平松 ゆり 院長の独自取材記事
ゆりfemina内科クリニック
(高槻市/高槻駅)
最終更新日:2026/07/14
高槻市北園町、高槻駅と高槻市駅のどちらからも徒歩圏の便利な立地で2026年4月に開業した「ゆりfemina内科クリニック」。女性のさまざまな不調や健康課題を、内科的な診療で専門的かつ長期的に支える「母性内科」や「女性内科」の診療を行う。院長の平松ゆり先生は、大学病院や産婦人科の専門病院で長らく母性内科の診療に携わってきた。「悩みや不調を抱えたままどこにも相談や受診ができていない女性はきっと多いはずで、そういう方に安心して来ていただきやすい場所をつくりたかったんです」とほほ笑む。専門性とともに、患者を受け止め診断や治療へとつなげていく穏やかな雰囲気の診療も持ち味だ。取材では母性内科や女性内科の診療内容や、女性医師としての思いも丁寧に語ってもらった。
(取材日2026年5月7日)
より多くの女性を支えたいと開業
最初に、ご開業の経緯をお伺いできますか?

長らく当院からも近い大阪医科薬科大学で診療・研究を行いつつ京都市内の産婦人科病院で母性内科の診療を行ったり、女性専用の健診クリニックで勤務するなど、女性のヘルスケアに関わってきました。大学病院で取り組んできた母性内科は、妊娠前から妊娠・授乳期の不調や体調管理を、内科的な診療で総合的に対応します。母性内科の理念は「健全な母体にこそ健全な児が育つ」です。特に、10年以上関節リウマチや膠原病などの慢性疾患を持ちながら妊娠・出産に臨む患者さんを大勢診てきました。ただ、大学病院へ来られる患者さんは限られています。また女性は、妊娠・出産を終えた後も更年期、老年期と各ライフステージに特有のさまざまな不調に悩まされがちですが、なかなか病院に受診しづらい現状も感じていました。今後は大学病院で学んだことをより多くの、幅広い年代の患者さんに届けたい、そのための場所が欲しいと思うようになり、開業を決めました。
母性内科や女性内科は、普通の内科や産婦人科とはどう違うのでしょう。
女性は思春期から妊娠・出産、授乳、更年期、壮年期まで、ホルモン環境が大きく変動します。加えて結婚、出産、子育て・仕事など家庭的・社会的な役割も変わることで、心身の体調も乱れがちです。女性の人生に起こるさまざまな不調や病気を連続性を持って診る、また内科的観点で全身症状から診療を行うのが女性内科で、このうち妊娠・授乳期に対応することで健やかな更年期以降の健康への橋渡しを行うのが母性内科です。一般の内科では、内科疾患を診る際に、妊娠期・更年期など女性的な背景には深く踏み込まないこともあります。また婦人科では、卵巣や子宮などの臓器を軸に診療を行うことが多いです。これに対して女性内科や母性内科では、丁寧な問診や血液検査、画像検査などから不調の原因を整理し、その上で患者さんそれぞれに合った生活指導や薬物治療などで症状改善をめざします。
先生が、女性内科や母性内科に力を入れるのはなぜですか。

私はもともと人と深く接するのが好きで、一点の病状だけでなく患者さんの人生に寄り添えるような診療がしたいと思っていました。学生時代は産婦人科に魅力を感じていましたが、初期研修で膠原病内科という領域に出合いました。膠原病は、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなど、自分の免疫が自分を攻撃してしまう慢性の全身性炎症性疾患の総称で、診断後さまざまなライフステージを治療をしながら迎えることになります。大学病院では専門の外来として主に膠原病患者さんの妊娠・授乳期もサポートしていますが、慢性疾患管理はその後も続きますので、さらに長く寄り添いたいと女性ヘルスケアについても学びました。私自身も3度の出産を体験し、また娘や母の体調にも寄り添う経験から、当院が母性内科・女性内科に対応することでさまざまな年代の女性からも気軽に相談してもらえる場所になれば良いなと思っています。
全世代の女性の不調やプレコンセプションケアに対応
どのような患者さんが受診されていますか?

