三井 智広 院長の独自取材記事
東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院
(葛飾区/金町駅)
最終更新日:2025/04/08

金町駅から徒歩3分。理科大学通り沿いに立つビルの2階で、2025年4月より診療をスタートする「東京下町おなか内視鏡クリニック 葛飾金町院」。院内は漆喰の壁や障子などを取り入れ和モダンな雰囲気。心落ち着くインテリアが配置され、出迎えるスタッフの対応も温かい。同院では、がんセンターで消化器がんの治療に注力してきた三井智広院長が、苦痛の少ない内視鏡検査を提供し受診率の向上をめざしている。忙しい人でも検査を受けやすいよう土日も検査を行うほか、胃と大腸の同日検査も可能。自身も下町で生まれ育ち、人情味あふれる三井院長に、開業に対する思いや同院で行う内視鏡検査の特徴を語ってもらった。
(取材日2025年3月24日)
内視鏡検査を身近に感じられる下町のクリニックに
開業おめでとうございます。まずは、医師になったきっかけやこれまでのご経歴についてお聞かせください。

母が薬剤師だったことや、医療系のドラマに対する憧れから医師を志しました。もともと何か強い信念を持って医師をめざしたわけではありませんが、実際に患者さんと接する中で使命感ややりがいを感じるようになりました。消化器の中でも内視鏡を専門に選んだのは、病気を早期に発見し、低侵襲の治療が可能という所に魅力を感じたからです。消化器外科とも迷いましたが、患者さんにとってなるべく負担の少ない治療で元気にしてあげたいという思いがありました。この思いは、当院がモットーに掲げている「苦痛の少ない内視鏡検査」にもつながっています。大学を卒業して研修医期間を終えた後、横浜市立南共済病院へ。ここの消化器内科で本格的に内視鏡の経験を積み、さらに詳しく学ぶために国立がん研究センターや埼玉県立がんセンターで勤務しました。
開業を決めたのには、がんセンターでのご経験が関わっているそうですね。
ええ。がんセンターでは治療だけでなく、より広い視野で病気や患者さんと向き合うことが多く、専門的な治療の研究や医療機器の開発などにも携わりました。そんな中、クリニックから紹介されてくる進行がんの患者さんには、「もっと早く検査を受けていれば……」と思わせられる方も少なくありませんでした。実際に私のもとで内視鏡検査を受けた後、「もっと早く受ればよかった」と、後悔を口にされる方もいましたね。苦痛の少ない内視鏡検査に努め、もっと多くの人に内視鏡検査を受けていただき、がんで苦しむ患者さんを減らせたらという思いで開業を決意したんです。
金町というエリアにはどういった印象をお持ちでしょうか?

足立区で生まれ、大学を卒業するまで葛飾区、江戸川区、江東区で生まれ育った私にとっては、なじみ深い下町という印象です。この辺りは昔ながらの店や人が多いイメージがあると思いますが、最近は再開発が進みマンションがどんどん建っています。当院のすぐそばにもタワーマンションや商業施設ができる予定なのだそうです。そのため30代や40代の働き盛りの住民も増えていて、今後、内視鏡検査をすぐに受けられる環境が必要になると考え、この場所を選びました。当院の存在が、内視鏡検査を受けるきっかけになればうれしいです。
がん早期発見のため、精密な内視鏡検査をめざす
とても落ち着いた院内ですが、どのようなこだわりがありますか?

