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豊田 寛朗 院長の独自取材記事

黄河歯科医院

(横浜市瀬谷区/三ツ境駅)

最終更新日:2025/04/15

豊田寛朗院長 黄河歯科医院 main

三ツ境駅前から徒歩5分の立地にある「黄河歯科医院」は、2代目となる豊田寛朗院長が前院長の「食べることは生きること」との思いを受け継ぎ、「噛んで飲み込むなどの機能面も十分に考慮し、患者さんの人生の豊かさにも貢献できる治療をめざしています」と話す。また、同院は歯周病の予防と治療、口腔機能発達不全症・口腔機能低下症の改善にも力を入れ、訪問診療も行っている。地域の多様な医療ニーズに応える同院の方針や特徴について豊田院長に詳しく聞いた。

(取材日2024年11月19日)

「食べる喜び」を支える治療で人生の豊かさにも貢献

1980年の開院で、半世紀近くもこの地で診療されているのですね。

豊田寛朗院長 黄河歯科医院1

当院は私の父である豊田河清(とよだ・かせい)前院長が開院し、瀬谷区を中心とした地域密着の歯科医院です。父が患者さん一人ひとりの話をよく聞いて気持ちを理解し、その方に合った治療に努める姿勢が共感を呼び、長く通ってくださる患者さんも多いですね。私は2013年から当院での診療に携わり、2018年に院長になってからは父の患者さんを引き継ぐことも増えました。診療の際には痛い部分を治療するのはもちろん、その方がきちんと噛んで飲み込めて、食事を楽しめるかどうかまで留意します。実生活できちんと機能するように歯を治療できれば、周囲の方との食事やおしゃべりが楽しめるなど人生の豊かさにも貢献できます。これが父がモットーにしていた「食べることは生きること」なのだと思っています。

先生がこちらに来られるまでの経験を教えてください。

私は神奈川歯科大学を卒業後、さまざまなタイプの歯科医院に勤めて診療の幅を広げました。例えば入れ歯治療では、患者さんの歯型をとり、入れ歯を製作し、フィットするよう細かく調整していきますが、それぞれのステップでエラーや誤差を徹底してなくしていければ入れ歯の仕上がりが良くなることを経験から学びました。「一つ一つの仕事を着実に行う」という、私の歯科医師としての基礎をつくってくれた時代といえます。また、私の母校が運営する横浜駅近くの神奈川歯科大学附属横浜クリニックでも勤務し、全身疾患やアレルギー疾患の患者さんの歯科治療にも携わりました。「内科医師が教える歯科医療で知るべき体の知識」など、同クリニックが歯科医師のレベルアップをめざして主催するセミナーにも積極的に参加して知識を磨きました。ただ、勤務医のときは目の前の仕事をこなすのに精いっぱいで、地域密着の医療を意識し始めたのは当院に戻ってからなんです。

今はどのような思いで診療されているのでしょうか?

豊田寛朗院長 黄河歯科医院2

「食べることは生きること」の考えに基づき、歯科医療を通して患者さんの健康寿命の延伸に寄与することが目標の一つです。特に高齢の方は、自分の歯で噛んで食事をすることが脳への刺激になり、十分な栄養の摂取にもつながると思うんです。これは友人と食事を楽しむなどで交流が広がり、仕事にも就けるなど、その方の社会参加を促すことにも役立つはずです。そのために当院では、お子さんから高齢の方まで「噛む」「飲み込む」「発音する」といった口腔機能の維持・向上に努めてきました。また、私は歯周病が専門で、適切な予防と治療で歯を失わない診療にも注力しています。最近はホームページを見て歯周病を診てほしいという30~50代の患者さんも増えてきました。見過ごされやすい歯周病の治療にしっかり取り組み、たとえ重症化していても可能な限り噛める歯を残せるようにしたいと考えています。

口腔機能の改善を図り歯並びが整うことにも期待

子どもの口腔機能に関する取り組みについて教えてください。

豊田寛朗院長 黄河歯科医院3

お子さんの場合、一般的に「噛む」「飲み込む」「発音する」などの口腔機能は年齢とともに発達すると考えられますが、さまざまな要因で機能が十分に発達しない「口腔機能発達不全症」になるケースが増えていると感じます。さらに口がぽかんと開く、出っ歯になりやすいなどの悪影響も考えられます。2018年からは18歳未満のお子さんに対する口腔機能発達不全症の診療は保険適用になったため、当院では舌の筋肉を中心に口腔筋をトレーニングする「あいうべ体操」で機能向上をめざす指導など、お子さんの口腔機能の改善をサポートしています。口腔機能の改善を図り舌が適切な位置に収められれば、乳歯から永久歯へ生え替わる時期に歯列が整うことも期待できますから、早めの対処が望ましいといえます。

訪問診療ではどんなことに留意されるのでしょうか?

