現在は標榜科目から耳鼻咽喉科をはずして、小児科のみを扱う医院となっています。

では先生ご自身もこの街で生まれ育ったわけですね。

ええ。子どもや孫を連れてきた同級生と診療所で再会するといった場合も少なくありません。当院はJR線の西大井駅から徒歩7分ほどですが、この駅が開業したのが約30年前のことなので、開業当時は少し離れた東急大井町線の中延駅が最寄り駅でした。ですから西大井駅の開業で交通の便はとても良くなったのですが、どこか下町的な雰囲気があって暮らしやすい街の雰囲気は、昔からあまり変わっていないように感じます。ただ、そうはいっても新しいマンションなども増えてきているので、子育て世代の住人は増えているかもしれませんね。

医療の道をめざされたのは、やはりご両親の影響が大きかったのでしょうか。

両親共に医師となると、どうしてもそう思われてしまいがちなのですが(笑)、小さい頃から医師になるためのレールに乗せられていたというわけではありません。将来の進路を真剣に考え始めた当初、実は工学部を志望しようかと思っていたんです。ただ、工学部の場合、仮に大学で専門性の高い勉強を重ねて企業に就職しても、必ずしも自分が望む職種に配属される保証はどこにもありません。そんなときに父からの「医大なら、卒業すれば自分の希望することができる」というアドバイスを聞き、それはそうだなと思い、最終的に医大に進むことを選択しました。小児科を選択したのも、先輩に勧められてなんとなくというのが本当のところなのですが、今振り返ってみればですが、医療の道を志したことも、小児科を選択したことも、結果的には正解だったと思っています。

専門とされていた疾患などはありますか。

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大学病院に勤務していたときには、小児急性白血病を専門としていました。ご存知のようにこの疾患は、最悪のケースも考えられる深刻な疾患です。そのため実際に手を尽くしても治癒に至らずにつらい思いもたくさん経験しましたが、その分元気になって退院していく子どもの後姿を見送るときの達成感は強いものがありました。

小児の診療を中心に一部成人に対する診療、健診も実施

現在の診療内容を教えていただけますか?

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疾患の診療のほかには、各種予防接種、行政からの補助で無料健診の対象となっている6・9ヵ月健診を中心とした健診のほか、後期高齢者健診や国保基本健診などを中心に、成人の方を対象とした健診にも対応しています。疾患の診療についても、お子さんを診察に連れてきた保護者の方を一緒に診させていただくこともありますし、遠方まで通院するのが困難な、近隣にお住まいの高齢者の方の診療も受け付けています。成人の方の診療については、急性上気道炎や胃腸炎といった急性疾患が中心で、慢性疾患については血圧の管理などは行いますが、より専門性の高い診療が必要と判断した場合には、近隣のクリニックに紹介したり、二次医療機関にご紹介するようにしています。

現在、どのような症状で来院される患者さんが多いのでしょうか。

やはり発熱、咳、といった症状を訴えて来院される患者さんが多いですね。また、これはどこの小児科も同じだと思うのですが、乳幼児を中心に、季節によって流行する感染症に変化があります。ですから冬はやはりインフルエンザの患者さんが多いですし、夏は、ヘルパンギーナや手足口病の患者さんが目立ちます。

では、感染症の院内感染防止対策も大変ですね。

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感染症の院内感染防止のために、感染診察室を作りたいのですが、スペース的に困難のため、待合室はカーテンで一角を仕切るようにしています。院内感染の防止と併せて、待ち時間の短縮をめざしてインターネットを活用した診療予約のシステムを導入しているので、ぜひ活用していただきたいですね。もちろん、ワクチンや健診は通常の診療時間内でも対応していますが、月曜・水曜・金曜の午後4時~5時、木曜の午後1時~2時は予防接種のための時間枠を設けており、この時間帯での接種を希望される場合には、基本的に事前に予約をしていただいています。健診も同様で、月曜・水曜・金曜の午後4時~5時、木曜の午後1時~2時を健診専用の時間にあてています。

地域にかかりつけ医を持ち信頼関係を築くことが大切

小児科医として、とくに心がけているのはどのような点でしょうか。

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地域のかかりつの小児科医という立場で一番大切なのは、すぐに診断、治療をしないと後遺症を残したり、生命にかかわるような重篤な疾患を決して見逃すことなく、早期に発見することだと考えています。そのためにインフルエンザやロタウイルス、マイコプラスマといった感染症に対する迅速診断キットも備えていますし、レントゲン、超音波検査装置、心電図、尿化学分析装置といった検査機器を備え、迅速診断に結び付けています。また、小児の場合には、看病をするご家族のライフスタイルに対する配慮も必要だと考えています。最近は共働きのご夫婦も増えて、通院の時間を捻出するのも一苦労というご家族も多いので、予防接種も同時接種を実施するなど、できるだけご負担を減らせる取り組みをするように心がけています。

気分転換になる趣味などはお持ちですか?

休みの日は家でのんびりと過ごすことも多いのですが、あえて趣味はと聞かれたら、鉄道でしょうか。院内にも列車やSLの写真、鉄道関連の小物などを数多く置いているのですが、とくに男の子には鉄道好きな子も多いので、そうした子はやはり目ざとく見つけて喜んでくれていますね。

最後に読者の方にアドバイスがあればお願いします。

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成人のように自分の口で病状をうまく説明できない小児の診断には、ファーストインプレッション、つまり診察室に入ってきて最初にその子を見たときの第一印象が、診断の重要な手掛かりになる場合があります。そしてその勘を働かせるためには、普段のその子の様子を知っておくことがなにより大切なんです。ですから是非、地域にかかりつけ医を持っていただきたいですね。私は、診察の中で大丈夫という言葉を乱発しないようにしています。大丈夫の一言で片づけるのではなく、嘘いつわりのない説明を、保護者の方が納得してくださるまでわかりやすく説明することが、結局お互いの信頼関係を築くことにつながると考えているからです。なんでも気軽に相談できるかかりつけ医を見つけて信頼関係を築くことが、お子さんを病気から守る第一歩なんだということを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。

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