大越 陽一 院長の独自取材記事
練馬・武蔵野こどもクリニック
(練馬区/武蔵関駅)
最終更新日:2026/08/12
練馬区立野町を走る吉祥寺通りから少し入った閑静な住宅街に、2026年7月に開院したのが「練馬・武蔵野こどもクリニック」だ。かわいらしい犬のシンボルマークが、心を和ませてくれる同院。日本小児科学会小児科専門医でこれまでに大学病院や小児専門病院、小児クリニックの院長などを務めてきた大越陽一院長は、その豊富な経験や知識を生かしながら、子どもとその家族が安心して毎日を過ごせるようサポートする「地域の相談窓口」になることをめざしている。「お子さんの健やかな成長を支えるパートナーとして、どのようなことでもお気軽に相談してほしいです」と気さくに話す大越院長に、クリニックや地域の小児医療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2026年7月22日)
来たことが良い思い出になるようなクリニックに
まずはクリニックのご紹介をお願いします。

小児科専門のクリニックとして今年の7月に開業しました。私は日本小児科学会小児科専門医で、これまで大学病院や小児の専門の病院などで救急を含めて診療してきました。その経験も生かしながら、お子さんに何か不安なことがあれば、まずは相談していただけるようなクリニックをめざしています。当院で完結できるものは責任を持って対応し、より専門性の高い診療が必要であれば、大学病院などへ速やかにご紹介します。何かしらの症状がある場合は、「病院を受診してもよい」と考えて受診していただけます。しかし、「様子がちょっとおかしい感じがする」という程度だと、医師に相談してよいのかと迷い受診をためらってしまうこともあると思います。私は、そのようなことをできるだけなくしたいと考えています。すべてに対処できるわけではありませんが、お子さんの体に関しては私たち小児科医が専門家ですので、お気軽に相談いただきたいと思っています。
開業までの経緯を教えてください。
私は子どもの頃、あまり体が丈夫でなく、小児科にかかることが多くありました。今になればこういう治療や処置をしていたんだろうなとわかるのですが、当時はまだ小さかったので、小児科クリニック受診後に体調が良くなると、子どもながらにまるで魔法をかけられたかのような気持ちになったのです。その経験が医師を志すきっかけになりました。そのため、医学部に入る段階で将来は小児科クリニックを開業して、地域のかかりつけ医になろうと決めていました。医師になってからは、病院勤務を経て直近の3年間は小児科クリニックの院長を務めました。そこで、やはり地域のクリニックは患者さんに最も身近で頼れる存在であることを改めて実感し、やりがいや魅力を再確認できたこともあり、自分自身のクリニックを開業することを決意しました。
この場所を選んだ理由は何だったのでしょう。

私は杏林大学の出身で、当時は吉祥寺エリアに住んでいました。この街並みや雰囲気が大好きでこの地域に貢献したいとの思いでこの地での開業を決めました。クリニックづくりでこだわったのは、院内の雰囲気です。私自身も親として、病院に入った瞬間に重苦しい空気を感じるのは避けたいと考えています。ですから色使いを明るくして、クマノミなどの海水魚が泳ぐ水槽も置くなど、お子さんと親御さんがリラックスできるような空間をめざしました。また、ディスプレーゲームやカプセルトイ、クレーンゲームも用意しています。お子さんたちが「これがあるからクリニックに行きたい」とまでは思わなくても、受診が嫌な思い出にならないようにしたいです。さらに、感染症が疑われる患者さんにも安心して受診していただけるよう、4つの隔離スペースを設けました。ちなみに診察室のドアに描かれている犬のキャラクターは、私の愛犬がモデルです。
感染症やアレルギー、便秘、夜尿症の診療に注力
診療で力を入れていることは何ですか?

