白石 英馨 院長の独自取材記事
駒沢自由通り皮膚科
(世田谷区/駒沢大学駅)
最終更新日:2025/04/15

駒澤大学駅から徒歩2分の場所にある「駒沢自由通り皮膚科」は、子どもから高齢者まで、皮膚のトラブルに幅広く対応するクリニックだ。白石英馨(しらいし・ひでか)院長は、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。専門的な視点で症状を見極め、ただ薬の処方や処置を行うのではなく、患者の求めるゴールを共有しながら、親身になって治療計画を立てている。注射器を用いないアレルギー検査や、刺激の少ない薬品など、子どもの診療では痛みにも配慮。患者目線を大切に、スタッフと協力しながら快適な受診環境の実現に努めている。「自分がされて嫌なことは人にもしない。昔も今もそう心がけています」と優しい笑顔で話す白石院長に話を聞いた。
(取材日2025年4月1日)
患者の気持ちを大切に、皮膚の悩みに広く対応
こちらではどのような症状を診てくださるのですか?

子どもからご高齢の方まで全年齢を対象に、皮膚のトラブルに幅広く対応しています。赤ちゃんのおむつかぶれや、お子さんのケガや切り傷、虫刺され、じんましんなど、患者さんの主訴はさまざまです。原因のわからないかゆみで悩んで来られる方や、「関節が痛んで爪が切りにくい」と爪切りを希望される方もいらっしゃるんですよ。また私はニキビの治療を得意としており、アトピー性皮膚炎や円形脱毛症の治療にも力を入れています。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医として、生物学的製剤やJAK阻害薬といった新たな治療法を提案できるのも当院の強み。粉瘤やほくろなどを除去する日帰り手術にも対応しています。
皮膚科でできることは幅広いのですね。
そうなんです。切り傷などのケガを負ったときや、できものや腫れが生じた際に「何処を受診すればよいかわからない」と迷われる方は多いかと思います。当院がめざすのは、そんなときに頼れるかかりつけ医。ただ薬の処方や処置を行うのではなく、患者さんの求めるゴールを共有しながら、より良い方法を一緒に考えていきたいですね。例えば「ほくろを取る」となった場合でも、レーザー治療で薄くしたいのか、切開を伴っても完全に除去したいのか、ご要望は人それぞれ。症状によっては他院での治療も視野に入れながら、患者さんが納得して受けられるような治療提案ができるよう努めています。
子どもの診療で工夫していることはありますか?

私も2児の父なのでわかるのですが、子どもたちは痛いことや怖いことが大嫌いです。皮膚科の受診に抵抗感を持たれないよう、痛みの少ない検査や治療を取り入れて、目線を合わせながらゆっくりと話しかけています。アレルギー検査は、指先の1滴の血液で測れる検査機器を導入。小学校入学前にアレルギー検査を受けるお子さんが増えていますが、この方法ならば一瞬だけチクっとするだけで、30分お待ちいただければ結果が出ます。こうして検査や治療を頑張ったお子さんには、ちょっとしたプレゼントをご用意しているんですよ。「ここは楽しい場所」と思ってもらえるとうれしいですね。
患者に「ありがとう」と言われる医師をめざす
ところで、先生はなぜ医師をめざしたのですか?

私の父は精神科の医師で、母は看護師。父が開業してからは、自宅の1階がクリニックという環境で育ちました。たまに1階をのぞき見すると、初めは暗い顔で来院された患者さんが、「先生、ありがとう」と笑顔で次回の予約を取ってお帰りになる様子をしばしば目にしたんです。患者さんの笑顔をつくれる父に尊敬の念を抱きましたし、いつしか「私も医師になって患者さんを元気にしたい」と思うようになりました。今こうして医師になり、「ありがとう」という患者さんの言葉が何よりの励みになっていますし、あの頃に理想とした父の姿に少しは近づけているのかもしれません。
そうして医学部に行かれたのでしょうか。
実はそうではなく、興味のあった海外留学の道を選び、American Universityの生物学コースに進んだんです。知り合いもおらず飛び込んだ海外での学生生活はあっという間に過ぎ、大学院に進むか帰国するかの岐路に立ちました。日本に戻って医師になりたい。その思いもまだ持ち続けていた私は帰国の道を選び、医学部を卒業して医師になりました。
その後はどのような経験を積んでこられたのでしょうか?

母校の大学病院を経て、虎の門病院の皮膚科で6年間にわたり研鑽を積みました。師匠と呼ぶべき先生方と出会ったのもこの頃です。皮膚科の外科手術における指導者でもある大原國章先生をはじめ、林伸和先生からはニキビ治療の技術と併せて医師としての姿勢や心構えを、岸晶子先生からは腫瘍の手術方法を、吉田亜希先生からは皮膚に関する幅広い知識と、しみやあざに対するレーザー治療のノウハウを学びました。開業前の数年間は都内や神奈川県のクリニックで広く経験を積み、なじみのあるこの場所で開業したのが2025年3月のこと。虎の門病院とは今も良好な関係を築いており、症状によっては連携して治療を進めることもあります。
先生が医師として心がけていることはありますか?
自分がされて嫌なことは人にもしない。これは子どもの頃から言い聞かされてきたことですが、医師になった今も大切にしている思いです。もし自分が受診する側だとして、先生が面倒くさそうな態度だったら不安になります。カーテン越しにスタッフの世間話などが聞こえてきたら悲しく不快な気持ちになるでしょう。当院では、患者さんにそのような思いをさせたくありません。私だけでなくスタッフもそのことを心がけて患者さんをお迎えしています。
スタッフやわが子とともに、皆でつくるクリニック
スタッフの皆さんも、患者の気持ちにしっかりと寄り添っているのですね。

これは自信を持って言えるのですが、当院のスタッフは皆優しく、他人の気持ちを思いやることのできる人たちばかりです。患者さんがお見えになると受付スタッフはすっと立ち上がってお迎えし、私が薬の説明をすると看護師はさっと薬を出して塗り方の説明をします。私が指示をする必要もなく、患者さんが求める対応を自然に取ってくれるんです。ありがたいことに、患者さんから「ここに来て良かった」というお声をいただく機会が増えました。私だけでなく、スタッフの気持ちも患者さんに伝わっているのだと思います。
そのほかの取り組みや、院内づくりの工夫などがあれば教えてください。
待ち時間も快適に過ごしていただけるよう、待合室には折り紙をご用意し、電源やインターネット環境も整えました。ちなみに手裏剣など折り紙の完成サンプルは、私の娘と息子の作品なんですよ。気に入ってくれた方は、ご自由にお持ち帰りください。それが2人の励みにもなり、「これも気に入ってもらえるかな」と今日も張りきって新作を折っていますよ。実は当院のロゴマークも娘が描いた原案をもとにしているんです。私一人だけの力ではなく、スタッフや子どもたちと協力し合ってクリニックをつくっているのだと感じます。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

私にとって駒沢大学周辺は、多くの思い出や思い入れがある場所。世田谷区に住んで10年が過ぎ、地域の皆さんの役に立てるクリニックを開業することができました。「あそこに行けば何とかしてくれる」「この場所に先生がいて良かった」そう頼りにしていただけるような存在をめざしています。些細なことでもお気軽にご相談ください。