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小川 慧 院長の独自取材記事

痛みと向き合うペインクリニック

(名古屋市天白区/原駅)

最終更新日:2026/07/14

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック main

名古屋市営地下鉄鶴舞線・原駅から徒歩6分の場所にある、2026年7月開業の「痛みと向き合うペインクリニック」は、関節痛や頭痛などさまざまな痛みの改善に特化したクリニックだ。薬物療法やエコー下での神経ブロック注射による治療、あるいはリハビリテーションを組み合わせた長期的な治療で患者のQOL向上をめざす。診療するのは藤田医科大学病院で麻酔科医として研鑽を積んできた小川慧院長だ。ICUなどでの全身管理を経験し、サブスペシャリティーとしてペインクリニックを選択。「痛みを理由に自分のやりたいことを諦めてほしくない」という想いで診療に取り組んできたという。「ペインクリニックについてもっと知ってもらいたい」と話す小川院長に、これまでのキャリアやクリニックの特徴について詳しく話を聞いた。

(取材日2026年6月26日)

大学病院での経験を生かし痛みに特化した医療を地域へ

まずは開業への意気込みをお聞かせください。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック1

ペインクリニックという診療領域は、残念ながらまだ世間一般には十分に知られていません。大学病院の麻酔科では手術の麻酔業務が優先されがちで、ペインクリニックを専門に深く学び、毎日外来を開いて治療を提供する環境を維持することが難しいという現状を痛感しました。しかし、慢性的な痛みを抱え、本当に困っている患者さんは世の中に数多くいらっしゃいます。大規模な病院にとどまっていては、この領域の魅力を広め、多くの患者さんに届けることは難しいと考え、クリニックの開業を決意しました。「慢性腰痛や関節の痛みならペインクリニックに行く」という選択肢が当たり前になるよう、地域での認知を広げていきたいですね。

これまでのご経歴や医療の道を志したきっかけについて教えてください。

母親が薬剤師だったため、幼い頃から医療の世界が身近にありました。また、父親が病気を患い治療を受けていたことも、医療の道を意識する大きなきっかけとなりました。大学卒業後は藤田医科大学病院の麻酔科に入局しました。同院は集中治療が非常に強く、24時間体制のICUで全身管理や急性期の血液浄化、さらにはECMOの管理など、あらゆる重症患者さんの命を救うための最前線で経験を積んできました。その中でペインクリニックを熱心に教えてくださる先生との出会いがあり、痛みの改善に取り組むことで喜んでもらえるというこの領域の魅力と、自分の存在意義を感じました。それ以降、麻酔科医のサブスペシャリティーとして、痛みを専門とするペインクリニックを選びました。

クリニックづくりにおいて設備にもこだわられたそうですね。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック2

深部へのブロック注射を高精度かつ安全に行うため、エックス線透視装置と、放射線を通しやすくノイズの少ない画像に寄与するカーボンベッドを導入しました。これにより、骨の構造をリアルタイムで確認し、安全性に配慮しながら適切な位置へ針を進めることができるようになっています。また、高精度なエコーを複数台備え、神経ブロック注射だけでなく、頸動脈や心臓、腹部などのエコー検査も行える環境を整え、検査専門の診療放射線技師も在籍しています。さらに、持ち運び可能なポータブルエコーも用意しており、痛みで通院が困難な方のための痛みの訪問診療にも取り組む予定です。母校である藤田医科大学病院とはシステムでつながっており、クリニックから大学病院のカルテや画像検査の情報を直接確認できるため、スムーズな連携が可能です。

疼痛治療とリハビリを融合させQOL向上をめざす

先生の診療方針について教えてください。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック3

ペインクリニックは、一言で言えば「痛みの専門治療を行う診療科」です。当院では、主に鎮痛剤の処方や多彩なブロック注射など、手術以外の方法で痛みをコントロールするアプローチに特化しています。そういった診療において最も大切だと考えているのが、結果を重視する姿勢です。私は患者さんの痛みに対して、過度に同情することはしません。痛みに共感しすぎると、かえって患者さんが痛みの負のスパイラルにとらわれてしまうことがあるんですよ。私が性格的に明るいことも影響していますが、暗くならずフランクにお話しするように心がけています。治療のメリットだけではなく、起こり得る合併症や一定の確率で避けられない不可抗力のリスクについても、事前にすべて包み隠さずお伝えします。患者さん自身が納得して治療を受けることが重要ですからね。

クリニックのコンセプト「あなたの毎日をもっと楽にしたい」に込められた想いとは?