思春期から閉経後まで、女性は疲労感、だるさなどの倦怠感、不眠、動悸、イライラ、不安や気分の落ち込み、めまいなど、さまざまな不調に悩まされることがあります。また関節痛や口の乾き、膀胱炎などの症状が年齢とともに増えてきます。こういった「なんとなくの不調」をきっかけに受診される方が、非常に多いですね。妊娠・授乳期の体調不良や内服の相談も承っています。私の専門分野である関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群など、リウマチ膠原病の患者さんにも多く通院いただいていますし、当院はDEXA検査にも対応していますので、骨粗しょう症の患者さんにも通院いただいています。
関節リウマチの患者さんが多いのですね。
関節リウマチは、比較的若い年齢でも発症する病気です。一方、更年期前後からは加齢に伴う変形性関節炎が見られることもあります。このため、関節のこわばりや関節痛、倦怠感があっても「更年期だから」と我慢している患者さんに多く出会ってきました。実際、患者さんがご自身で更年期症状と病気の症状を見分けることはとても難しいです。でもその症状が関節リウマチであれば、何年もそのままにしていると病状はかなり進んでしまいます。当院では問診や血液検査、関節周囲の炎症がわかるエコー検査などで早期発見に努めています。また、閉経前後からのエストロゲン低下で気にしていただきたいのが、骨粗しょう症です。今は痩せている若い女性が多く、また紫外線を浴びる機会も減り骨密度の不足している方が年代を問わず増えています。高齢になり骨折してからでは間に合いませんので、予防のために骨の健康には早くから気を配ってほしいと思います。
プレコンセプションケアとはどういうものですか?

妊娠したいと思う女性にとって、妊娠前に体調を整えておくことは非常に重要です。例えば妊娠中に発症する妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病は、妊娠前から生活習慣や管理をしておくことで、ある程度防げるのではないかと考えています。また人間の体はやはり20代後半から30代での出産が適していますが、今は40代での妊娠出産を希望される方も増えていますので、よりしっかりと準備をしてリスクを下げておきたいところです。妊娠前から持病がある場合も、きちんと治療をしながら妊娠や出産に備えていく。さらに妊娠中の服薬にもリスクとベネフィットを見ながら対応していきます。母体を健康にして、健康な赤ちゃんを産んでいただくための準備がプレコンセプションケアです。女性が活躍する時代だからこそ、妊娠出産を視野に入れた日頃からのケアを大事にしてほしいと思っています。
女性活躍の基盤は何よりも「健康」
患者さんと向き合う際に大事にされていることは?

患者さんがお困りの症状だけでなく、その奥には何があるのかな、ということはいつも気にかけています。生活環境やストレスなど、多くのお話が聞けるような質問を心がけていますね。もちろんエビデンスを重視した治療は大切にしながらも患者さん自身を診ていきたいと思っています。私には3人の子どもがいますが、同じわが子でもそれぞれに個性があるなと感じています。同様に、同じ病気の患者さんにもさまざまな背景やお人柄がありますので、そこにも目を向けることが良い治療につながると思っています。
日々ご多忙と思いますが、リフレッシュはどのように?
子どもは小・中学生ですので、家に帰れば気持ちは子育てモードに切り替わります。週末には子どもと外で遊んだり、読書をしたりしてリフレッシュしています。ただ、医師として仕事をしている時間自体も、前向きな気持ちややりがいになっています。患者さんの笑顔が増えていったり、うれしいお言葉を頂けたりすると、また頑張ろうと思えます。
読者へのメッセージをお願いします。

なんとなく不調を感じていても、忙しかったり、「こんなことで受診してもいいのかな」とためらい、様子を見ている女性は少なくないと思います。更年期症状や月経に関連した症状かなと思っても、内科的な病気が隠れていることもあります。不調のままでいるのはご本人も周囲もつらいものですし、進行する病気の可能性も気がかりです。今は社会的にも女性の活躍が期待されていますが、活躍の基盤になるのは何よりも健康です。健康であることをまず大事にしながら、女性の活躍が進んでほしいと思っています。女性内科や母性内科では、内科的視点から長期的な目線で、症状改善や健康管理をサポートしています。お困りのことがあり受診を迷っていらっしゃるようでしたら、ぜひ一度ご相談いただければと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはプレコンセプションケア/1万5000円~

