山田 勝敏 院長の独自取材記事
サンタハウスこどもクリニック
(品川区/武蔵小山駅)
最終更新日:2026/03/06
武蔵小山駅から徒歩1分、都道420号線に面して建つ「サンタハウスこどもクリニック」。「サンタクロースのように、子どもたちへ笑顔をプレゼントできたら」という思いから開業した山田勝敏院長は、子どもたちが遊び感覚で通院できる雰囲気づくりを心がけている。「子どもは大人の感情を敏感に感じ取るもの。私自身がポジティブな気持ちで診察に臨めば、初めての子もすぐに心を開いてくれます」と楽しそうに話す。その表情からは、マスクをしていても優しい笑顔を浮かべているのが伝わってくる。院内に飾られたキャラクターのイラストや、安全性への細かな配慮も、子どもの思考をよく知る山田院長ならではの工夫だ。「スタッフにも、いつも笑顔で子どもたちを迎えようと話しています」と語る山田院長に、クリニックの特徴や今後の展望などを聞いた。
(取材日2025年9月4日・更新日2026年2月20日)
生まれ育った地域で、子どもたちの健康を支援
地域に根差した、温かみのあるクリニックですね。

品川区は私のふるさとで、幼少期は大井町、戸越、旗の台などで過ごしました。武蔵小山も、子どもの頃に母親に連れられてきた記憶があります。商店街を通り、街の活気や楽しさを幼心に感じたものです。今ではすっかり洗練された街並みになりましたが、昔ながらの気風もしっかり残っていて、都会の下町ならではの温かみを感じますね。そんな地域の皆さまに支えられて、2025年に開業15周年を迎えることができました。お子さんだけでなく、その保護者の方、あるいはお孫さんを連れてきてくださるおじいちゃん・おばあちゃんも診察しています。これからも、年齢を問わず家族全員で通院できるファミリークリニックでありたいですね。
最近の診療の傾向を教えてください。
手足口病やインフルエンザなど、以前は季節性があった感染症が常時発生するようになりました。新型コロナウイルスも収束と流行を繰り返しています。特に新型コロナウイルスに関しては、微熱や軽い喉の痛みなどの症状で受診した方が陽性となるケースも多く、症状のグレーゾーンが大きくなっていると感じています。従来は季節ごとに感染症の注意喚起をしていましたが、それが難しくなったため、症状が出てから慌てて受診する方も少なくありません。特定の感染症がメディアで取り上げられると、翌日から患者が急増するのも近年の特徴です。「とにかく検査をしてほしい」という訴えも多いのですが、検査の必要性は症状や重症度に応じて判断する必要があります。インフルエンザの検査については、AIを搭載した写真判定による検査機器を新たに導入しました。検査方法や検査が必要かどうかも含めて丁寧にご説明しますので、わからないことは何でも聞いてください。
クリニックの感染対策にも力を入れていらっしゃるそうですね。

当院の隔離室は大学病院の手術室などにも採用されている陰圧室で、中の空気が院内に出ない仕組みです。2室ある隔離室は部屋ごとの予約制で、お一人診察するごとにスタッフが消毒や換気を徹底する他、熱がある方の診療はすべて隔離室で完結します。また、院内での待ち時間を短縮するために、問診を取り入れた予約システムを導入しました。小児の発熱の外来と大人の発熱の外来、およびインフルエンザワクチン接種は時間予約制ですので、ギリギリまで自宅待機が可能です。うまく活用し、安心して受診していただければうれしいです。
喘息や鼻炎など小児アレルギーの診療にも注力
小児科全般を幅広く診療されているそうですが、特に力を入れている領域はありますか。