まずは、小児に多い感染症全般の診療です。その中で、患者さんに余計な負担をかけないことは前提にですが、できるだけ原因を明らかにするよう心がけています。単に症状に対して薬を処方するだけでなく、原因を把握した上で診療することでより適切な治療につながるからです。加えて、アレルギーなど生活に関わることは、ある程度わかっていたほうが親御さんのためにもなるので、検査のハードルはできるだけ下げたいなと考えています。そのため、指先などから採取する少量の血液で調べられるアレルギー検査装置を導入しており、結果は最短で当日中にわかります。また、インフルエンザなどを迅速に診断できる検査装置も導入しています。インフルエンザも一般的な検査ですと、発熱後12時間程度たってからでないと検出が難しいですが、当院の装置は発熱から間もなくでも診断が可能で、速やかに治療につなげることができます。
ほかに取り組んでいることはありますか?
便秘や夜尿症です。特に、便秘は急におなかが痛くなったり、血便が出たりして、QOLがかなり低下します。慢性的に腹痛や便秘がある場合には、早めに相談いただきたいです。夜尿症もQOLへの影響が大きく、本人にもかなり心理的なストレスがかかります。また、背景に病気が隠れていないかを確認することも大切です。早めに治療したほうが本人や親御さんの負担軽減につながるため、悩んでいたら早めに受診してほしいですね。加えて、私は小児循環器も専門で、心電計を導入しています。お子さんが循環器疾患でクリニックを受診するケースは多くありませんが、比較的よく見られる症状の一つに胸痛があります。心臓が原因でないことがほとんどですが、まずは確認しておいたほうがよいので、お子さんが胸痛を訴えるときには検査を受けることをお勧めします。また、動悸症状があるお子さんもお気軽に相談ください。
診療で心がけていることは?

小児科医の基本ですが、お子さんに愛護的に接することです。医師を見たら泣いてしまう子も多いので、優しい声かけは大切にしています。また、小さなお子さんは自分で症状をうまく伝えられないことも多いため、親御さんにもリラックスしてお話しいただけるよう、やわらかい雰囲気づくりを意識しています。もう一つ大切なのが、親御さんとの信頼関係です。私自身も子育てをしているからわかるのですが、子どもというのは、優しく接してくれる人には自然と安心感や信頼を抱くものです。医療も同じで、信頼関係がなければ、例えば「軟こうをしっかり塗ってください」とお伝えしても十分に実践していただけず、治療がうまく進まないことがあります。また、親御さんが医師を信頼していることはお子さんにも伝わるため、診療がよりスムーズになることも少なくありません。そのため、双方に安心していただける関係づくりを大切にしています。
ここに来れば何とかなると思ってもらいたい
特に小児科は親との関係が重要なのですね。

親御さんやお子さんに何でも相談していただける関係を築くことは、とても重要です。以前勤務していたクリニックでも、「先生ほど何でも話せる先生はいなかったので、いなくなってしまったらどうしたらいいですか」といった言葉を、多くの親御さんからいただきました。特に小さなお子さんの場合、親御さんからのお話が欠かせません。どんな些細なことでも気軽に相談していただけることが、お子さんの健康を守る上でとても重要だと思っています。特に、かかりつけ医としてお子さんの成長や日頃の様子も含めて把握していきたいと考えていますので、親御さんに信頼していただき、気になることを何でも話していただけるような関係を築いていきたいと思っています。
休日はどのようにリフレッシュしていますか?
趣味はゴルフで、大学時代の仲間とよく楽しんでいます。また、8歳の息子が地元のサッカーチームに入り、最近は一緒にサッカーをする機会も増えました。私自身も大学時代はサッカーをしていたので、良いリフレッシュになっています。
読者へのメッセージをお願いします。

現在、娘が通う保育園の園医も務めており、地域とのつながりを実感しながら楽しく活動しています。こういった活動を通じて、「何かあったら大越先生に相談しよう」と思っていただけるような地域に根差したクリニックにしていきたいですね。小児のことで気になることがあれば、まずはお気軽に相談ください。私で対応できることはしっかり診療し、必要に応じて専門の医療機関をご紹介しますので、まずは窓口としてご利用ください。ここに骨を埋める覚悟ですので、練馬区の乳幼児健診や予防接種を含め、お子さんの健やかな成長を支えるパートナーとして、これからも地域に貢献していきたいと思っています。

