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南 徳明 院長の独自取材記事

みなみ脳神経クリニック

(長岡京市/長岡天神駅)

最終更新日:2025/04/07

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック main

阪急京都本線の長岡天神駅から徒歩約1分、JR京都線長岡京駅からバスでもアクセスできる「みなみ脳神経クリニック」。2025年2月、脳神経外科の医師として、脳卒中やてんかん、脳腫瘍、頭部外傷などの診療を専門に大学病院や総合病院で研鑽を積み、大学院ではMRIを用いた脳腫瘍の基礎研究に従事してきた南徳明(みなみ・のりあき)院長が開院した。臨床経験と研究活動を通じて実感したのは「予防の大切さ」だと話す南院長。片頭痛や緊張型頭痛などに対応する頭痛専門の外来の設置や即日、結果説明まで可能なMRI検査、神経・筋疾患を診断する神経学的検査などに取り組み、頭の病気を専門とするかかりつけ医として、地域住民の健康を支えている。柔和な笑顔と丁寧な説明が印象的な南院長に、クリニックの特徴や取り組みについて話を聞いた。

(取材日2025年3月17日)

MRIとエコーを活用し適切な治療に結びつける

先生のご経歴と開院までの経緯を教えてください。

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック1

大学卒業後は、NTT東日本関東病院や東京都立墨東病院、東京都立神経病院などで脳神経外科診療に従事していました。その後、MRIを使った脳腫瘍の基礎研究の機会を得て、カリフォルニア大学に4年弱留学しました。悪性腫瘍はいろいろ研究してもブレークスルーになるような治療法がなかなか見つからないという現状があり、日本に戻ってから何をしようかと考えることもありました。臨床から離れていた期間が長くなっていたこともあり、その頃から臨床に戻りたいと思い始めていました。大学病院などで診る特殊な疾患の治療も魅力的ですが、多くの人々の健康に寄与するためには、予防が重要だということもわかりました。そこからより身近な症状に対処していくことが、私の医師としてのキャリアの理想像に近いという結論に至り、地域医療に貢献したいという思いで開院を決意しました。

貴院の特徴を教えてください。

私はMRIを使った研究に取り組んでいましたので、クリニックにMRIを置くことは絶対でした。この場所を開院の地に選んだ理由は、脳神経外科の医療施設が少ないことやMRIを設置するスペースがあったことなど、さまざまな条件に適していたからです。MRIは、この数年でアプリケーションが良くなり撮影時間の短縮や自動化が進んで簡便に撮れるようになったため、クリニックでも扱いやすくなっています。当院では、即日検査が可能で、結果説明まで同日に行っています。また、脳神経や血管、脊髄神経根の位置など肝となる大事な部分は、私自身が撮影しています。整形外科をはじめ他院の先生からのご依頼も多いので、医師としてここが見たいだろうという「医師の視点」で撮るようにしていますね。もちろん、優秀な臨床検査技師さんはたくさんいらっしゃいますが、医師としての目で見て撮るという点は当院の特徴の一つだと思います。

MRIのほかにも検査機器が充実している印象です。

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック2

MRI以外では、脳卒中の予防を重点的にするため頸動脈エコーとホルター心電図を導入しています。重症の脳卒中では、心房細動が原因の不整脈があることが多いです。お元気な方が突然半身不随になって障害を持ってしまうようなタイプの脳卒中です。循環器の先生方は注意して診ていらっしゃると思いますが、脳神経外科医としても注意を払うべきところですから、循環器の検査機器を一部導入し、循環器専門の医師とも連携を取っています。頸動脈エコーでは、通常、頸動脈だけを見ますが、当院では椎骨動脈という首の骨の中を走っている血管の血流も見ます。血流速度を確認することで、少し踏み込んだ情報を得ることができるんです。例えば、頭の血管の検査で異常がなくても頸動脈や椎骨動脈に狭窄が見つかることがあります。MRIとエコーをフル活用することで、病変を細かく抽出し、病変把握して適切な治療に結びつけています。