アレルギー疾患の治療に力を入れています。特に小児の気管支喘息は専門分野ですので、お困りの際はぜひご来院ください。患者さんの負担を少しでも減らせるよう、吸入器の貸し出しもしています。また、アトピー性皮膚炎に関しては、なるべく保護者の方の希望を尊重した治療を大切にしています。治療には原則としてステロイド剤の軟膏を用いますが、ステロイド剤に抵抗がある場合は他の薬剤での治療をご提案することも可能ですので、お気軽にご相談ください。なお、花粉症やアレルギー性鼻炎には、舌下免疫療法での治療を採用しています。舌下免疫療法は、舌の下に薬を1分ほど置いてから飲み込む治療法で、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された方の症状の緩和や根本的な体質改善が期待できます。
舌下免疫療法は、何歳から受けられるのでしょうか。
適用は5歳からです。保険診療のため、子どもの場合は医療費助成制度の対象となります。大人の舌下免疫療法にも対応していますので、親子で治療を受けることもできますよ。1日1回の薬の服用を3年以上継続するという長期にわたる治療ですので、親子で一緒に取り組むことによって治療を投げ出しにくいという効果も期待できると思います。舌下免疫療法は耳鼻咽喉科でも受けられますが、アレルギー性鼻炎と気管支喘息が合併している場合、鼻炎と喘息の両方を治療する必要があります。そのため、くしゃみや鼻水、鼻詰まり、咳などが長く続いている場合は、まずは小児科で診察を受けることをお勧めします。
乳幼児健診も充実しているそうですね。

乳幼児健診では、先進機器を導入し、視力と聴力のスクリーニング検査をしています。視力検査は、遠視・近視・乱視・斜視の他、左右の瞳孔の大きさの違いや、左右の眼球が向いている方向の違いも見つけることが可能です。耳の検査は、イヤホンのようなものを耳に入れて音波を飛ばし、鼓膜からの反射を測定するもので、聞こえ方の異常の早期発見につながります。従来、乳幼児の視力・聴力検査は本人に状態を確認できないため、異常の有無を判定しにくいのが現実でした。現在では、先進の機器を使用することで、結果を数値化して重大な病気の早期発見につなげることができています。お子さんの体への負担は少なく、短時間で終わる検査ですから、お子さんの見え方や聞こえ方に不安がある方は検査をご検討ください。
子ども目線に立ち、楽しんで受けられる診療を心がける
診療の際、心がけていることはありますか?

患者さんの目線に立つことを大切にしています。患者さんがお子さんの場合はなおさらですね。私の目標は、子どもが私と遊んでいるうちに診察が終わるようにすること。お子さん、特に赤ちゃんは大人の気持ちを察して行動に反映しますから、いつも楽しいことを考えてポジティブに接することを心がけています。スタッフにも、いつも笑顔で、楽しさが子どもに伝わるようにしてほしいとお願いしてきました。おかげさまで、当院に来院する子どもたちからは「また遊びに来たよ!」という前向きな雰囲気を感じます。実際、診察室にもニコニコ笑顔で入ってきてくれますから、かわいさ倍増ですよね。元気にしてあげることをめざして日々全力で医療に取り組みつつ、かわいい子どもたちと楽しい時間を過ごしています。
院内の安全設計にもこだわっているそうですね。
私自身、子ども時代には向こう見ずな行動をしてずいぶん怒られたものです。子どもは大人の想像を超えた行動をするものですから、子どもに危険が及ぶ可能性があるポイントをくまなく挙げ、安全に過ごせるような環境づくりに努めました。院内のフロアはすべてスプリングが入った床に衝撃吸収シートを張った二重構造で、転んでも強い衝撃を受けにくい造りになっています。また、引き戸は床にレールを敷く必要がないつり戸とし、すべての自動ドアには指挟みなどの事故を防ぐためのシールドを設けました。エントランスの自動ドアも、ベビーカーを押しながらでも入れるよう外側は自動開閉、内側は院内の子どもたちが間違っても飛び出さないようボタンを押して開ける仕様にしています。
最後に、読者へのメッセージをいただけますか。

過去に治療を受けたのに治りが悪く、我慢を重ねて症状がこじれてから当院を受診する方がいらっしゃいます。「なかなか治らない」「薬が合っていないかも」といった場合は、症状が悪化する前に適切な診療を受けましょう。「診察する先生がいつも違って、毎回同じことを説明している」という場合も同様です。受診する場合は、お子さんの負担を軽減するためにも、症状やその経過をメモして「いつから、どんな状態なのか」を端的に説明できるようにしておきましょう。発熱はもちろん、いつもと様子が違うと感じるときは、遠慮せず受診してください。

