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松原 明 院長の独自取材記事

松原歯科医院

(横浜市保土ケ谷区/天王町駅)

最終更新日:2020/10/09

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情熱の赤に身を包んだ松原明院長の取材は「実は皆さんが飽きないようユニホームは7色ほどあるので、それを患者さんとの話題にも使っていますよ」と、「松原歯科医院」流おもてなしの一つだと笑う。同院は相鉄線天王町駅が最寄りで、すぐ外は洪福寺松原商店街。そのにぎやかさとは少し違う落ち着いた雰囲気の中、同院のおもてなしについて話が進む。例えばスタッフのユニホームは色とりどり。久しぶりに来院した患者にはその人を気づかうコメントカードも用意する……。「知識や技術を磨いて治療面で満足度を高めるのと同じくらい、患者さんに笑顔でいてほしいんです」と京都出身の松原院長らしい、きめ細やかな心づかいがのぞく。支援もなく妻と一緒に始めた歯科医院は、「信頼できるパートナーと一緒だから楽しい経験だった」と振り返る。そんな松原院長の方針は「従業員満足とお客様満足の向上」。自分もスタッフも患者も、全員の幸せを大切にしたいという考えを詳しく聞いた。
(取材日2013年10月23日)

「患者さんに笑ってほしい」 おもてなしの心を大切に

歯科医院で赤色のユニホームとは珍しいですね。

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今日は赤色ですが、私は患者さんが飽きないように7色くらい違う色のユニホームを持っているんですよ。形も動きやすくて気に入っています。当院はスタッフも自分たちで好きな色を選んで着ますから、服の色が全員違っておもしろいでしょう? 赤い色を嫌がる医師もいるので珍しいかもしれませんが、おかげで「先生、また違う色ですね」「今日は情熱の赤なんです」と、患者さんとの話題作りにも役立ってくれます。もともと私は人と話すことが大好きなのですが、ふだんの生活で親しい相手と話しても「大事なことを聞き漏らした」「話がうまく伝わらなかった」とコミュニケーションの難しさを体験します。緊張して専門の話をする医療現場でなおさらのこと。ですからユニホームに限らず、いろいろな話題で患者さんとの距離を縮めて、スムーズに意思を伝えられる関係の基礎作りをしたいと思っているんです。

何か話を聞くコツはなどはあるのでしょうか?

患者さんによって違うとは思いますが、私から最初にあれこれ話して、細かい質問を重ねると、結果的に答えを誘導してしまう可能性が高いと思っています。ヒアリングの目的によっては、漠然と「先週の診療の後はどうでしたか」と聞く方がよかったり、「前回はこのように治療しましたが、この部分は痛みが出ましたか」とピンポイントで尋ねると話しやすかったり。診療でうまくいった例、意図とは違ってしまった会話など患者さんに学ぶことも多く、私の座右の銘「万物すべてこれ我が師」を実感しますね。さらに当院のカルテにはその方から聞いた話を書きためて、院内で共有しているんです。「数ヵ月前に犬を飼い始めた」「昨年は家族で奥様と旅行した」などを知っているだけで、「昨年は沖縄にご家族で行かれましたが、今年はいかがですか?」と声をかけることもできます。「今日は暑いですね」と天気のことは誰でも話せるでしょうが、「こんなに暑いとワンちゃんの散歩もたいへんですね」と、その方に合った話題を添えて「あなたに話していますよ」と伝えることも、コミュニケーションを豊かにするコツなのかもしれません。

なぜそこまで配慮されるのでしょうか?

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やはり患者さんに喜んでいただくためです。最新の知識や技術を学んで診療の満足度も高めるのと同様、患者さんへのおもてなしも大切に考えています。歯科治療は痛いイメージが優先しますが、私は患者さんになるべく笑ってほしいんですね。それは心のリラクゼーションや体の免疫力アップにもつながりますし、私たちも和やかな気持ちで診療ができます。色違いのユニホームや待合室の飾り付けなどは、そうしたおもてなしの一つの形。しばらくぶりの患者さんにはコメントカードを用意しています。出産で通院を中断されていた方に「お子さまのお誕生、おめでとうございます。お体を大切に」とお伝えするなど、一人ひとりに合った言葉を書いたカードをユニットの脇に挟んでご覧いただき、最後に受付でお渡ししています。これは当院スタッフの話し合いから生まれたアイデア。「自分たちがお客なら、久しぶりに来た店でウエルカムカードをもらうとうれしい」と、相手の立場になって考えたおもてなしの一つなんです。

自分やスタッフの成長が社会に役立つ好循環に

先生が診療で心がけていることを教えてください。

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大学病院で専門にしていた入れ歯をはじめ、患者さんのニーズに合わせて一般歯科からインプラントまで幅広く診療しています。開業当初は「この歯を治そう」と1本ずつに集中して診ていましたが、本来の口腔は上下28本の歯が不具合なくかみ合って、全体として機能するもの。単に痛みのある歯だけを治して崩れたバランスのまま使い続けていると、やがてまたどこかに異常が出ます。歯は全身に影響するといわれますが、確かに健康な方と比較すると、かみ合わせがよくない場合や入れ歯の患者さんとでは明らかに歩き方まで違うんですよ。開業してしばらくたってからは、口全体を一つの器官と捉えて「痛い歯を治すだけでなく、その人全体を診ること」を大切にしています。さらに「今までのやり方を見直すために勉強し直そう」と世界規模の歯科スタディーグループにも参加して、自己研さんを続けています。

グループではどのようなことを勉強されましたか?