ご本人が口腔機能を維持できるよう、ご家族の意向までくみ取った診療ができればと思っています。ほとんど寝たきりの方でも、きちんと合う入れ歯を製作し、よく噛んで食べられるようになれば、体や心にもプラスに影響するかもしれません。要介護者のQOL向上のためにも口腔環境を良い状態で維持することは重要だと考えています。また、これは訪問診療に限りませんが、高齢の患者さんの多くは基礎疾患が併存し、「高血圧などで血液サラサラの薬を飲んでいる方は血が止まりにくい」「糖尿病の患者さんは免疫が低下している可能性がある」などのリスクにも留意する必要があるのです。そのため私たち歯科医師は、同じ患者さんを担当する内科や整形外科の先生方とも連絡を取り合い、患者さんに適した治療をご提供したいと考えています。

高齢者の歯科医療では課題も感じられるそうですね。

豊田寛朗院長 黄河歯科医院4

例えば90歳を超えるような方の場合、感染症などでこれから悪化しそうな歯を抜くと全身の健康状態に影響する可能性もあります。また、そうした治療自体が1年がかりの計画だった場合、残りの人生の大半を治療中で過ごしてもらうことにもなりかねず、高齢の方の将来を考えた治療をどこまで行うかは非常に難しい課題だと感じています。ですから患者さんの主治医とも連携して、ご本人の残りの人生をできるだけ充実して過ごせるような選択肢をご提示したいと思いますし、ケアをしているご家族にも納得していただける治療ができればと考えています。

職種を超えた連携で地域に必要な医療・介護を提供

訪問診療や高齢者医療では地域連携も大事ですね。

豊田寛朗院長 黄河歯科医院5

歯科医療で問題になる薬を内科の医師に相談して一時的に変えていただくこともあり、医療と介護に関わる多職種の連携は必須の時代です。ただ、情報のやりとりでは「あの先生からか」と相手の顔が浮かぶのとそうでないのとでは印象も違うと思うんですね。そこで瀬谷区の歯科医師会・医師会・薬剤師会の三師会とケアマネジャーが一緒になって、区のキャラクターの名前を冠した「せやまるカフェ」を立ち上げ、親睦の目的も兼ねた勉強会を定期的に行っています。特にケアマネジャーは患者さんの細かなニーズに対応するなど大変な職種ですから、適切な医療を安心して選択していただけるようしっかりと情報を提供し、電話やメールでも連絡していただける関係づくりをめざしています。将来はDXが進むかもしれませんが、現時点では手紙や書類ベースのやりとりが主流。普段から互いの信頼関係を構築しておくことが、医療や介護の質の向上につながると感じています。

院内でのチームワークはいかがでしょうか?

歯科医師、歯科衛生士、歯科助手、受付スタッフなど、どの職種もほかの職種に敬意を払いながら協力し合って当院が成り立っていると感じています。患者さんは歯科医師には話せなくても、受付スタッフに治療の感想やご家族について話されることはよくあります。必要な情報は歯科医師にも共有してもらい、次回に役立てることもチームワークを生かした診療といえるでしょう。加えて、もう40年ほど勤めていただいている清掃スタッフの方もいらっしゃいます。患者さんに接する立場でなくても、院内を居心地良く保つには絶対に必要な職種だと思いますし、そうしたスタッフも大切にしながら当院の運営を考えたいと思っています。

歯科医院として今後の展望をお聞かせください。

豊田寛朗院長 黄河歯科医院6

たとえ医療技術が進歩しても、虫歯や歯周病の予防と治療、入れ歯治療、口腔機能の維持・向上など、社会に必要とされる歯科医療はそう大きくは変わらないはずです。そのような普遍的な歯科医療、地に足のついた治療を、今後も瀬谷区の皆さんにご提供することが当院の役割と考えています。これからも、患者さんにとって快適で満足のいく治療となるよう、対話を大切に、信頼関係の構築を心がけていきます。また、当院で働いていただくスタッフの満足度も考慮しながら、この地域で歯科医療を提供し続けたいですね。

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