齋藤 佑記 院長の独自取材記事
戸塚安行駅前内科
(川口市/戸塚安行駅)
最終更新日:2025/06/26

埼玉県川口市、埼玉高速鉄道線の戸塚安行駅から徒歩1分の医療モール2階に「戸塚安行駅前内科」が開業した。院長の齋藤佑記(ゆうき)先生は、内科全般に対応しつつ、特に循環器内科を専門とし、心臓超音波検査を活用した機能評価に強みを持つ。日本大学医学部附属板橋病院の生理機能検査室の一部門である心エコー室で室長を務めた経験を持ち、日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医、日本超音波医学会超音波専門医の資格を有するエキスパートだ。明るく開放感のあるクリニック内は白と木目、そしてブルーの内装が印象的で、リラックスできる雰囲気。丁寧で朗らかな齋藤院長に、開院までの経緯やクリニックの強み、今後の展望などについて話を聞いた。
(取材日2025年6月13日)
大学病院での経験を地域医療に生かす
医師を志したきっかけを聞かせてください。

両親ともに医師だったことから、自然と医療が身近な環境で育ちました。特に印象に残っているのは、小児科医だった母が自宅で開業していた頃の姿です。近所の子どもたちや学校の友達が風邪をひいたり、湿疹ができたりして母のもとを訪れ、笑顔になって帰っていく様子を見て、「医師って人を助けることができて、たくさんの人から感謝される仕事なんだ」と誇らしく思っていました。気づけば自分も「両親のようになりたい」と思うようになり、あまり迷うことなく医師をめざしました。医学部に入ってからも、内科や小児科の分野に自然と関心が向いていたように思います。母の影響はとても大きかったですね。
では、循環器内科を専門にされた理由をお聞かせください。
循環器内科を選んだ理由は、大きく2つあります。一つは初期臨床研修中の出来事が理由です。外科系の診療科をローテーションしていた時、手術後の患者さんに不整脈の発作が起きたことがありました。指導医は手術中で不在、病棟には私1人という状況で、どう対応すれば良いかわからず戸惑っていたところ、通りがかった循環器内科の先生がすぐに対応してくださり、とても頼もしく感じたんです。もう一つは、救命救急での研修中のこと。息苦しさを訴える患者さんが搬送されてきたのですが、紹介状を見たところ、開業医の先生が身体診察と心電図、超音波エコー検査の所見だけで「重度の肺塞栓症」と診断していました。「限られた設備の中でここまでできるのか」と感銘を受け、自分もそんなふうに、迅速で正確な診断ができる医師をめざしたいと思いました。
こちらに開業するまでの経緯を教えてください。

大学卒業後は一貫して大学病院に勤務し、およそ15年にわたって臨床と研究に携わってきました。日本大学医学部の循環器内科学で准教授を務め、日本大学板橋病院では生理機能検査室の心エコー室で室長にもなり、多くの経験を積ませていただきました。さまざまな臨床研究や現場での経験を積み、経験、能力、知見が身についたと感じた頃から、「自分も両親のように地域医療に貢献したい」「大学で学んだことを地域の方々の健康に役立てたい」と考えるようになりました。そんなとき、縁があってこちらの医療モールで開業のお話をいただいたんです。それまでは、この地域のことはほとんど知らなかったのですが。一目見て「きれいな場所だな」と感じ、開業を決めました。
一人ひとりの声に寄り添うクリニックをめざして
クリニックの強みを教えてください。

