玉岡 滉平 院長の独自取材記事
鶴橋駅前たまおか肛門・内視鏡クリニック
(大阪市天王寺区/鶴橋駅)
最終更新日:2025/11/26
鶴橋駅より徒歩1分。2025年11月開業の「鶴橋駅前たまおか肛門・内視鏡クリニック」は、おしりやおなかの不調に悩む人のためのクリニックだ。院長を務める玉岡滉平先生は、消化器外科医として研鑽を積んだ後、おしりのトラブルに悩む人に寄り添った診療をしたいと肛門外科でも多くの患者と向き合ってきたスペシャリスト。受診に伴う不安や恥ずかしさについても深く理解しており、院内のさまざまな部分に院長の優しさから生まれる細かな配慮がうかがえる。「おしりのトラブルは相談しにくく、我慢しがちなもの。だからこそ、相談したいと思ってもらえるクリニックをめざします」と優しい笑顔で語る玉岡院長に、開業の経緯や診療の特徴など話を聞いた。
(取材日2025年10月9日)
おしりのトラブルに悩む人が気軽に受診できる場所
まずは開業に至るまでの経緯からお聞かせください。

大学卒業後は消化器外科を中心に研鑽を積み、内視鏡検査はもちろん、胃がん・大腸がんから潰瘍性大腸炎やクローン病といった難病まで、幅広い消化器疾患の治療に携わってきました。中でも手術には特に大きなやりがいを感じていたのですが、多くの患者さんと向き合う中で「もっと早くに検査を受けていれば良かったのに」と感じることが増えていったんです。そうした日々を過ごすうちに「患者さんにとって身近なクリニックを自分でつくりたい」という気持ちが大きくなりました。そこから少しずつ自分のクリニックに対するイメージを膨らませていったのですが、これまでの経験を生かせる消化器疾患に対する検査・治療はもちろん、肛門に起きるトラブルを専門的に治療できるクリニックにしたいと思うようになりました。
肛門の治療に興味を持ったのはなぜですか?
肛門の治療を専門的に行うクリニックは非常に数が少なく、大きな病院でも診療科として設置されていないことが多いんです。しかし、それに反しておしりのトラブルで悩んでいる人は非常に多くいらっしゃいます。ただ、非常にデリケートな部分の診療ですから、受診を恥ずかしく感じたり診療への不安が大きかったりして、一人で我慢している人がとても多いように思います。その結果、症状が悪化してから受診される方が後を絶ちませんし、「どこを受診すれば良いかわからなかった」といった声も多く聞きます。おしりのトラブルは消化器疾患と関連していることもありますので、我慢せず早めに受診することが大切です。そこで私は、悩みを気軽に相談できる場所をつくりたいと考えました。
病院の肛門外科でも研鑽を積まれたそうですね。

肛門外科に進もうと決めてからは、より良い治療をできるように千葉と熊本にある肛門専門の病院に勤務して経験を積みました。多くの患者さんの診療を担当させていただき多くのことを学びましたし、おしりという、特にデリケートな部分を診療する医療機関としての心構え。そして、患者さんへの心配りについても、あらためて学ぶことができました。これらの経験が自信になり、開業して患者さんに還元していこうという思いが強くなったタイミングで、鶴橋に誕生するクリニックビルがあるというお話をいただき開業を決意。今はオープンに向けて準備を進めているところです。鶴橋駅から徒歩1分と非常にアクセスが良いので、近隣にお住まいの方はもちろん、お仕事帰りや遠方からもご来院いただけたらうれしいです。
不安な気持ちに配慮し、患者に寄り添った診療を提供
院内は広々としていてとてもすてきな空間ですね。

