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永野 泰寛 院長、宇賀神 亮 さんの独自取材記事

ぽかぽかメンタルクリニック

(立川市/西立川駅)

最終更新日:2026/06/12

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック main

「ぽかぽかメンタルクリニック」は、昭和記念公園の入り口、JR青梅線西立川駅から徒歩3分の場所にある。優しく出迎えてくれたのは、会社員経験を経て医師になった経歴を持つ永野泰寛院長。「受診が必要なのに通院が困難な方のために、こちらから患者さんにアクセスできる環境をつくりたい」と、2026年1月に訪問診療をメインとした精神科クリニックとして開業した。永野院長は、薬物療法だけでなく、カウンセリングにも重きを置き、認定心理士の宇賀神亮さんと連携を取りながら患者の悩みに寄り添う。診療内容や訪問診療の受け方について、2人に詳しく聞いた。

(取材日2026年4月3日)

受診したくてもできない人に医療者側からアクセス

クリニックの診療方針について教えてください。

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック1

【永野院長】診療方針には、大きく2つのテーマがあります。1つ目は、医療につながりにくい方に適切な医療を届けること。2つ目は、精神疾患による苦しみを低減させる治療を届けることです。精神科を受診する方の中には、病院に来たくても来られない人がいらっしゃいます。身体的な問題や精神疾患によって外出できない方は、なかなか外来での医療が受けられません。また、ご自身を病気と認識しておらず、受診に至らないケースもあります。こうした方は、ご家族が悩まれていることが多いのが特徴です。このような状況にある方々に医療者側からアクセスできれば、必要としている方により多くつながれるのではないかと考え、当院では訪問診療を診療の柱としました。

カウンセリングにも力を入れているそうですね。

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック2

【永野院長】はい。カウンセリングは、当院の診療方針の2つ目のテーマ「疾患による苦しみを低減させる治療」へのアプローチとして力を入れています。薬による治療も行いますが、それだけですべての患者さんの苦しみの消失をめざすのは困難です。そこで、認定心理士の宇賀神さんと連携しています。宇賀神さんは、心理学だけでなく、整体や神経科学の知見もかけ合わせた独自のアプローチを採用されています。私も部分的に宇賀神さんの手法を学び、診療に生かしています。特に、他人の気持ちや言葉が気になりすぎて気疲れしてしまう方、自分を責めやすい方への対応です。こういった方々には、自分の心と体の特徴を知り、その整え方を身につけるカウンセリングが大きな助けになると考えています。

宇賀神さんは、主にHSPの患者さんへの対応に注力されていると伺いました。

【宇賀神さん】そうですね。私はHSP(Highly Sensitive Person)といわれる、生まれつき感覚や感情に敏感で、刺激を受けやすい気質をもつ人のカウンセリングに力を入れています。HSPは新型コロナウイルス感染症の流行下に注目され始めて以降、SNSに情報があふれている状況です。それらは、悩みを持つ人の安心材料になる一方、不安を増大させる要素となることもあります。しかし、HSPは病気ではないため、自分の特性に悩み、生きづらさを感じていても、医療で治療できる場合が少ないのです。そこで私は、HSPの方が感じているつらさの理由や根本的な考え方の仕組みを一緒に考え、対処法を見つけるためのカウンセリングを行っています。

医療とカウンセリングの両軸で、隠れた問題と向き合う

宇賀神さんのカウンセリングではどういったことを行いますか?

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック3

【宇賀神さん】私が大切にしているのは、何がつらいのかを一緒に見つけ出すことです。初回では、現在の困り事がいつ頃からあるのかなどをお聞きします。ただし、単なる情報収集になるようなことはしません。患者さんの言葉にならないつらさの根本を、一緒に考えるようにしています。まずは目の前の困り事の解消に注力し、少しずつその真なる原因をひもといていくことが大切です。
【永野院長】宇賀神さんのおっしゃるとおり、実は身体症状の奥に「本当の問題」が隠れていることは多々あります。当院がめざすのは、そうした問題に真正面から取り組めるクリニックです。

