七條 智聖 院長、七條 綾子 副院長の独自取材記事
大阪放出駅前しちじょう消化器内科・内視鏡クリニック
(大阪市鶴見区/放出駅)
最終更新日:2026/03/02
2026年3月に新規開業の「大阪放出駅前しちじょう消化器内科・内視鏡クリニック」は、七條智聖(しちじょう・さとき)院長と、妻の七條綾子副院長による二診制を取っている。東京の虎の門病院で内視鏡治療と出会い、外科的手術に比べ圧倒的に患者への負担が少ない内視鏡治療の可能性に魅了されたという智聖院長は、「今や胃がん、大腸がんも内視鏡治療が標準になりました。これからも外科手術ゼロをめざして内視鏡診療に取り組んでいきたい」と展望を語る。今回は研究や論文執筆にも力を尽くす智聖院長と、腎臓高血圧内科を専門とする綾子副院長に、同院の特長や今後の展望などについて尋ねた。
(取材日2025年11月11日)
約20年の経験を生かした先進的な内視鏡治療
どんなクリニックなのかご紹介ください。

【智聖院長】内科全般を幅広く診療し、私は日本消化器病学会消化器病専門医として、大腸・胃・食道の内視鏡検査・治療に注力します。内視鏡では鎮静剤を使用することも多く、患者さんの負担を減らすため駅からすぐのロータリーに面した立地には特に拘りました。院内には下剤を飲んでいただく専用スペースが6席、検査後は移動用ベッドのまま、安全性に配慮しながらリカバリールームに移動できる動線を整えています。胃がんや大腸がん治療では内視鏡が標準になりつつあり、外科手術ゼロをめざして先進の内視鏡診療を提供します。また、日本大腸肛門病学会大腸肛門病専門医として痔・肛門疾患も診療します。妻の綾子副院長は日本腎臓学会腎臓専門医で、生活習慣病を含めた幅広い一般内科診療も行います。内視鏡検査結果だけでなく、採血結果の当日のご説明や、予防接種やオンライン診療、24時間ウェブ予約にも対応し、通いやすいクリニックをめざしています。
智聖先生のご経歴とこれまでの実績を伺います。
【智聖院長】東京大学医学部を卒業後、虎の門病院・国保旭中央病院・東京大学医学部附属病院で9年間勤務した後大阪に戻り、大阪大学の消化器内科に入局。大阪国際がんセンターには大阪府立成人病センター時代から勤め、合わせて9年間勤務しました。私の父が内科医だったので、内科に進むことは決めていましたが、内視鏡治療に魅了されたのは内科レジデントとして虎の門病院に勤務した時です。当時、内視鏡治療は発展期で、東京大学から赴任された矢作直久先生を中心に、全国から集まった若手医師たちが切磋琢磨していました。内視鏡が検査から治療へ進化していた頃で、私も夢中で経験を積み、技術を磨きました。
先進医療にも携わっていらっしゃったそうですね。

【智聖院長】私が勤務していた大阪国際がんセンターは、内視鏡診療の領域でよく知られている施設です。西日本各地から患者さんが集まり、多くの若手医師も集まる環境で、新しい手技の工夫やAIを用いた研究などを行い、先進医療にも積極的に関わってきました。そこで私も、先進医療である胃の粘膜下腫瘍の内視鏡治療に関わり、多施設の成績を英語論文として報告してきたので、今後保険診療として認められることを期待しています。その他、家族性大腸腺腫症の方を対象にアスピリンがポリープ発生を抑制するか検証する試験にも携わりました。
肛門疾患にも対応、大腸がんの早期発見・治療にも注力
内視鏡治療は、患者さんにとってどのようなメリットがありますか?