一般内科を幅広く、そして循環器内科は専門的に診ているという点が、クリニックの強みだと思います。特に私は、超音波エコー検査を活用した診察・診断を得意としており、そのメリットを最大限に生かした診療を行っています。心臓の疾患にはさまざまなものがありますが、診察や心電図だけでは得られる情報に限りがあります。超音波エコー検査を使うことで、心臓の機能や形態はもちろんのこと、血流の状態や心臓に負担がかかっていないかなど、多くの情報を把握することができます。細かな異変も見つけやすいため、特に初期の心臓弁膜症や軽度の心不全など、診察だけではわかりにくい早期の病変を発見でき、より早く対応できるのが大きなメリットです。
患者さんの年齢層と、患者さんからご相談いただく内容を教えていただけますか?
幅広い疾患、幅広い年代の方に来ていただいています。循環器内科という特性上、大学病院ではご高齢の患者さんを診ることが多かったのですが、こちらは住宅街にあり、ファミリー層が多い地域ということもあって、比較的若い世代の方も多く受診されています。ご家族で通ってくださる方や、受診された方がご家族をご紹介くださることも多いですね。内科には発熱や、高血圧症・脂質異常症といった生活習慣病の相談に加え、職場の健康診断や人間ドックで異常を指摘された方もいらっしゃいますし、循環器内科では動悸や息切れ、むくみといった症状にも対応しています。病気をより早い段階で見つけて対応したいと思っていますので、ちょっとした不調や不安でも気軽に相談していただけるとうれしいですね。
診療において、大切にしていることを教えてください。

いくら良い診療をしていても、患者さんが求めていることや解決したい問題、不安に感じていることに対応できなければ意味がないと考えています。症状から「おそらくこういう疾患だろうな」と推測できる場合でも、しっかりコミュニケーションを取り、患者さんが不安な点や解決してほしいと思っていることを把握するよう心がけています。その上で、診断内容や今後の検査・治療の流れをわかりやすく説明し、ご納得いただいた上で治療に進みます。患者さんによってニーズはさまざまで、急いでいるから薬だけ欲しいという方もいれば、小さな子どもがいるため新型コロナウイルスやインフルエンザの可能性を調べておきたいという方もいます。もちろん、薬だけ希望されていても緊急性があると判断すれば必要な検査や処置は行いますが、できるだけ希望に沿った診療を心がけています。
ちょっとした不調や不安も気軽に相談を
クリニックの雰囲気がとても良いですね。

窓が大きくて明るく、開放感のあるこの建物と、何よりスタッフの存在がクリニックの雰囲気の良さにつながっていると思います。私の他に、看護師3人、受付3人が勤務していますが、皆にこやかで温かく、優しい対応をしてくれます。私自身も丁寧な診療を心がけていますが、スタッフは私が気づかないような細かな配慮までしてくれていて、本当に助けられています。例えば、小さなお子さんを連れて受診された患者さんがいると、子どもが飽きないように絵本を渡すなどの工夫をしてくれていて、そのおかげで私は診療に集中できます。受付スタッフの優しさや明るさ、看護師の細かなケアや心づかいにはいつも感謝しています。実際に「小さな子どもと一緒に来院しても安心できる」といったお声をいただくこともあり、とてもうれしく思っています。
今後の展望をお聞かせください。
ホルター心電図や睡眠時無呼吸症候群の検査を自宅で行える体制を整えましたので、多くの方に活用していただけたらと思っています。例えば「たまに動悸がする」といった症状の場合、診察時の心電図では異常が見つからないことも多いですが、ホルター心電図なら24時間モニタリングができ、症状が出ているときの心電図変化を確認できます。検査機器はご自宅に郵送され、日常生活を続けながら検査が可能ですので、お仕事などを休む必要もありません。このような検査で心房細動などの疾患を早期に発見し、適切な治療につなげていきたいですね。症状そのものが軽い方も、一度検査を受けることで安心していただけるのではないでしょうか。今後もさらにこうした仕組みを充実させていきたいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当クリニックでは、発熱などの風邪症状から循環器疾患、生活習慣病まで幅広く診療を行っており、循環器の専門的な疾患にも対応しています。動悸や息切れ、むくみといった症状をはじめ、心不全や心臓弁膜症なども早期に診断できる体制を整えていますので、軽い症状でも遠慮なくご相談ください。かすかな体調の変化の裏に病気が隠れていることもあります。私は循環器専門医であり、超音波専門医でもありますので、エコー診断にも力を入れています。超音波機器を導入するクリニックは増えていますが、専門的な知識と技術に基づいた診療を提供できるのが当クリニックの強みです。どんな小さな不安や疑問でも、お気軽にご相談いただければと思います。地域の皆さまの健康を守るために、これからも力を尽くしてまいります。