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塚原 正之 院長の独自取材記事

にじいろこどもとみんなのクリニック北口院

(八王子市/西八王子駅)

最終更新日:2025/06/11

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院 main

西八王子駅から徒歩1分の「にじいろこどもとみんなのクリニック北口院」。南口本院に続き開業した真新しい院内には、青空模様の天井が広がり開放感がある。クリエーティブなお絵描きが楽しめる大型タッチディスプレーも配置され、子どもたちが待ち時間に夢中になっている。どんなに小さな悩みでもためらわず立ち寄れるようにして、万が一の重大な疾患を見逃したくない、という塚原正之先生の祈りが込められている。現在は同院での診療に加え、南口本院でも診療を行う塚原院長。これまで、高次医療機関で小児循環器内科に携わり、「もっと早くに見つけていれば」という経験も重ねてきた。なぜ「できるだけ早く、専門とする医師に一度は胸の音を聞かせてほしい」と注意を呼びかけるのか、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2025年5月1日)

小児循環器の経験を生かし、子どもの命を守るため奔走

医師となったばかりの頃に、東日本大震災を体験したと伺いました。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院1

福島県の会津若松に生まれ育ち、新潟大学医学部卒業後は研修医として、郡山市の総合南東北病院で勤務しました。研修1年目が終わろうとしていた3月に東日本大震災が発生。雪が降る日だったのをよく覚えています。今のようにスマホも普及していなくて、頼りになるのはラジオのわずかな情報だけ。翌日からは被害の大きかった沿岸部へと、院内の薬剤などをありったけ積んだ軽自動車で道なき道を通いました。避難所には慢性疾患の常用薬を自宅に置いてきてしまった方がたくさんいましたが、もちろんお薬手帳もありません。問診をしながらの処方は勉強にもなりました。医師1年生ながら自分の持っている力をフル活用して臨みましたし、その経験は今にも生きていると感じてます。

その後、小児科の道に進まれたのですね。

千葉県の東京女子医科大学八千代医療センターの小児科に入局し、一般小児科や小児救急、小児集中治療の経験を積みました。ある時、心臓病で手術を待つ新生児のエコー検査をして問題を発見した上司が、「今この薬を使わなければ手術まで持たない」と診断したんです。「エコーで診断をして、命を助ける医師」に憧れを抱き、小児循環器内科に進もうと決心しました。小児循環器内科を深く学ぶためには、三次医療機関である小児専門病院での研鑽が必要です。中でも私が勤務していた沖縄県立南部医療センター・こども医療センターは、患者の心臓に負担がかかる飛行機輸送を避けるためにも、多様な心臓病に強くならざるを得なかった歴史があり、毎日が真剣勝負でした。

そのような日々の中、なぜ開業を志すようになったのでしょうか。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院2

小児循環器内科に携わっていると「もっと早くに診断できていれば、助けることができたかもしれない」というケースに数多く遭遇します。万が一、定期健診を受けていたにもかかわらず、心臓病を見落としていた……ということがないように、クリニックという一次診療の場に活動の場所を移そうと決意し、まずは2021年に西八王子駅の南口で開業しました。ちょうど新型コロナウイルス感染症の流行真っただ中でもあり「発熱の外来をもっとスムーズに予約したい」というたくさんの声を受けて、北口院も開業する運びとなりました。ただの風邪で受診して心臓疾患が見つかるケースも多々あるので、できれば早めに、一度は小児循環器内科を専門としている医師に相談することをお勧めします。

家族皆に「にじいろに行こう」と親しまれたい

小児の心臓病は診断が難しいのですね。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院3

胎児期・新生児期に問題が見つかり、早くから治療を開始できる場合もあります。一方、精密な診断には専門的な訓練が必要なのも事実です。早期発見のためにも1ヵ月健診や予防接種などの機会などに、できればその分野を専門とする医師を訪ねるよう、産婦人科医や助産師にも発信していきたいと思っています。また、乳児期や学童期に指摘される心雑音は心臓の構造異常・心筋症・心臓弁膜症・冠動脈疾患が隠れている場合もあるので、当院では精査をお勧めしています。運動負荷心電図検査、24時間装着型のホルター心電図検査、心エコー検査なども行っているので、保育園・幼稚園の内科健診や学校の心臓健診で異常を指摘された際もご相談ください。

