吉井 悠貴 院長、徐 優子 さん、吉田 拓也 さんの独自取材記事
みかづき透析クリニック
(吹田市/岸辺駅)
最終更新日:2026/06/04
JR京都線岸辺駅から徒歩5分の場所に2025年5月にオープンした「みかづき透析クリニック」。患者にできるだけ快適な人工透析の時間を提供するため、上質な癒やしとラグジュアリーな雰囲気を感じられるクリニックをめざしたと語る吉井悠貴院長。ホテルのロビーのような広々とした待合室には小川が流れる植栽スペースがあり、リゾート気分を味わえる。「ウェルネススペース」と呼ばれる透析室はモノトーンの壁に間接照明を配した、リラックスできる空間となっている。同クリニックは人工透析前・人工透析中のリハビリテーションや訪問リハビリに注力しており、長期的な患者の健康維持に向けて積極的に取り組んでいる。同クリニックの特徴やアピールポイントについて吉井院長、看護師長の徐優子さん、臨床工学技士長の吉田拓也さんの3人から聞いた。
(取材日2026年5月1日)
ホテルのようなホスピタリティーあふれる空間
開院までの経緯を教えてください。

【吉井院長】近畿大学医学部を卒業して近畿大学奈良病院に勤務した後、大阪の住友病院の腎臓・高血圧内科兼腎センターに勤務しました。そこの上司だったのが当クリニックの姉妹施設の前院長です。お誘いを受け、昨年5月にオープンした当クリニックの院長に着任しました。当クリニックは、院内の雰囲気や人工透析を受ける患者さんのホスピタリティーの方向性で、姉妹院とはまったく違うコンセプトを打ち出したクリニックとして生まれました。内装にシックで落ち着いた色を使い、ホテルのようなラグジュアリー感を出しています。
確かにロビーをはじめ、院内は落ち着いたムードですね。
【徐さん】待合室はホテルのロビーを思わせる空間になっています。自然光が差し込む全面窓と三日月形の小川が流れる植栽スペースがあり、水の流れる音がリラックス気分を誘います。患者さんが人工透析を受ける以外の時間も快適でゆったりと過ごせる、というのがコンセプトです。
【吉田さん】当クリニックは透析室を「ウェルネススペース」と呼んでいます。壁色をモノトーン系で統一し間接照明を用いて、ラグジュアリーなム―ドを出しました。人工透析は患者さんにとって生活の一部。できるだけゆったりと過ごしてほしいという思いからこうしたスペースが生まれました。ウェルネススペースには30床のベッドとチェアタイプの病床が5床、感染防止用の個室が1床設置されています。
その他、患者さんの快適性を高めるための工夫はありますか?

【吉井院長】人工透析用ベッドは寝心地にこだわって選んだマットレスを使用しています。また、糖尿病や血流障害を持つ患者さんは足にけがやしびれなどの症状を抱えていることが多いため、フットケアに力を入れていることも大きな特徴ですね。人工透析中に足を温水につけ、シャワーで洗い流すことができる専用設備を導入しています。また人工透析中は、足の皮膚の状態や爪のトラブルをチェックしています。専門知識を持つ看護師がフットケアに対応し、加えて美容介護の専門知識を有するスタッフが見た目の面でのケアにも対応します。
人工透析とリハビリで、末永く健康な状態をめざす
人工透析を受ける患者さんのリハビリにも力を入れていらっしゃると聞きました。

【吉井院長】人工透析を受ける患者さんの多くはご高齢です。患者さんがいつまでも動けて、自分の足で歩ける状態を保つために、人工透析前と人工透析中のリハビリ、そして人工透析専門の訪問リハビリを実施しています。理学療法士が4人常駐し、患者さんのリハビリ指導やサポートを行っています。足腰に負担をかけることなく筋力トレーニングができる「空圧式レッグプレスマシン」と、有酸素運動用バイクをウェルネススペースに設置しており、患者さんには人工透析前にこれらの運動器具を用いて10~20分のリハビリを行っていただきます。理学療法士の指導のもと運動を行っていただき、患者さんの筋肉量や運動機能、脈拍などを3ヵ月おきにチェックしています。
人工透析中のリハビリと訪問リハビリについて詳しくお聞かせください。
【吉田さん】当クリニックでは、ベッドやチェアに腰かけた状態でエルゴメーターを用いて行う運動や、ダンベルを持ってのストレッチなどを理学療法士の指導のもとで行っています。人工透析を受ける患者さんは週に3日、毎回4時間をベッドで過ごします。この時間を利用した運動は、筋力維持や生活の質の改善に有用であることに加え、人工透析効率にもアプローチでき、習慣的に継続できるのがメリットです。また訪問リハビリは介護保険が利用でき、理学療法士がご自宅に伺って行います。また、介護保険をお持ちではない患者さんに対しても理学療法士が訪問し、自宅での生活やリハビリにご不便がないかを確認。同時に生活動作の助言を行います。
その他、患者さんの健康維持のためにされている取り組みはありますか?

