抜歯をした日に仮歯まで入る
即時荷重インプラント
松原歯科医院
(横浜市保土ケ谷区/天王町駅)
最終更新日:2024/08/27


- 自由診療
失ってしまった歯を補うための治療方法の一つであるインプラント。見た目が自然、しっかり噛むなどの機能回復が望める一方で外科的な処置が必要であったり、治療に数年などの長い期間がかかったりするなど、患者への負担が大きくないとは言えないのが現実だ。しかし、「即時荷重インプラントなら、インプラントを入れたその日に仮歯が入ります」と話すのが「松原歯科医院」の松原明院長。加えて、従来のインプラント治療に比べて手術回数も少なく、期間の短縮も望めるなど、そのメリットは少なくないという。そこで、即時荷重インプラント治療の研究会において、その発展と普及にも尽力している松原院長に、同院で取り組んでいる即時荷重インプラント治療について詳しく教えてもらった。
(取材日2021年3月29日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q一般的なインプラント治療とは、どのようなものでしょうか?
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A
抜歯をしてからインプラント治療をする場合、従来では、抜歯した場所の状態が落ち着くまで2〜6ヵ月程度の期間をおいてからインプラントを埋入します。その後、インプラントと顎の骨がしっかりと結合するまで、さらに6〜12ヵ月ほど待ってから最終的な人工歯を装着するので、治療の開始から終了までに1〜2年程度がかかります。最近では、より短期間で治療できる方法もありますが、それでも12ヵ月以上はかかることがほとんどですし、抜歯やインプラントの埋入手術、歯の部分を取りつける処置など、2〜4回の外科処置が必要です。そして、患者さんへのそれらの負担軽減をめざし当院で行っているのが「即時荷重インプラント」です。
- Q即時荷重インプラントについて、詳しく教えてください。
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A
即時荷重インプラントは、抜歯をしたその日にインプラントを埋入して仮歯まで入れることができるので、見た目も自然ですし、硬いもの以外なら噛むことも可能です。また、最終的な歯の部分を装着するまでも8〜12週程度と、従来の方法に比較し治療期間も大幅に短縮することがめざせます。さらに、顎の骨が薄い場合にこれまでは骨を増やすための処置が必要でしたが、即時荷重インプラントでは、ショートタイプやワイドタイプなど、症例によって適切な種類のインプラントを使い分けることで、その処置をすることなくインプラントを埋入していけます。すべてではありませんが、多くのケースで即時荷重インプラントを行うことができます。
- Q即時荷重インプラントの発展・普及にも尽力されているのですね。
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A
私は、即時荷重インプラントの発展と普及をめざす「ILSC即時荷重研究会」に立ち上げ当初から参加しており、現在は理事職を務めています。ILSC即時荷重研究会では、Short(短期間治療)、Simple(シンプル)、Small(最小限)、Safe(安全)を基本とした4Sコンセプトにより、即時荷重インプラントで噛む機能の回復をめざすだけではなく、患者さんのQOLをできるだけ損なわないで治療をすることを重視しています。また、即時荷重インプラント治療に対応する歯科医師を少しでも増やすことで、歯を失ってしまった患者さんの一人でも多くが、その治療を受けられる環境にすることにも力を入れて取り組んでいます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診とカウンセリング
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まずは、問診がある。どのようなことで困っているのかやどのような経緯で今のような状態になったのか、全身の既往歴、これから先にどのようになることを希望しているのかなどの質問がある。不安なことがあれば、ここでしっかりと聞いておこう。虫歯が痛い、歯が割れている、歯茎が腫れているなどの今、困っている症状があれば、パノラマエックス線撮影などで、その場所を診断し、必要な処置もしてくれる。
- 2診査・診断
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続けて、口腔内写真撮影や噛み合わせなどの検査も行い歯や歯茎、顎の骨などの状態や歯周病、口の中のケアの状況などを詳しく確認する。悪くなっているのは1本の歯であっても、口の中を全体的に診て診断することが大切だそう。加えて、口の中だけでなく体の姿勢、歩くときに傾いたり足を引きずったりしていないか、手を腰にあてる仕草なども診察室に入ってくるときからチェックすることで、より精密な診査・診断につなげるという。
- 3歯科医師が治療計画を策定し、その説明を受ける
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診査・診断の結果をもとに歯科医師が治療計画を立て、患者に説明。治療計画も、悪くなっている歯やその周辺だけでなく、口の中全体を見据えることが大切だという。患者が納得して同意すればインプラント治療に進むことになる。また、インプラント治療を成功させるには口の中をきれいに保つことが重要なため、患者自身がしっかりと歯磨きができるようになり口の中のプラークが一定以上まで少なくなってから手術を行うそうだ。
- 4手術でインプラントを埋入し、仮歯を装着する
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手術では、麻酔をした後に抜歯。続けて、インプラントを埋入し強度などをチェックした後に、問題がなければ仮歯を装着する。手術にかかる時間は、1本だけの治療の場合、1時間半から2時間程度。その後、8週間を目途に仮歯で生活し、問題がなければ最終的な人工歯の部分を製作するための型を採る。1週間前後で最終的な人工歯の部分が完成するので、装着したら治療自体は終了。治療の開始から終了までは、2〜3ヵ月程度だそう。
- 5定期的なメンテナンス
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治療後は、定期的に通院しメンテナンスやクリーニングを受けることで、インプラント周囲炎を予防したり、治療したインプラントに不具合がないかなどを確認したりする。加えて、虫歯や歯周病になってから治療をするのでは、歯を失ってしまうリスクが高いことから、自分でしっかり歯磨きができるようになり、口の中のプラークが少ない状態をコントロールすることで、残っている天然の歯も健康に保つことが大切だ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/12万円~