【智聖院長】内視鏡治療の大半は日帰りででき、入院する必要がありません。消化管は一度切除すると再生しないため、手術後は食事や生活に制限が出ることがあります。病状によっては外科手術は欠かせませんが、患者さんのQOLを考えれば、早期発見し内視鏡で治すことが重要です。胃ではピロリ菌除菌が胃がん予防に、大腸ポリープの切除は大腸がん予防につながります。日本では大腸がんの死亡率が増加傾向ですが、内視鏡の普及により、がん患者さんを減らせるはずです。胃がん・食道がん・大腸がんといった消化器がんは、より早期に発見・治療できる時代になり、私たち消化器専門の医師が共通してめざすのは「がんで苦しむ方を一人でも減らすこと」です。当院ではさらにその先を見据え、外科手術ゼロをめざす内視鏡診療を提供してまいります。
内視鏡検査は怖い、痛いと敬遠されがちですが、何か工夫はされていますか?
【智聖院長】内視鏡検査に「怖い」「痛い」という印象を持つ方は多いのですが、実際には工夫によってほとんど苦痛なく受けていただけます。鎮静剤を使えば眠っている間に検査が可能で、薬の種類や量を細かく調整することで安全性に配慮しつつ快適に行えます。また、痛みの有無には医師の技術が大きく影響します。私は研修医の頃は大腸内視鏡に1時間かかることもありましたが、現在は観察やポリープ切除まで含めても15分ほどで終了します。腸を無理に伸ばさず挿入する「無送気軸保持短縮法」を用い、検査中は空気ではなく二酸化炭素を使用するため、おなかの張りが大幅に軽減されます。胃カメラも6mmの細径スコープなど先進機器を採用し、負担の少ない検査を実現しています。これまでの豊富な経験を生かし、安心して受けていただける内視鏡診療を提供します。
肛門内科も標榜されていますね。

【智聖院長】痔や肛門の症状は「恥ずかしい」という気持ちから受診が遅れがちですが、実は多くの方が悩んでいる非常に身近な病気です。鶴見区には大腸肛門病専門医が少ないこともあり、地域の皆さんのお力になれると感じています。痔や肛門の症状、大腸の検査については、「こんなことで受診していいのかな?」と思われる方も多いのですが、気になることがあれば、まずは気軽に相談していただければうれしいです。早めにご相談いただくことで、負担の少ない治療につながります。
育ててくれた患者への感謝を忘れない
綾子先生は腎臓内科を担当されていますね。診療の内容やこだわりを教えてください。

【綾子副院長】腎臓内科には、透析が必要なご高齢の方から、健康診断の尿検査で異常が見つかった方、急性腎炎を発症した20~30代の方まで、幅広い年齢層の患者さんが来院されます。急性症状にも迅速に対応できるよう、私の希望で院内で採血検査を行える体制を整えました。貧血や炎症の程度はもちろん、コレステロール、血糖値、尿酸値、腎機能、さらにナトリウムやカリウムなどの電解質まで、30分以内に結果をご説明することが可能です。一般的なクリニックでは貧血や炎症の数値以外は後日結果説明となることが多いですが、結果をその場でお伝えすることで治療方針や薬の調整をすぐに行えるようにしています。また、再来院のご負担を減らせる点も、この体制にこだわった理由の一つです。
どのような診療をめざしていますか?
【綾子副院長】腎臓の働きに何らかの問題を抱えている方は、実はとても多いといわれています。しかし、その診療にしっかり対応できる腎臓専門の医師が、まだ少ないのが現状です。私は日本腎臓学会腎臓専門医として、患者さんに身近な場所で腎臓の異常を早く見つけ、透析が必要な状態へ進まないようにサポートすることが自分の使命だと感じています。これまで勤務してきた病院では、長く腎臓病と向き合ってこられた多くの患者さんを担当してきました。透析が始まると、患者さんにとって、生活が大きく変わり、ご家族にも心身の負担がかかります。そうした重要な時期に寄り添い、医師としての経験を、これから出会う患者さんやご家族にも生かしていきたいと思っています。不安や心配な気持ちに寄り添いながら、腎臓の健康を長く守るお手伝いをしていきたい、そういう思いで日々の診療にあたっています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【智聖院長】私を育ててくれたのは、内視鏡の経験を積ませてくださった多くの患者さん方です。たくさんの症例を診ることができる環境で長く研鑽を積める医師は決して多くありません。だからこそ、そこで得た経験と技術を地域の皆さまに還元したい、その思いで内視鏡クリニックを開業する決意をしました。これまでに培った知識と技術を生かし、「ここに来てよかった」と思っていただける診療を提供できるよう努めて参ります。
【綾子副院長】これまでは人事異動により病院を異動しながら患者さんを診てきましたが、そのたびに「もっと長く関わりたかった」という心残りを感じることもありました。これからは一つの場所に腰を据えて、患者さんとじっくり向き合いながら、長くサポートしていくことができます。新しい地域で、より多くの患者さんに関われることを心から楽しみにしています。