【徐さん】人工透析中のお食事は患者さんの大きな楽しみです。しかし人工透析を受ける患者さんの食事となると、思い浮かぶのが「減塩食」などの制限された食事です。当クリニックではあえて、患者さまに「一般食」のお弁当を提供しています。必要なカロリーやたんぱく質を取らずに体力を落とすよりも、しっかり食べてリハビリで体力をつけ、その上で人工透析を行うことを重視しています。また、これは私たちの努力ではなく自然発生的なものですが、人工透析前のリハビリスペースではそれぞれの運動をする患者さん同士の交流が芽生えています。患者さん同士が「あの人も頑張っているから私もしっかり頑張ろう」とそれぞれポジティブな刺激を与え合っておられるのが見られると、とてもいい傾向だなとうれしく思います。また、クリニックの前に当院所有の菜園があり、希望される患者さんには筋力トレーニングの一環として農作業をしていただいています。
治療の時間ではなく「自分を整える時間」として
院内におけるチーム医療体制について教えてください

【吉井院長】人工透析に関わるのは看護師と臨床工学技士、看護助手がメイン。とくに看護助手は普段の何げない会話から微妙な患者さんの健康状態などを敏感に察知して伝えてくれます。また理学療法士は訪問リハビリで観察した患者さんの家庭状況について教えてくれます。各専門職全員がそれぞれ得た情報を集約・共有し、今後のケアに活かしています。
【徐さん】看護師としては、患者さんが安心してもらえる状況をつくることが大きな役割だと思っています。そのためにはスタッフ全員が安心して働ける職場づくりが大切。お互いに声をかけ合いながら、働きやすい職場づくりに努めています。
【吉田さん】機器の調整やメンテナンスで院内を回りながら、患者さんにはできるだけ声をかけるようにしています。そんなちょっとしたコミュニケーションで患者さんの悩みやお困り事を察知し、ご相談に応じられるよう心がけています。
地域の病院やクリニックなどと、どのような連携体制を取られていますか?
【吉井院長】地域の大阪大学医学部附属病院や市立吹田市民病院、大阪府済生会吹田病院・吹田徳洲会病院といった総合病院にとどまらず、開院より近隣の診療所やクリニックとの関係構築に取り組んできました。患者さんのご相談に応じて他院へご紹介したり、逆にこちらへ患者さんをご紹介いただくなど、地域医療を担うクリニックの一つとして存在感を高めていきたいですね。またリハビリにも力を入れているため、近隣のケアマネジャーや訪問介護センター、訪問リハビリ施設との関係をさらに強めていきたいと思います。
患者さんに向けて、メッセージをお願いします。

【吉井院長】患者さんファーストで考える、というのが当クリニックの基本姿勢であり、それを私たちの治療やケア、院内の空間づくりに反映させています。患者さんの目線に立って時には専門職者としての固定概念の枠外からも患者さんに接し、受け入れる。そんな姿勢を大切にしていきたいと思います。
【徐さん】人工透析は長期にわたる治療です。そんな治療を続ける患者さんに寄り添い、ともに歩むのが私たちの仕事。人工透析に関することだけではなく「より良く生きる」ためのお手伝いをしていきたいと考えています。
【吉田さん】「人工透析は治療の時間ではなく、自分を整える大切な時間」というのが当クリニックの考え方。人工透析を行うことはもちろん、心や体全体を癒すために、ぜひ当クリニックをご利用いただきたいと思います。

