葛原 茂樹 院長の独自取材記事
新柴又駅前広場クリニック
(葛飾区/新柴又駅)
最終更新日:2025/12/08
新柴又駅から徒歩すぐ、明るいブルーの看板が目印の「新柴又駅前広場クリニック」。2025年4月に開業した同院の院長を務めるのは、葛原茂樹先生。大学卒業後は、さまざまな病院を回り研鑽を積んできた整形外科の医師だ。幼少期を過ごした思い出深いこの地で、脳神経外科を専門とする父と連携し地域医療に従事。父のクリニックにあるMRIを共同利用することで、患者の負担を大幅に軽減している。高齢者の多い地域で骨粗しょう症治療にも積極的に取り組み、DXA装置による精密な測定と3年計画での骨粗しょう症の改善をめざす。「困った時に駆け込めるクリニックでいたい」と語る葛原院長は、予約不要の診療体制で地域住民を受け入れる。親しみやすく傾聴を大切にする診療姿勢や、理学療法士による先進的なリハビリテーションなどについて聞いた。
(取材日2025年11月22日)
父の脳神経外科と連携し、迅速なMRI検査を実現
新柴又駅前という便利な立地ですね。こちらで開業されたのはなぜですか?

幼少期を新柴又で過ごしていまして、この地には深い愛着があるんです。脳神経外科医の父が当院から徒歩3分の場所で開業していまして、「できれば近くで開業できないか」という願いを持っていました。そして、父と一緒にこの新柴又を盛り立てられればと思い、開業について具体的に考え始めたんです。2024年秋に、幸いにも駅前の好立地のこの物件が空きまして、5ヵ月ほどで開業準備を進めました。もしこの物件と出会わなかったら、父のクリニックに勤務していたかもしれませんが、父自身も開業医。「一から自分でやってみたらどうか」と、息子である私にすべての判断を任せてくれたのだと思います。
病院での勤務が長く、整形外科医として手術にこだわりもあったと思いますが、なぜ開業医の道を?
病院勤務時代は、骨折の手術など直接自分の手で治療を行えることにやりがいを感じていましたし、外科医として手術をしていたいという気持ちも確かにありました。ただ、東京大学の医局を経て、広尾病院や虎の門病院、三井記念病院をはじめさまざまな病院を回り、手術を自分自身で計画し行うことができるようになり、整形外科領域なら患者さんからの質問に自信を持って答えられる説明力が身につきました。高齢の患者さんに対しても、「高齢なので治りません」と言うのではなく、「治らないけどもどう付き合っていくか」「痛みを取るために、こういうことをしていきましょう」といったお話ができるようになりました。先ほどお話ししたように家族から「ゆくゆくは開業してほしい」と言われていたこともあり、満を持して、これまでの経験と知識を持って地域医療に貢献する決意を固めました。
脳神経外科医であるお父さまとの連携についてお聞かせください。

父の脳神経外科クリニックにMRIがあり、共同利用をさせてもらっています。整形外科領域でもMRIは必要ですが、通常は遠方の病院に予約して、画像をもらってまた戻ってくるという手間がかかります。でも当院なら、受診当日に父のクリニックに足を運んでもらい、MRIを撮ってもらってまた戻ってくることができる。その1日で完結できるように設定することにより、患者さんの時間と手間を大幅に省けるんです。
高齢者の骨粗しょう症に積極的に向き合う
高齢の患者さんが多いと伺いましたが、特に力を入れている治療はありますか?

患者さんの7割がご高齢で骨粗しょう症の方が多いのですが、治療介入されていないケースが少なくありません。そこで当院では、背骨と股関節の精密な骨密度測定ができるDXA装置での検査を積極的に行っています。治療は基本的に患者さんと話し合って治療法を決めます。骨粗しょう症という診断に至った場合は、患者さんによってはPTH製剤という骨形成を促す注射を使い、「3年間で治療をなるべく完結できるように計画を組んで改善していきましょう」と伝えることもあります。食事指導も大切にしており、乳製品や小魚などカルシウムが多く含まれるもの、ミネラル豊富な食べ物を取ってもらうようアドバイスしたり、適度な運動や日光浴なども、必要に応じてお勧めします。骨密度をいかに上げるかという視点で、医療、生活習慣の両面からアプローチしています。
理学療法士によるリハビリにも注力されているそうですね。
男性と女性の理学療法士がそれぞれ一人ずつが常勤でいまして、症状に合わせたリハビリを行っています。当院では、超音波検査で筋肉の動きを見ながら、どこが炎症を起こしているか確認して、リハビリを行います。必要に応じて筋膜リリースも行い、痛みの緩和につなげています。そのほか、骨折治療においては超音波骨折治療器も導入しています。これによって骨折部の癒合の促進を図ることで、治療期間の短縮が望めます。
患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

まず、初対面の方には自分の名前をしっかりお伝えしてあいさつするという最低限の礼儀を大切にしています。当院では電子カルテを使っていますが、パソコンに向き合ったままではなく、必ず体を患者さんのほうに向けて診察することを心がけていますね。そして、痛いという部位を触ったり動かしたりして、しっかり診ること。基本中の基本ですが、これが患者さんに対する誠意であると考えています。フレンドリーな患者さんであれば、短い時間かもしれませんがたわいもない世間話もしながら関係性を築くようにしています。人って、つらい気持ちになると、周りの人にいろいろ言いたくなると思うんですよね。「痛くてどうしようもない」とか「他の部位も痛い」とか。その時はなるべくじっくりとお話を聞いて、その人の困り事の本質を理解するように努めています。
いつでも駆け込める、地域に根差したクリニックへ
予約制を取らずに診療されているのには理由があるのでしょうか?

ご高齢の方の中には予約システムを使うのが難しい方もおられるかと思います。実際のところ、この辺の患者さんにはパソコンを使う方が少ないんですよ。なので予約制を取らずに、来た人を順に見ていく方針にしています。「本当にコツンとぶつかっただけだけど指が腫れてきちゃって、こんなことで受診していいのかな?」と思われる患者さんもおられるようですが、そうした場合のほうがヒビが入っていたりするケースは多いんですよ。痛かったら遠慮なく来ていただければと思います。看護師は1人で、ドクターの私も診療しながらエックス線検査をするなど動き回っているため、少しお待たせすることもあるかもしれませんが、頑張って診させていただきます。
今後の展望をお聞かせいただけますか?
地域に根づいた親しみやすいドクターでありたいですね。患者さんといい距離感でいつでも相談できるような関係性を築いている、そういう医師としてあることが理想です。また、脳神経外科医である父ともどんな形であれ、地域医療を盛り立てていくために、手を取り合っていくことができればと考えているところです。
最後に、地域の方へメッセージをお願いします。

率直に、痛かったら来てもらって構わないんです。我慢強い方が多いのですが、ご自身のタイミングで遠慮なくお越しいただければと。当院は予約制を取ってないので、いつ来ていただいても大丈夫です。困った時に駆け込めるクリニックでありたいと思っています。当院で対応が難しい症例でも、近隣の総合病院との連携体制は整えていますし、以前勤務していた三井記念病院の登録医院として、背骨の手術が必要な場合などにスムーズな連携が可能です。地域にとって親しみやすいクリニックとして、これからも新柴又の健康を支えていきたいと考えています。当院は駅から徒歩すぐの立地で、クリニックと駅の間に建物がないので晴れの日は日差しが降り注ぎます。夏は少し暑いですが、冬はポカポカして気持ちいいと思いますよ。ぜひ足をお運びください。

