地域医療への貢献のため
武蔵野市に根差したクリニックの挑戦
吉祥寺なるかわファミリークリニック
(武蔵野市/吉祥寺駅)
最終更新日:2025/10/02


- 保険診療
2025年8月、吉祥寺サンロード商店街にて開業した「吉祥寺なるかわファミリークリニック」。「私は吉祥寺で生まれ育ち、この街が大好きなんです」と語る成川研介院長は、地域医療の貢献への想いが強い。予防接種や乳幼児健診などを含め、年齢を問わず診療にあたっている。土日診療や即日検査などきめ細かな患者対応から、温かみのある空間デザインまで、すべては「誰もが安心して通える場所にしたい」という成川院長の哲学によるもの。「大人も子どもも遠慮なく来てください」という成川院長に、地域医療への想いや皆が安心して通えるクリニックづくりについて尋ねた。
(取材日2025年9月12日)
目次
「故郷で医療を支え、住みやすい街づくりに貢献したい」、情熱がクリニック全体にあふれる
- Q地域医療への想いについて教えてください。
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A
▲思い入れのある「吉祥寺」で開業
この地域は、まさに私が生まれ育った故郷です。幼少期から高校まで、ずっとこの武蔵野市で過ごしてきました。だからこそ、この街の医療に貢献したいという想いが非常に強いのです。武蔵野の医療には良い面もあれば、改善すべき面もあります。その弱点を補い、誰もが「住み続けたい」と思えるような、より良い街にしていきたい、他の地域には負けない。そんな誇りを持って医療に取り組んでいます。武蔵野市医師会に加入し、市の委託事業のみならず、学校医や園医といった公的な活動にも積極的に関わっていきたいと考えています。生まれ故郷の医療を支え、より住みやすい街づくりに貢献していくことが私の目標です。
- Q地域の方のために、心地良い空間づくりを意識されたそうですね。
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A
▲安心できる空間になるように、医院づくりからこだわりを
武蔵野市や吉祥寺に住む人は、チェーン店よりも個性的なお店や場所を好む傾向にあると思います。ですから「病院はこうあるべき」という固定観念にとらわれず、地域の方々が通いやすい新しいクリニックのかたちをつくりたい。そう考えたとき、父に設計を頼むことを思いつきました。父は住宅やお寺を専門に手がける建築士なので、医療施設とは違う視点から、これまでになかった雰囲気のクリニックがつくれると思いました。床は保育園でも使われている素材のものを採用。クッション性があるので、膝をついても痛くありません。ベッドや医療器具の収納棚などは医療機器メーカーの製品に限らず、住宅用の良質な照明や家具を選びました。
- Q診察室のモニターも積極的に活用されていると伺いました。
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A
▲検査結果などがわかりやすいように大きなモニターで説明する
私は、カルテや処方箋は患者さんと共有したいと考えています。診察室では、55インチの大画面を使ってカルテや検査結果を患者さんと一緒に確認します。医師が一方的に説明するのではなく、互いに内容を見ながら話を進めることで、認識のずれを防ぎ、「きちんと話を聞いてもらえている」という患者さんの安心感につなげていきます。また、薬の種類や服用方法についても、患者さんの希望を伺いながら一緒に決めるスタイルです。また、診察室に大きなソファーを置き、そこに座ってくつろぎながらカルテを見てもらえるようにしました。自宅でテレビを見るような感覚で診察を受けてほしいという想いから、このスタイルを取り入れました。
- Q予防接種や乳幼児健診にも注力しているそうですね。
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A
▲地域のニーズに応え、土日の診療も行う
当院ではお子さんから大人まで、幅広い世代の予防接種に対応しています。お子さん向けには、生後2ヵ月から予防接種を行っています。小児科医が不足していることや予約が取りにくい状況を考慮し、土日や夜間でも受付が可能です。現在は時間帯を決めていませんが、将来的には「クリーンタイム」として予防接種専用の時間帯を設ける予定です。また、武蔵野市の委託事業として6ヵ月、9ヵ月、1歳6ヵ月の乳幼児健診も実施しています。大人向けにはインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、肺炎、帯状疱疹の予防接種を行い、武蔵野市だけでなく周辺の三鷹市、小金井市、西東京市、練馬区、杉並区にお住まいの方も補助対象となります。
- Q検査体制が充実しているのも、地域の患者さんのためなのですね。
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A
▲迅速に検査結果を伝えられるような体制を整えている
私は、患者さんの不安をすぐに解決したいと思っています。当院では検査にも力を入れており、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの検査は、約15分で結果が出ます。アデノウイルスの検査に加え、百日咳やマイコプラズマ肺炎など、通常の診断が難しい咳の原因を特定できるPCR検査が15分で結果の出る機器を導入しました。お子さんのアレルギー検査では、注射が苦手なお子さんでも怖がらないよう、髪の毛ほどの細い針でごく少量の血液を採取。ほとんど痛みを感じることなく検査を受けられ、専用の機器で30分後には結果が判明します。その結果により、6歳以上のお子さんには舌下免疫療法もご提案できます。