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谷 乃里子 院長の独自取材記事

バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂

(新宿区/飯田橋駅)

最終更新日:2026/08/25

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂 main

飯田橋駅から徒歩3分、2026年に開院した「バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂」。院長の谷乃里子先生は、東京女子医科大学を卒業後、大学病院で婦人科腫瘍を専門に研鑽を積んできた産婦人科医だ。クリニック名は、学生時代に単身渡ったマダガスカルでの原体験に由来する。生命の木とも呼ばれるバオバブのように、すべての女性のよりどころとなる場所をつくりたいという思いが根底にある。緑とピンクを基調にした院内はやわらかく落ち着いた雰囲気で、待ち時間に仕事ができるカウンターや無線LANも完備。「何でも話せる行きつけのカフェのマスターのような存在だと思って、気軽にご相談ください」と柔らかく笑う谷院長に、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医としての診療へのこだわりや働く女性に寄り添う工夫について聞いた。

(取材日2026年7月21日/情報更新日2026年8月4日)

マダガスカルの「生命の木」に導かれた産婦人科医

先生が産婦人科医を志されたきっかけを教えてください。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂1

高校時代は決して勉強熱心なタイプではありませんでした。医師をめざしたきっかけも、幼い頃からの強い憧れがあったというよりは、浪人生活の中で自身の得意分野である理科を生かして進路を模索した結果、医学部への道を選んだことが始まりです。入学当初は医師として働く自分を明確にイメージできていたわけではありませんでしたが、ある時転機が訪れました。大学の図書館でマダガスカルの分娩施設を舞台にした一冊の本に出会い、何かに惹かれるようにして現地へ一人で渡航したのです。夏休みを利用して1ヵ月の住み込みを2度経験。その中で、初めて立ち会ったお産に一瞬で心を奪われました。女性の強さ、生命が誕生する瞬間の素晴らしさに魅了されて、産婦人科医として生きていこうと決意できた体験でした。

そこから開業を決意されるまでには、どのような道のりがあったのでしょうか。

お産に感動して産婦人科医になりましたが、研修医時代に婦人科のがんには治療で回復が見込めるものもあると知り、婦人科腫瘍を専門にしました。若い世代に多い疾患に携わる中で同世代の女性を助けたいと、治療に打ち込んでいたんです。ただ、自分自身が不育症を経験し、キャリアとプライベートの間で非常に迷う時期がありました。治療に専念するため医局を離れた2年間に経営大学院で学び、「社会インフラとしての医療」の大切さに気づけたことが転機でした。医療の仕組みそのもので女性を支えられると実感し、自分の経験を生かしてアクセスしやすい医療を届けたいと開業を決意しました。

クリニック名に込めた思いをお聞かせください。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂2

クリニック名は、マダガスカルでの体験に由来しています。滞在した産院の近くに大きなバオバブの木が1本あり、「生命の木」とも呼ばれるその木の下には自然と人が集まって、まさに、みんなのよりどころでした。自分自身が苦しい経験をしてきたからこそ、あの木のようにすべての女性が気軽に集える場所をつくりたいと思い、クリニック名にいただくことにしたんです。院内はバオバブの木をイメージした緑とピンクを基調に、やわらかく落ち着いた空間にしました。また開業地に飯田橋・神楽坂を選んだのは、10代から暮らしてきた愛着のある地域であり、近隣の皆さんへの恩返しの気持ちもあるからです。5路線が利用でき、周辺に大学も多いため若い世代も通いやすい立地です。

専門性の高い診断と、忙しい女性に寄り添う工夫

婦人科腫瘍専門医としての経験は、日々の診療にどう生かされていますか。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂3

当院で特に力を入れているのが、コルポスコピーという子宮頸がんの精密検査です。コルポスコープという拡大鏡で子宮の入り口を観察し、疑わしい部分を生検して診断するのですが、この検査は誰が行っても同じ結果になるとは限りません。どこを生検するかは医師の経験やスキルによって変わってくるため、婦人科腫瘍専門医としての知見を生かし、正確な診断につなげることを大切にしています。経過観察が適切なのか、大学病院での治療が必要なのか、その判断を適切なタイミングで行えることも婦人科腫瘍専門医ならではの強みです。また、子宮内膜ポリープや流産などの日帰り手術にも対応し、入院の必要がない分、お忙しい方の負担を軽減できるのではないかと思っています。