痛みは我慢すればするほど、頭の中にその記憶が残り、脳が痛みを増長させて慢性化してしまいます。だからこそ、痛みの悪循環を早い段階で断ち切ることが重要です。たとえ痛みを完全にゼロにすることが難しくても、可動域を広げ、日常生活の質(QOL)を上げていくことは十分期待できます。痛みのために旅行や趣味を楽しめないといった制限をなくし、その方の毎日を少しでも楽に、活動的に変えていくお手伝いをしたいという想いをこの言葉に込めています。

リハビリにも取り組むペインクリニックは特徴的ですね。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック4

一般的な神経ブロック注射で痛みの軽減が期待できるのは、局所麻酔薬やステロイドの作用が及ぶ一定期間にとどまります。そのため当院では、神経ブロック注射によって痛みの軽減を図り、痛みへの恐怖心が和らいだタイミングでリハビリを組み合わせます。痛みは体の防御反応なので、痛い状態のまま動かそうとしても、恐怖心によって可動域が制限されたりします。しかし、痛みの抑制を図った状態で、リハビリで正しい姿勢や関節の動かし方を身につけ、筋力強化を行うことで骨・関節にかかる負荷の軽減につながり、痛みの慢性化や再発の防止が見込めます。ただ、その状態でのリハビリは状態を悪化させてしまう可能性もあるため、注意して行います。当院がめざすのはブロック注射への依存ではなく、最終的には注射に頼らず痛みのない長期的な健康状態をつくり上げること。その手段として、ご自宅で継続できるセルフトレーニングの指導にも力を入れていく方針です。

現役世代の悩みにも寄り添い痛みを諦めない生活を提案

働き世代や子育て世代の方はペインクリニックをどのように活用すればいいでしょうか。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック5

若い世代の方でも、慢性的な腰痛を湿布などの市販薬だけで我慢しているという方は非常に多いです。また、おなかが大きくなることで骨盤の仙腸関節に負荷がかかり、強い腰痛に悩まされる妊婦さんも少なくありません。ペインクリニックは、そうした現役世代の方々の日常のパフォーマンスを守る場所でもあります。例えば「今週末にどうしても旅行に行きたいから、一時的に腰の痛みを抑えてほしい」といったご要望にも、神経ブロック注射やお薬の調整で柔軟に対応可能です。「これくらいの痛みで受診していいのだろうか」と躊躇せず、生活をより豊かにするためのツールとして気軽に活用していただきたいですね。

これまでのペインクリニックでの診療の中で、どのようなアプローチを行われてきましたか?

例えば、関節や骨の手術の後に痛みが残り、リハビリをしたくても痛みから体を動かせないというケースがあります。そうした際、リハビリの直前に神経ブロック注射を行うことで一時的に痛みの緩和を図り、そのタイミングでリハビリを行うという方法があります。当院でも、「痛くないからしっかり動かせる」という状態をめざし、スムーズな機能回復へとつなげていきたいですし、まさにこれがペインクリニックとリハビリの融合だといえます。また、重い腰痛に悩まれている方に対しても神経にアプローチする治療を行うことで、日常生活における重い荷物の持ち運びを助け、運動に対する恐怖心からの解放をめざしています。

最後に地域の方や読者へのメッセージをお願いします。

小川慧院長 痛みと向き合うペインクリニック6

これまでどこに行っても原因がわからなかった痛みや、「年齢のせいだから」「我慢するしかない」と諦めていた痛みがあれば、ぜひ一度お越しください。当院では、お薬の多彩な使い分けから神経ブロック注射まで、幅広い選択肢をご用意しています。無理に治療を強いることはありません。まずは皆さんのお話を聞かせてください。その上で皆さんの毎日をもっと楽にするための最適な方法を一緒に見つけていきましょう。