片頭痛をはじめとする頭痛治療に注力

院内はとても落ち着いた色合いでまとめられていますね。

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック3

当院は、頭痛の中でも特に片頭痛の治療に力を入れているのですが、片頭痛の発作中は眩しい色を不快に感じることがあるので、院内は落ち着いた色合いで統一し、処置室と検査室は調光もできるようにしています。さらに、重症の方には、調光が可能なベッドのあるお部屋で点滴を受けたり休んでいただけるようにしています。片頭痛患者さんにはグリーンが優しい色といわれているので、院内の所々に薄いグリーンを取り入れています。

頭痛専門の外来について詳しく教えてください。

頭痛全般に対応しています。疫学的には最も多いのは緊張型頭痛ですが、頭痛の外来に来られる方はより頭痛の程度が強い片頭痛の方が多い印象です。片頭痛と緊張型頭痛は治療が異なるため正確な診断が重要です。しかし、診断が不十分な場合もあります。群発頭痛という特殊な頭痛には救急対応として注射薬を用意し、脳の血管に何か異常が起きて頭痛を起こす二次性頭痛の場合はご紹介できるよう近隣の急性期の医療機関と連携しています。特に力を入れている片頭痛に関しては、ここ10年ほどでその病態が研究レベルで明らかになってきています。よく知られているのは、CGRPという片頭痛の原因物質に対する抗体薬。これを注射で投与することで、頭痛の頻度や程度の改善が期待できます。当院では、3種類のCGRP薬をそろえ、それぞれの違いを細かく説明して情報提供しています。片頭痛で悩む時代は終わってきているということを広く知っていただきたいです。

脳神経外科はどのような時に受診すれば良いのですか?

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック4

総合病院や大きい病院の脳神経外科は、受診のハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、当院は基本的には診療所なので、頭痛やめまい、しびれ、物忘れなどの症状があれば、いつでも受診してください。首から上の気になる症状は、脳神経外科で対応できますし、手足のしびれや麻痺、違和感なども診させていただきます。当院の場合、神経学的検査といって神経に特化した診察も行っています。検査には20分ほどかかるのですが、MRI検査で異常がない場合でも、末梢神経の異常や自律神経障害、糖尿病、変性疾患の可能性も含め、特殊な診察をすることで病態や診断が見えてくることがあります。

後遺症のリスクが高い脳の病気を防ぐ検査の重要性

診療で大切にされていることは何でしょうか?

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック5

何らかの悩みがあって来院されているので、MRIを撮って何もない場合でも「大丈夫ですよ」と言うだけでなく、なるべく患者さんが知りたいことや何を求めて来たのかをくみ取って、できることはないかという視点で対応させていただきます。診療時間をゆっくり取り、お一人お一人に対する丁寧な診察と説明も心がけています。MRI画像の説明でも、「あなたの脳はこの部分がこうなっています」ということを時間を取って説明するようにしていますね。

今後の展望について教えてください。

1~2ヵ月後を目途に訪問リハビリテーションをスタートさせる予定です。介護保険の認定を受けている方のみ適応ですが、家や通所でリハビリテーションをしたいというニーズがあり、開院前から問い合わせをいただいていました。例えば、要介護1の時点で、介護度の進行を予防するためにリハビリテーションを続けることはとても大事です。脳卒中後の痙縮に対するボツリヌス毒素製剤の注射も地域の皆さんのニーズを受けてスタートしていますし、また、年内には始められるよう睡眠に関する悩みに対応する外来の準備も進めています。こうした地域のさまざまなニーズにしっかりと対応できるクリニックでありたいですね。

最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

南徳明院長 みなみ脳神経クリニック6

脳神経外科というと、大きな病院への受診はためらうこともあると思いますし、頭が痛いぐらいで行ってもいいのかと悩まれるかもしれませんが、当院はそういう方のためにあるクリニックだと思っていただけたらうれしいですね。頭痛やめまい、しびれや物忘れのほか、神経に関わるような症状や頭部打撲、顔や頭の傷にも対応しますので遠慮なくご連絡ください。脳卒中が典型的ですが、脳は一度病気にかかってしまうと、なかなか治療が難しい臓器です。最近は血管内治療やカテーテル治療などデバイスや治療方法は進化していますが、後遺症が残ることも多いので、まずは予防が大切です。軽い症状でも早めに受診して検査を受けていただきたいと思います。MRI検査では造影剤なども使わず、短時間でさまざま情報を得ることができます。当院では、エコーやMRIを駆使して総合的に評価し、脳卒中のリスク管理ができますので、気軽にご相談ください。

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