田中 瑞恵 院長の独自取材記事
みずたまこどもクリニック
(流山市/南流山駅)
最終更新日:2026/08/05
南流山駅北口から徒歩1分のビル内に、2026年開院の「みずたまこどもクリニック」がある。院長の田中瑞恵先生は、感染症治療にも注力する病院で小児科医として研鑽を積んだのち、自身が育ったこの地で開業を決めた。感染症対策のため待合室のない全室個室の院内には、カフェを思わせる椅子やソファー、部屋ごとに異なる動物柄の壁紙が配され、病院の雰囲気を感じさせないぬくもりがある。乳児湿疹やスキンケアを起点としたアレルギー予防にも注力しながら、「些細なことでも、ひとまず相談していただければ」と穏やかに語る姿には、地域の子どものゲートキーパーでありたいという強い想いがにじむ。3人の子どもを育てる母親でもある田中院長に、開業の経緯や診療への姿勢を聞いた。
(取材日2026年7月13日)
子どもが安心できる空間を、自身が育った南流山に
まずは、こちらのクリニックを開業された経緯をお聞かせください。

私自身、南流山で育ちました。流山市は小児科が不足しており、どのクリニックも常に混み合っている印象を受けます。市内には子ども専用の病床を持つ病院もなく、小児医療の受け皿がまだまだ足りない地域です。子どもたちがかかりたいときにスムーズにかかれるクリニックをつくりたい、地元に恩返ししたいという思いは以前からありましたが、開業はもう少し先のつもりでした。ところが南流山駅前にクリニックモールが建つと知り、これはタイミングだなと思いました。複数路線が乗り入れる駅の北口から徒歩1分、建物もすぐ見える場所です。思いきって予定を早め、この地で開業することに決めました。
受診の流れや院内の設計で工夫された点を教えてください。
当院は待合室を設けず、すべてのお部屋を個室にしています。受付を済ませたら診察室を兼ねた個室に直接お入りいただき、私のほうがそれぞれのお部屋を回って診察するスタイルです。小さなお子さんを連れた受診では、荷物やベビーカーを抱えて待合室から診察室へ、さらに会計へと何度も移動するのが大きな負担ですよね。その動きをなるべくなくし、鼻の吸引や採血などの処置もお部屋の中で完結するようにしています。この設計の背景には、以前の病院で感染症治療に携わり、周囲にうつさないための感染管理に取り組んできた経験があります。個室であれば他の患者さんとの接触を避けられますし、換気もしっかり管理できる。ご家族の負担軽減と感染対策を両立させた形です。
院内の雰囲気づくりで大切にされていることはありますか。

院内には病院らしい椅子をあえて置いていません。カフェにあるような椅子やソファーを選び、壁紙も部屋ごとにデザインを変えています。動物たちがパズルのように描かれたお部屋や、小上がりのあるお部屋など、お子さんの年齢に合わせてくつろげる工夫をしました。こうした空間づくりの土台には、以前の病院で療養環境の整備に取り組んでいた経験があります。子どもにとって遊びや学びはとても大切な要素で、「入院中だからしょうがない」とそれらを奪ってはいけないと考えてきました。その年齢にふさわしい楽しみを届けたいという思いが、当院の空間にも反映されています。治療だけでなく、お子さんが安心して過ごせる環境を整えることも、健やかな成長のお手伝いにつながると考えています。
肌から始めるアレルギー予防など総合的に子どもを診る
診療面で特に力を入れていることについて教えてください。