下町のクリニックということで、和の雰囲気を意識しました。天井や壁の漆喰は職人さんに塗ってもらったもので、待合室の天井を見てもらうとわかるのですが、角を取った丸みのあるデザインになっています。内視鏡検査は患者さんが院内で過ごす時間が長くなるので、待機中もリラックスできるようやわらかいデザインにしました。筆で書かれたクリニックのロゴもこだわりの一つです。ロゴを囲む丸は、よく見ると内視鏡になっているんですよ。プライバシーにも十分に配慮しています。更衣室は男女で分かれているほか、トイレつきの個室と4つの半個室を備えているので、周囲を気にせず内視鏡検査へ向けて下剤を服用いただけます。
こちらで行っている内視鏡検査の特徴を教えてください。
内視鏡検査で1度でもつらい経験をしてしまうと、多くの方が「もう受けたくない」となってしまいます。ですから、大前提として痛みや苦しさの少ない検査を行うことを心がけています。大学病院やがんセンターで使われている先進の内視鏡を導入し、加えてAIを活用することで検査の精度を上げ、小さな病変も見逃さないよう努めています。何より、私にはこれまでがんセンターでの勤務で培ってきた技術と経験があります。どのような症状や病変に注意が必要なのか知らなければ、病気のサインに気づくこともできませんからね。内視鏡の診断と治療スペシャリストとして、誰もが安心して受けられる内視鏡検査を提供していきたいと考えています。
どのような方に内視鏡検査を受けてもらいたいですか?

消化器のがんは、初期の段階ではほとんど症状がありません。自覚症状が現れた時にはすでに進行がんになっている可能性が高いです。早期発見のためには、自覚症状が出る前に検査を受けることが大切です。また大腸に関しては、便潜血検査やバリウム検査ががんを見つける重要なきっかけとなります。これらの検査で陽性となった方は、遅くとも3ヵ月以内に内視鏡検査を受けていただきたいです。胃も大腸も内視鏡検査を一度受けていただければ、ご自身の抱えるリスクや今後どれくらいのペースで検査を受けたら良いかがわかりますので、40歳になったら必ず1度は内視鏡検査を受けましょう。特に消化器のがんの家族歴がある方は、35歳を目途に内視鏡検査を行うことをお勧めします。
患者の緊張をほぐすホスピタリティーあふれる対応を
内視鏡検査を行う上で、大切にしていることを教えてください。

患者さんの不安な気持ちをいかに和らげられるかですね。症状のある場合には、そのつらさにどれだけ寄り添えるかが大切だと思っています。まずは丁寧な診察と検査で原因を探り、あとは私たち医師やスタッフの心のこもった対応で安心していただけるよう心がけています。内視鏡検査中なども、例えばつらさが和らぐようにスタッフが背中をさするようにしています。実は、当院で働くスタッフには実際に内視鏡検査を受けてもらっているんです。自分で体験してみることで、患者さんの気持ちや苦痛などわかることも増えますからね。技術はもちろん、表情豊かでホスピタリティーをもって取り組むスタッフが多く、私の自慢です。
開業目前でお忙しいと思いますが、休日はどのようにお過ごしですか?
私には6歳と3歳の娘がいるのですが、医師という仕事柄、平日はなかなか一緒にいる時間が取れません。なので、休みの日はできるだけ子どもたちと過ごすようにしています。娘たちは今、人形遊びにハマっていて、私もよくプリンセスになりきって一緒に遊んでいます(笑)。家族で過ごす時間が私にとっては一番の癒やしですね。これからは、引き続き家族との時間も大切に、休診日を利用して町内会に参加したり、金町駅前の公共施設で内視鏡検査に関する相談会を開いたりしながら、地域の皆さんとの関わりも深めていきたいと考えています。
最後に、今後の展望と地域の皆さんへメッセージをお願いします。

現在は医師1人体制での診療ですが、徐々に手伝ってもらえるドクターを増やし、より多くの患者さんに検査が行えるよう環境を整えていく予定です。1人でも多くの方に苦痛の少ない内視鏡検査を受けてもらい、この地域からがん患者を減らしていくのが私の目標です。そのためにも、内視鏡検査の重要性を積極的に発信していきたいと思います。内視鏡検査を受けるべきか迷っていたり、内視鏡検査に対して少しでも心配ごとがある場合には相談だけでも受けつけていますので、いつでも気軽にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは大腸内視鏡検査(単体)/2万5000円~