他にも、お忙しい方が通いやすいよう工夫されていることはありますか。

土曜は午後まで診療しています。単に「2週間後に来てください」と言っても来られない場合が多いでしょうし、婦人科に行くという理由を職場に伝えづらいという声も多いんですよね。そのため、お休みの日に通院できる選択肢は大切だと考えました。検査結果の確認やお薬の処方など、オンラインで完結できる内容に限ってはオンライン診療も取り入れています。院内では待ち時間にお仕事ができるよう、壁向きのカウンターにコンセントと無線LANを完備しました。また、内診室への出入りを周囲に知られたくないという方のために、診察室から直接入れる動線も用意しています。検査についても、その日にできるものはその日のうちに対応するスピード感を心がけており、何度も足を運ぶ負担をできるだけ減らしたいと思っています。

患者さんとの向き合い方で大切にされていることを教えてください。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂4

めざしているのは「何でも話せる行きつけのカフェのマスター」のような存在です。婦人科に相談に来る時は、誰でも内緒にしておきたい相談を抱えがちですが、「この先生だったらちょっと話してみようかな」と思っていただけたら、そこから治療のヒントが生まれることもあるんです。この考えは経営大学院で学んだ経験にも通じています。企業で働く同級生たちと話す中で、自分がいかに世間知らずだったかを痛感しました。医師と患者さんの間には、意識しなくても距離が生まれてしまうことがあります。だからこそ、医者は特別な存在ではなく、ちょっとだけ医学の知識があるだけだという意識で、患者さんと同じ目線でお話しすることを大切にしています。気軽に相談できる雰囲気が、正確な診断にもつながると信じています。

チーム全員で支える、生涯頼れるかかりつけ婦人科

一緒に働くスタッフについて教えてください。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂5

当院には妊活などの専門性が高い看護師が在籍しています。お薬の説明や妊活のカウンセリング、若い世代を対象としたユースクリニックなど、看護師が主体となって担う場面も多いんです。ユースクリニックは、中高生や大学生が気軽に足を運べる相談窓口になればと考えています。医師には話しづらくても看護師さんになら打ち明けられるということは実際によくありますし、「病院に行くほどじゃないけどちょっと聞いてみたい」という内容もぜひ質問していただきたいですね。私一人ではなく、全員で患者さんを支えていくんだという思いを共有できる、和気あいあいとした頼もしいメンバーが集まってくれました。

今後、どのようなクリニックをめざしていきたいですか。

大学生の頃に初めてかかりつけとなった方が、ライフステージが変わっても将来にわたって通い続けられる、「実家みたいなクリニック」が理想です。診療面では、日帰り手術を提供するクリニックとして広く知っていただきたいと考えています。短時間で済む手術の選択肢があると知っていただくことが、受診のきっかけになればと思います。また、若い世代のうちから婦人科に通う習慣をつけることも大切なテーマです。早い段階で相談できる場所があれば、将来的な不妊リスクの軽減や子宮内膜症の予防にもつながることが期待できます。若い方からご年配の方まで、全世代の女性の一生に寄り添える場所をめざしたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

谷乃里子院長 バオバブウィメンズクリニック飯田橋 神楽坂6

“私のカラダ「ちゃんと」「きちんと」”というフレーズをホームページに掲げました。婦人科の診療では、専門性を持って正確な医療を提供することが何より大切だと考えているからです。「女性の一生を支える」「プライベートもキャリアも諦めない」など、いろいろなキャッチフレーズを考えましたが、根底にあるのは「頑張っていない女性はいない」という思いです。働いている方も、主婦の方も、学生さんも、体はすべての基盤ですし、人に言えないことを抱えている方はたくさんいらっしゃいます。当院に来たら安心してちゃんとした医療を受けられる、そう感じていただけるクリニックをめざしています。婦人科は症状がつらくなってから行く場所ではなく、日常の中で気軽に相談できる場所でありたいと思っています。