アレルギーの診療に力を入れています。実はアレルギーの「出だし」は肌にあります。アトピー性皮膚炎になりやすい体質のお子さんは、乳児湿疹の頃からお肌のケアに悩まれることが多く、肌荒れが治らないまま離乳食の時期を迎えると、食物アレルギーを発症してしまうケースがあります。ですから、アレルギーを未然に防ぐためにも、スキンケアの段階からしっかり関わることをとても大切にしています。乳児湿疹の時期に適切なケアを一緒に考え、お肌の状態を整えていくことが、その先のアレルギー予防につながっていく。肌ケアを起点にしたアレルギー診療が当院のアプローチです。喘息に関連する呼吸機能検査の機器なども備えており、必要な検査をきちんと行いながら、予防から治療まで一貫して診ていきます。
他にはどのような診療や相談に対応されていますか。
おしっこ・うんちのお悩みや、子育てのご相談など、さまざまなお悩みに対応できる場を設けています。気軽にご相談いただけるよう、診察枠の名前をあえてやわらかい表現にするなど、呼び方にもこだわっています。また、渡航時のワクチン接種にも対応するなど、保護者の方が行き場に困らないような体制づくりも意識しています。以前の病院では感染症からアレルギー、腎臓の病気まで幅広く担当し、子どもを総合的に診る姿勢を学びました。その経験を生かして、お子さんのことで何科にかかればいいかわからないときでも、まず当院にご相談いただければ、適切な医療につなぐお手伝いができると考えています。
お子さんやご家族との接し方で心がけていることはありますか。

お子さんに対しては、話せる年齢であればなるべく本人に声をかけ、自分の体がどんな状態かを自分で考えてもらうようにしています。体のことを自分事として捉える力を育てたいと思っています。保護者の方には、学校のことなど一見関係なさそうな話題もお聞きし、何でも話していいんだと感じてもらえる雰囲気を大切にしています。私も3人の子どもを育てる母親ですので、再受診の目安や登園のタイミングに迷う気持ちなどよくわかります。そうしたご自宅でのケアも丁寧にお伝えし、説明を尽くすことで安心して通い続けていただける関係づくりを心がけています。
多様な個性に寄り添い、子どもの未来を支えたい
クリニック名にはどのような思いを込められましたか。

水玉は、一つ一つの色や大きさがさまざまでも、集まると優しく親しみやすい模様になります。その一つ一つは、お子さんであり、ご家族であり、スタッフです。一人ひとりの個性が尊重され、多様な人がクリニックに集まることで子どもの健やかな成長に寄り添いたいという想いを名前に込めました。ロゴにも同じ気持ちを込めています。優しい色味のさまざまな水玉が大きな木に集まり寄り添う様子をイメージしたデザインになっていますが、「ここなら安心して相談できる」と感じてもらえればうれしいです。私が小児科を選んだのは、子どもは未来そのもの、宝だと思っているからです。小さい頃から一緒に歩み、入学などの節目をともに喜べることが小児科医ならではのやりがいだと感じています。
今後、どのようなクリニックをめざしていきたいですか。
地域の相談場として、感染症や身近な症状にしっかり対応しながら、アレルギー診療や渡航ワクチンなど広く貢献し、信頼していただけるクリニックをめざしています。子どもに関わることであれば、当院で診られるものはきちんと診て、専門的な対応が必要なときには適切な医療機関へおつなぎする。そうしたかたちで、お子さんとご家族を包括的にサポートしていける存在でありたいと考えています。私自身は、休日は3人の子どもとの時間を大切にしながら、庭の花を手入れしたり眺めたりして過ごす、ごく普通の母親でもあります。そうした日常の中で感じる親としての気持ちも、日々の診療に自然と生きているように思います。お子さんの成長にずっと寄り添えるかかりつけ医として、ここでの診療を積み重ねていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

小児科医は、子どもの体全体を診ながらその未来を支えていく存在だと思っています。ちょっとした肌荒れやお熱のことから、発育や日々の子育てにまつわる心配事まで、お子さんに関わることであればどんなに小さなことでもかまいません。ご相談いただければ、お力になれるよう精一杯努めます。「まずはみずたまこどもクリニックに相談しよう」「相談して良かった」と感じていただけるよう、お子さんを一人の人として大切に向き合い、心と体の両面に配慮した丁寧な診療を日々重ねていきたいと考えています。小さかったお子さんが成長していく姿をご家族と一緒に喜びながら、長く寄り添い続けられる存在でありたい。それが小児科医としての私の願いです。

