しっかり噛めて美しい歯になる
咬合器を用いた矯正治療
飯田橋矯正歯科
(新宿区/飯田橋駅)
最終更新日:2021/10/12


矯正治療を専門に手がける「飯田橋矯正歯科」。こちらでは、すべての治療に「咬合器」と呼ばれる特殊な器具が用いられている。一般にはなかなかなじみのないマシンだが、矯正歯科医院全体からみても少数派だとか。咬合器を使う目的やメリットは何なのか? 院長の橋本幸治先生に解説していただくことで、咬合器の果たす役割を知ることができた。すると、単に美しいだけでなく、正しい噛み合わせでしっかりと物が噛める歯列を作っていくという、同クリニックが目指す矯正治療の姿が見えてきた。
(取材日2012年6月11日)
目次
あらゆるリスクを回避し、より機能的な噛み合わせを作る矯正治療に、咬合器は欠かせない必須アイテム
- Q咬合器とはどのような器具なのですか?
-
A
▲同院では半調節性咬合器を採用。歯型の模型を装着して使う
石膏模型上で患者さんの現在の噛み合せの状態や、顎の関節の動きを客観的に再現するための器具です。口腔内の状態を客観的に再現できるというのは非常に大きな意味を持っていて、例えば患者さんのお口の中を実際に見ていない技工師に、「目測」や「感覚」だけで、患者さんの普段の顎の動かし方や噛み合わせの状態を正確に伝えるのは非常に困難ですが、咬合器とレントゲンから得られたデータを数値化すれば、模型上で患者さんの口腔内の状況を再現できます。つまり歯科技工師と歯科医師の間に「共通の基準」ができるというわけです。共通の基準があれば、治療後の歯列を予測したセットアップ模型(予測模型)や、患者さんの歯の形に合わせたカスタムメイドの樹脂製「リンガルコア」を注文する際にもスムーズに意思疎通でき、正確で精密な治療につなげることができるのです。
- Q咬合器は矯正治療において重要な役割を担っているのですね。
-
A
▲表側矯正だけでなく、目立たない裏側矯正も得意としている
そもそも咬合器は入れ歯や被せ物などの治療分野で、噛み合わせを診るために使われていましたが、歯列矯正にも有効だと考えた矯正医たちが取り入れるようになり、矯正治療の分野にも咬合器が登場するようになりました。実は、すべての矯正医が咬合器を使って噛み合わせを分析する治療法を学んでいるわけではないんです。むしろ咬合器を使っているのは少数派。しかし、歯並びを美しくし、なおかつ、しっかりと噛める歯にしていくためには、咬合器によるプロセスは必要不可欠なんですね。もともと矯正歯科学とは噛み合わせの悪さ、つまり不正咬合を治す目的で生まれた学問なのですから。ところが近頃は、美しさのみ追及する治療だと思っておられる患者さんもいて、そういう方には、「噛み合わせなど、機能を治すことも大事なんですよ」とお伝えするようにしています。ぜひ知っておいてもらいたい事柄ですからね。
- Q不正咬合を治すことで、どんなことが防げるのでしょう?
-
A
▲職業やライフスタイルに合わせた無理のない治療法をじっくりと話し合える
例えば、悪い歯並びで無理をして噛んでいると、頬や顎関節周りの筋肉、顎の骨自体が痛むことがあります。時にはそれが一因となって顎関節症が引き起こされることもあります。また、本来ならば28本の歯全部を使って噛むべきところを、数本の歯だけで噛んでいると、その数本の歯に負担がかかって、いずれは耐え切れなくなり、歯や周辺の組織が破壊されてしまうのです。こうした事態を防ぐためにも不正咬合を治す矯正治療は有効なんですね。
- Q咬合器を使うことで、患者側にもメリットはありますか?
-
A
▲あらゆる治療法に精通し、患者のニーズに応える橋本院長
もちろんです。患者さんにとって何より大きなメリットは、治療におけるリスクを最小限にできるということです。矯正治療というのは、従来のお口の中の状態を一旦リセットして再構築するという性格上、治療予測において「100%こうなります」と断言することはできません。最初のシミュレーションから外れていくケースだってあります。私自身これまで2回の矯正治療を経験しましたが、治療を受けていて一番悲しかったのは、当初の予定より治療が長引いてしまうことでした。予定より短かくなる分にはいいのですが、逆はつらいもの。そのような患者さんへの負担を回避するために私たち歯科医師ができることは、常に難しいケースを覚悟し想定すること。そのために、当院では咬合器を使って噛み合わせを再現し、そこで得られた詳細なデータから綿密に治療計画を立てているのです。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。