訪問歯科診療とは?
高齢者に対する口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防
やすらぎホームクリニック
(葛飾区/お花茶屋駅)
最終更新日:2026/07/10
- 保険診療
高齢者医療の現場では後回しになりやすい歯や口腔内の問題。けれども、口の中が汚れると、その菌が唾液とともに体に取り込まれてさまざまな病気の引き金になり、特に誤嚥性肺炎のリスクも高まるため、口腔衛生管理は軽視してはならない部分だ。高齢者を対象とした訪問歯科では、肺炎予防の観点から口腔ケアを丁寧に行っていると「やすらぎホームクリニック」の江口友也院長は話す。江口院長は、長年入れ歯治療にも携わってきたベテランの歯科医師。歯がある・ない、入れ歯をしているなど、患者の口腔内の状況に合わせて起こりやすい問題も熟知して幅広く対応している。同時に「食事の楽しさ」を忘れずに、患者と家族の要望に親身に寄り添う姿も印象的な江口院長に、訪問歯科で受けられる診療や、医科との連携などについて教えてもらった。
(取材日2026年6月25日)
目次
口腔ケアから虫歯の処置、入れ歯の作製などに加え、介護食の相談も。高齢者の生活を支える訪問歯科診療
- Q訪問歯科診療とは、どんなことをしてくれるのですか?
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A
▲気軽に足を運べるよう、落ち着いた雰囲気づくりに配慮した待合室
一番の目的は口の中の汚れを取ることです。食べかすや歯垢はばい菌の塊で、それが体の中に入ると抵抗力が下がっているご高齢の方にとっては、さまざまな病気の引き金になってしまうのです。特にリスクが高いのは誤嚥性肺炎ですので、肺炎予防の観点からも口腔ケアを行っています。他に虫歯や歯周病の処置、入れ歯の調整、ぐらぐらしている歯を抜いて入れ歯を作ることもしています。認知症の患者さんも多いので、介護をする方にケアの方法を伝えるのも訪問歯科の仕事です。また、食事内容に関して患者さんやご家族から要望があれば、食い上げといって少し固形のものが食べられるか、リハビリをしたり診査したりすることも行っています。
- Q食事内容についても相談できるのですね。
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A
▲患者一人ひとりの口腔内の状態を丁寧に確認
食事は、気軽に出かけられないご高齢の方にとって日々の楽しみです。どうしても食事内容を変えられない方もいるのですが、できる限り要望に応えられるサポートをしたいと考えています。例えば、おかゆから軟飯に食い上げを希望される時は、安全に食べられるか聴診器を当てながら診査します。また、胃ろうで栄養を取っているけれど、ご家族がプリンなどを食べさせたいとおっしゃった時は、口の中の筋肉のリハビリをして、誤嚥をしないか内視鏡で確認しながら食べていただけることもあります。誤嚥の確認をする部位検査は、当院では日本大学の先生と連携して行っています。そのように食事の希望に寄り添うのも訪問歯科の大事な仕事です。
- Q訪問歯科診療は、入れ歯の方が対象というイメージもありますが。
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A
▲訪問先でも質の高い診療を提供できるよう、道具を準備
いえ、どんな口の中の状態の方でも診ています。歯がないから歯磨きは必要ないというイメージをお持ちかもしれませんが、歯茎にもばい菌はたまり、堆積していきます。また、歯のある方でもない方でも舌の表面に汚れがたまっているケースは少なくありません。その汚れは、やはり抵抗力の弱いご高齢の方には大きな害になりますから、口腔粘膜と舌もスポンジブラシや薬剤を用いて拭き上げていきます。入れ歯も手入れが行き届いてなければ、なかなか取れない歯石がついてしまうので、特殊な薬剤を使って落としていきます。抵抗力が高い若い方には想像が難しいかもしれませんが、歯がなくても口の中の汚れをきれいにすることは欠かせないのです。
- Qこちらでは医科と歯科が連携していることも特徴ですね。
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A
▲外来診療から訪問診療まで地域の健康を支える
そうですね、医科と同じクリニック内で連携できるのは当院の強みの一つです。例えば、歯科分野において抜歯が必要になった場合、医科の先生に患者さんの状態を聞いてから処置をするのが基本的な流れで、通常でしたら文書を作って送って返事を待ってという手順を踏むので、当日中にはできません。当院でしたらすぐに三浦理事長など医科の先生に確認をとって処置へと進めます。また、医科から誤嚥性肺炎の患者さんに対する口腔ケアの依頼があった際も、すぐに対応ができます。他に、訪問歯科の診療中に、患者さんの体調に変化があったときも相談しやすく、緊急時の対応がスムーズなことも医科との連携が取れている強みだと思います。
- Q訪問歯科への相談を考えたほうがいいサインはありますか?
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A
▲医科と歯科が密に連携し、高齢者医療を包括的に支えている
ご家族で介護をされている方で、飲み込むときにいつもむせたり、気になる口臭があったりすると誤嚥性肺炎のリスクが高くなっている状態ですので、訪問歯科で相談されるといいでしょう。むせる方は多いと多いますが、オーラルフレイルといって口周りの筋肉の衰えによって起きている場合もあります。舌が前に出せなかったり、唇をなめられなかったりする方は、飲み込む時に気管を閉じる筋肉も衰えていて、毎回むせてしまっているのだと思われます。また、入れ歯が合わない、歯が痛いというような一般歯科の症状ももちろん訪問歯科で診療を受けられます。自力で通院が難しくなってきた方は気軽にご相談ください。