当院は駅からすぐの場所にあり、通院しやすい立地だと思います。誰にでも気軽に受診していただけるクリニックをめざしていますので、院内はバリアフリー設計を徹底しました。スロープには車輪が滑らないよう細かな凹凸をつけ、車いす用トイレも完備しています。さらに、検査準備室にはトイレつきの個室を設け、車いすの方や体調に不安のある方にも安心して過ごしていただける環境を整えました。準備室には複数のブースを設け、それぞれにコンセントを設置。スマホやパソコンを使いながら、下剤の服用から検査までの時間をリラックスしてお過ごしいただけます。院内には2つの診察室と2つの内視鏡室、エコー室や問診室も備えています。クリニックは「行きたい場所」ではないからこそ、少しでも心地良く、安心して過ごせる空間づくりを心がけました。
具体的にはどのような診療が受けられるのですか?
一つは肛門外科としておしりのトラブル、具体的にはイボ痔、切れ痔、痔ろうのような肛門の痛みや腫れ、かゆみ、出血などに対する専門的な診断・治療を行います。薬物療法などの保存的治療だけでなく、外科手術も含め幅広い治療の提案が可能ですのでご相談ください。また、消化器内科としておなかの症状にも幅広く対応します。食欲不振や腹痛、吐き気、便秘、下痢、おなかの違和感や張りなど、おなかの調子や排便の様子がおかしいときにもご相談いただけます。さらに胃と大腸の内視鏡検査にも対応します。平日だけでなく第2・第4日曜と土曜の午後にも内視鏡検査を実施する予定ですので、これまでお仕事が忙しくて検査を受けられなかった方にも検査をご検討いただけたらうれしいです。
内視鏡検査に苦手意識を持っている人は多いようです。

内視鏡検査は、必要性が理解できていても受けたくない方が多い検査だと思います。特に大腸内視鏡検査は下剤への不安や、恥ずかしさを感じる方も少なくありません。以前に検査を受けた経験があり、痛みや違和感で「もう受けたくない」と思っている方も多いでしょう。ですから当院では、無駄な検査をお勧めすることはありません。腹部エコーや肛門エコーもありますので、まずは負担が少ない検査から実施します。また、必要に応じて鎮静剤を使用し、希望があれば胃と大腸を同日に検査することも可能です。クリニックでの検査に不安がある場合は、病院への紹介も行います。大切なのは「必要な検査を受けること」。当院でなくても良い。患者さんにとってより良い方法を一緒に考えていきます。
優しさと専門性で、生まれ育った地域に貢献を
検査や受診に対する抵抗感や恥ずかしさを解消するため、どんな工夫をされていますか?

診察室内にはカーテンを複数設置して、安心して服の着脱などもできるようにしています。また、診察中に医師と患者さんが2人きりにならないよう、必ずスタッフが同席する体制を整えました。診療の内容によっては、患部の状態を記録するために写真撮影をお願いすることがありますが、必ず事前にご本人の許可をいただいた上で行います。画像を保存するかどうかについても、その都度しっかりと確認しご希望に沿って対応しますのでご安心ください。さらに、患部に触れる必要がある診察では、必ず一つ一つお声がけをしながら進め、患者さんが心の準備を整えられるよう、こまやかな配慮を心がけます。
患者さんへの説明も重視されているとか。
医学的に正しい治療を提供することはもちろん大切ですが、それと同じくらい、患者さんご本人が治療内容を理解し、納得していることが重要だと考えています。相談内容はデリケートな内容も多いので、これまで人に相談できずに心配や不安を抱えたまま受診される方が少なくありません。それでも勇気を持って受診してくださった方に対して、一方的に説明して終わりにするのではなく、「本当に理解できたか」「安心していただけたか」に重点を置いてコミュニケーションを取るようにしていきます。検査や治療の選択肢が複数ある場合は、それぞれのメリット・デメリットをご説明した上で、最終的に患者さんご自身が「これなら納得して受けられる」と思える選択ができるように導くことも私の役目だと思っています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

開業準備を進める中で、あらためて自分が生まれ育った地域に貢献したいという思いが一層強くなりました。おなかの不調やおしりのトラブルは、人に相談しにくく、つい我慢してしまうことが多い分野です。しかし、放っておくと症状が悪化したり、日常生活に支障を来したりすることも少なくありません。そんなときに「あそこなら安心」「とりあえず相談してみよう」と思ってもらえる場所でありたいと考えています。地域のクリニックの先生方とも連携を図りながら、皆さんの健康を支える存在になれたらうれしく思います。これまで培ってきた経験と知識を生かし、何よりも患者さんの気持ちに寄り添った、優しさと専門性のある診療を行っていきます。小さな違和感でも構いません。気になることがあればどうぞ遠慮なくご相談ください。