歯科の診療は審査、診断に始まって、診断結果や治療計画をわかりやすく伝え、治療中や治療後には再評価をして、必要なら軌道修正やアフターフォローを行うのが基本。大学での実習や研修医時代はそれらを広く浅く学ぶのですが、私は再スタートに向けて一つ一つを深く掘り下げようと考えたんです。「大学病院も含めて20年以上も実務経験があるなら」と上のランクも勧められましたが、これまでの知識に上乗せするより、ゼロから神髄までを究めたいと最も基礎的なクラスから始めました。これは本当にいい経験になりましたね。大学時代から手先の器用さが自慢でしたが、まさに「井の中の蛙、大海を知らず」の言葉どおり。世の中にはとてつもない技術を持つ先生方がたくさんいると、勉強会で目の当たりにしたんです。それでもショックより、「あの高みをめざして自分も成長できる」と期待が高まり、勉強が楽しくなりました。また医科との連携で生活習慣病の患者さんの歯科診療を始めたり、小さなお子さん向けに「顎顔面矯正」を手がけたりと、新しい治療分野にも積極的に取り組んでいます。

スタッフに話を聞いて、業務改善することもあるとか?

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日常的な意見交換だけでなく、当院の経営会議にもスタッフ全員が出席して話をして、お互いに問題意識や目標を共有していくのです。患者さんへのコメントカードもそうした会議で出されたアイデア。こうしてスタッフに教えられることも多く、これも「万物すべてこれ我が師」の表れなのだと思いますね。全員出席の会議で決めた当院の経営方針は「従業員満足とお客様満足の向上」ですが、もう一つ大切にしたい医療法人としての理念があります。それは格闘技の柔術から精神修養も含めた「柔道」を生み出し、講道館創始者となった嘉納治五郎の言葉「精力善用、自他共栄」です。私はこれを「自分の力を最大限に引き出し、社会に役立つ力として使う」と解釈し、患者さんの満足を考えると同時に、私や当院のスタッフが人間的にも成長することで、周囲の人にもいい影響を与えたいと考えています。スタッフが結婚や出産をへて新たな家庭を築くとき、ここで得た「自分で課題の解決策を考え、行動して成功した体験」が何かの助けになればいいですね。私も妻も従業員というより「少し口うるさい両親」みたいに家族同然に接するのですが、長く勤めるスタッフも多いのは、「それもいい面がある」と感じてくれるのだと思っています。

名字と同じだからで決めた開業が、結果的に大正解

こちらで開業されるまでの経緯を教えてください。

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子どもの頃から時計やラジオをよく分解していて、細かい作業は得意だったんです。人と話すことも大好きでしたから、そうした強みを生かせると思って歯科医師を選びました。私は大学卒業後に大学病院に勤めて総入れ歯の治療を専門に学び、在学中に知り合った今の妻は一足先に開業。しばらくしたら結婚して、2人で新たに歯科医院を開くつもりでした。ところが京都に住む私の両親が大反対。「地元のお嬢さんと一緒になって京都で開業するのだろう」と思い込んでいたようです。私は説得のために大学病院をやめて実家に戻り、腕が鈍らないよう京都の歯科医院でも働きました。しかし1年たっても話は平行線。私はあきらめ再び横浜に出てきて、妻に正式に結婚を申し込んだんです。当時はまとまったお金も家財道具もなく、「せめて鍋くらいは持ってきたら」と妻に笑われましたね(笑)。それから2人で開業場所を探し始めたのですが、どれも一長一短で決められず、最後は「名字と同じ『松原商店街』だから縁があるのだろう」と思い切ってここに決めました。

そのような状況でご不安はなかったですか?

何もなく開業した不安より、心から信頼できるパートナーと仕事や暮らしを共にすることがうれしくて、毎日ずっとハッピーに過ごしてきました。もちろん私の両親の誤解も解けて、今では実家にも一緒に遊びに行きます。いろいろな偶然から松原商店街に開業した「松原歯科医院」も23年目。近くに新たなマンションが建って患者さんの年齢層はさらに幅広くなり、以前に診ていたお子さんが成長して親子で受診されることも増えました。地域の皆さんと長くいおつき合いできて、本当にこちらを選んでよかったと感じますね。治療を終えても定期検診に来ていただけるので、5年後、10年後の様子を治療した自分自身で再評価することもできます。これは同じ場所でずっと診療を続けて得られる充実感なのだと思いますね。

開業後してお休みの過ごし方は変わりましたか?

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もともと「医院はテニスコートの隣が理想。昼休みに少しプレーして、夜はナイター設備で遅くまで続けたい」と公言するほど、テニスが大好きなんです。ですから開業しても休みはテニスが定番でした。相手は昔からの友人、テニスサークルで知り合った人などさまざま。あるときはプレー中に雪が降ってコートに白く積もる中、お互いに「テニス好きの証明として自分からはやめないぞ」と、意地の張り合いで続けたこともありました(笑)。しかし歯科医院が順調なおかげで、そうしたテニスの機会も週3回から週に1回になり、今は月1回できるかどうか。そのことが唯一のストレスかもしれません。平日は19時まで診療時間なので、あれこれ片付けているとすぐに22時。それからテニスは難しく、社会勉強のため遊びに出かけて朝までずっと……も意外に多いんですね。「寝るなんて自分の人生がもったいない」と思うタイプなんですよ。体力がある限りはこうしたアクティブな生活を続けると思います。

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