永野院長のこれまでのご経験について教えてください。

【永野院長】精神科医として最初に勤務したのは、昭和医科大学烏山病院です。そこでは、統合失調症やうつ病をはじめとした慢性期の精神疾患の患者さんを数多く治療してきました。実は私、医師になる前に7年ほど会社員をしていたことがあります。金融コンサルティングの仕事で、ハードな職場でした。自分自身もそうですし、同僚にも精神的に苦しむ人がいたため、仕事と精神の関係について関心がありました。自分の経験を生かすには、大学病院にかかる前の段階の患者さんを診るべきだと思い、都市部のメンタルクリニックでも診療経験を積みました。この地域で開業したのは、「精神科医がいなくて困っている」という話を多くお聞きしていたからです。訪問診療は立川市以外の近隣の市にも伺えるので、できるだけ多くの通院困難な方に医療を届けられればと思います。

宇賀神さんも会社員としてのご経験があるそうですね。

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック4

【宇賀神さん】はい。私も10年ほど会社員をしていました。仕事に熱心に取り組むあまり精神に不調を来し、そのことがカウンセラーになるきっかけになりました。患者として心理療法を受けていく過程で、この経験を生かして苦しむ人の力になりたいと思ったんです。縁あって、都内のメンタルクリニックでHSPの方のカウンセリングを任せていただくことになり、そこで永野先生に出会いました。私も「届けるべき人にカウンセリングを届けたい」という想いがあり、偶然にも永野先生の開業と同じタイミングでオンラインでのカウンセリングをリリースしたところでした。永野先生とめざすところが同じということで、こちらでもカウンセリングを任せていただくことになりました。

訪問診療は特別なものではない。まずは相談を

訪問診療の流れと診療内容を教えてください。

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック5

【永野院長】まずは当院ホームページの問い合わせフォーム、または電話でご相談ください。ご本人以外からの相談でも構いません。訪問診療の対象となるかを確認し、初診の日程を決めます。診療では患者さんの困っていることを丁寧にお聞きし、治療方針を決定します。慢性期の統合失調症や認知症の方などでは適切に薬を調整し、必要に応じてご家族と相談していきます。トラウマや生きづらさなどの悩みがある方の場合は、薬だけでなく、心理療法も行います。訪問診療は診断がない状態でもご相談可能ですし、年齢の制限もありません。本人が受診したがらない場合でもご相談いただけるので、まずはお問い合わせください。

お子さんの不登校に悩む保護者からの相談も多いそうですね。

【永野院長】はい。不登校の原因には、精神疾患が関係していることもあります。治療が遅れると手遅れになることも多いため、早めに精神科を受診していただくことが大切です。また私見ではありますが、「なるべく叱らず、子どもの好きなようにやらせる」教育方針が、不登校の原因を招くことがあると考えています。保護者が良かれと思い、子どもの興味や楽しみを優先するあまり、子どもが動画サイトやゲームに依存しやすい環境ができやすくなっています。生活リズムが乱れ、心身の不調を来す子どもや、年齢を重ねても自分を律することができない子どもが増えていると心配しています。このような場合は、子ども本人の治療だけでなく、子どもとの関わり方を見直すことも必要です。心理学や教育に関する研究と、さまざまなご家庭を見てきて私なりに導き出した考え方を、不登校や引きこもりでお悩みのご家庭に届けたいと思っています。

精神科受診に迷っている読者へ向けてメッセージをお願いします。

永野泰寛院長、宇賀神亮さん ぽかぽかメンタルクリニック6

【永野院長】外出や定期的な通院が難しく、お困りの方はぜひ当院の訪問診療をご利用ください。また、お子さんの引きこもりや不登校でお悩みのご家庭もご相談いただければと思います。東京都では、高校生以下のお子さんは医療費助成制度により、訪問診療でも自己負担が大幅に軽減されます。大人の方も、世帯所得に応じて精神医療の自己負担が免除される制度があります。制度を利用することで、金銭的な負担はほとんどないことが多いです。本人が治療に後ろ向きでも、徐々に信頼関係を築いて治療を進めることもできますので、まずはご相談ください。
【宇賀神さん】SNSを開けば、さまざまな情報が流れてきます。もし、あふれる情報に混乱してしまったら、私と一緒になぜつらいのかを考えませんか? 「こんなこと相談して……」なんて思わなくて大丈夫。そう思った時が相談のタイミングです。ぜひ私たちにお話しください。