どんなときも立ち寄りやすい雰囲気も魅力的です。

そもそもクリニック名も「にじいろに行こう」と家族皆で声をかけ合ってもらえるように、という思いを込めています。何よりも大事にしているのは「子どもが怖がらないように」という点です。小児科医の仕事の多くは風邪症状への対応ともいえますが、子どもが嫌がると「どうせただの風邪だろうし、連れていくのは面倒」と受診控えにもつながりかねません。ところが、よくある症状の中に重篤な病気が隠れていて、最悪、命を落としてしまうことさえあります。そうならないためにも、どんな小さな悩みでも気軽に受診できる雰囲気を大切にしました。処置室で点滴をするのに部屋を暗くするときも、子どもが楽しめるように星空が浮かび上がるようにしているんですよ。

皮膚科の先生が来る日もあるのですね。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院4

皮膚科の先生は2人いて、それぞれ水曜日と木曜日に来てくれています。皮膚科専用の受付・待合室・診察室もつくり、小児科診療と平行して診療できる体制も整えました。小児科では皮膚の相談を受けることも多いのですが、専門としている先生にすぐに相談できるのはとても心強いですね。今のところ、症状としては皮脂欠乏症、アトピー性皮膚炎などが多いですが、夏になればとびひや水虫の相談も増えるでしょう。水虫の確定診断は皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察しなければならず、これまでは他院を紹介していましたが、院内で完結するようになりました。待ち時間がほぼないですし、薬局が隣接しているのも便利だと思います。具合の悪い子どもを連れてあちこちをはしごして、その都度待たされるのでは大変ですからね。

皮膚科診療にも意欲。近隣住民の悩みに真摯に向き合う

今後の展望についてお聞かせください。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院5

患者さんやご家族の「なんとかしてほしい」を「なんとかする」クリニックでありたいと思っています。なぜならば、勤務医時代に病気だけではなく生活上の悩みなどにも真剣に向き合う上司たちに恵まれ、そうすることが当たり前のようにしみついているからです。共働き家庭も増えていますし、近隣には基礎疾患を抱える子どもが入院できる病院がないこともあり、いろいろなお悩みを耳にする機会も少なくありません。現在は基本的に一診体制ですが、小児科の診療室は2つあるので、同じ理想を持ち経験豊富な医師がいれば二診体制にしたいとも考えています。皮膚科の診療日もニーズがあれば増やしていきたいですね。耳を研ぎ澄まして、地域の皆さんの要望にできるだけ応えられるように全力を尽くします。

お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか。

数年前、長男がピアノを始めた頃、私もチャレンジしてみたことがありました。子どもに質問されたときに答えられるようになりたかったのと、連弾をしたかったからです。楽譜も満足に読めないレベルからのスタートでしたが、とても楽しかったですね。でも、私が開業などで忙しく練習できずにいるうちに、子どもたちはすっかり先に進んでしまい、もう追いつけなさそうです。一緒に入門編の楽譜を開いていたんですけどね。子どもは4人いて、一番下の子だけはまだ未経験なので、彼女が始めたらまた再開するのも良いかもしれないと思っています(笑)。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

塚原正之院長 にじいろこどもとみんなのクリニック北口院6

もともと西八王子に深い縁があったわけではありませんが、改めて今、温かな人ばかりだとしみじみ実感しています。この前も、私が少し疲れていたとき「先生、休んでね」と6歳の女の子がいたわってくれたんですよ。いつも助けられてばかりで、恩返しをしたいという思いは日々募る一方です。本当に良い場所で開業できました。どなたでも通いやすいよう駅から1分という立地にもこだわり、提携駐車場も確保しています。かかりつけ医としてお役に立てればうれしいですが、1回だけでも構わないので心臓の音を聞かせてください。それだけで、その子の運命が変わることもあるからです。虹のように輝く皆さんの笑顔を守り、人生をかけて寄り添っていきたいと願っています。

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