沼田 櫻華 院長の独自取材記事
Evergreen medical clinic
(港区/六本木駅)
最終更新日:2025/03/27

六本木駅から徒歩3分というのがうそのような、静かな住宅街の中にある「Evergreen medical clinic(エバーグリーンメディカルクリニック)」。院長の沼田櫻華(おうか)先生が保険診療、美容医療、予防医療を3つの柱として開業したクリニックだ。救急科での経験をベースに幅広いプライマリケアを行っている。大きな常緑樹の下で憩う感覚で、心も体も癒やされる診療体験を追求している沼田院長。自らデザインしてつくり上げた空間は訪れた者の五感を心地良く刺激する工夫が凝らされている。完全予約制として待ち時間を軽減、オンライン診療も導入するなど「患者が無理なく通い続けられるように」との思いを持つ。生涯にわたり健康と美をサポートする「新しいかたちのかかりつけ医」とはどのようなものなのか詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月18日)
救急科での経験を生かした幅広いプライマリケアが特徴
まず、医師になったきっかけやご経歴を教えてください。

小さな頃から体の仕組みに興味を持ってはいましたが、高校卒業後は経済学部に進学しました。しかし、母の大病をきっかけに「少しでも助けになれば」とシンプルな動機から医学部再受験を決意。医師国家試験の1ヵ月前に長男を出産するなどのライフイベントも乗り越えつつ、卒業後は東京医療センターや済生会中央病院で救急診療に従事しました。救急科を選んだのは、特定の臓器だけではなく患者さんの全身を診たかったからです。日本専門医機構救急科専門医の資格を取得し、最重症患者の集中治療も数多く行いましたが、実は救急科の仕事はそれだけではありません。患者さんが退院するまでのプロセスにも関わる中で、時にはケアマネジャーなど多職種と連携し地域医療の経験も積んできました。
なぜ、開業しようと思われたのですか?
急性症状への対応から慢性疾患の管理まで一通り経験する中で「ここまで悪化する前にできることはなかったのか」と悔しい思いをすることも多く、予防医療に関心を持つようになりました。病気を治すだけではなく「健康もサポートできるようなクリニックをつくりたい」と考えるようになったんです。また、より良い状態をめざす美容医療にも興味を抱き、複数のクリニックでスキルを磨きました。これらの経験の集大成として、内科・外科・皮膚科・婦人科・泌尿器科・アレルギー科から美容皮膚科まで多くの科目に対応できるクリニックを開業することを決めました。
健康から美容まで一つのクリニックで相談できるのは心強いですね。

風邪をひいた、おなかが痛い、けがをしたなど、年齢や性別を問わず幅広い症状に対してファーストエイドができる体制を整えました。より専門的な治療が必要と判断される場合は迅速に高度医療機関をご紹介します。大きな病気を見逃さないためにも、まずは気軽に足を運んでもらえるようにしたいと思っています。特に仕事や子育てに忙しい30代や40代は気になる症状があっても「そのうち良くなるはず」などと放置してしまいがちです。だからこそ、そんな世代の関心が高い美容皮膚科にも力を入れたいと考えています。例えば、しわの相談に来た方が自然に生活習慣病の予防にも興味を持ってもらえるような、将来を見据えた健康に関する情報も発信していきたいですね。
いつまでも健康で美しくありたいという願いをサポート
診察室が6つもあるのはどうしてですか?

患者さんには待合室よりもそれぞれの診察室でお待ちいただき、プライバシーにも配慮しつつ、医師が各部屋を訪れるようなシステムにしたかったからです。他人の目を気にせずにゆったりと過ごしていただけるのではないでしょうか。最近は開業にあたりコンサルタントに相談する医師も多いのですが、私は内装も細部まですべて自分で考えました。患者さんに友人の家を訪れているように感じてほしかったからです。音楽や香りにも気を配り、五感を心地良く刺激して心も体もリラックスして過ごせるように工夫しました。完全予約制としているのは、待ち時間を軽減して受診控えをなくすためです。キャッシュレス決済なども導入しましたが、今後ともよりスマートな診療体験を提供していきたいですね。
クリニック名のEvergreenに込めた思いをお聞かせください。
Evergreenとは常緑樹という意味なのですが、皆さんがいつまでもみずみずしく輝き続ける人生をサポートしたいという思いを込めました。立ち寄るとホッとする木陰のような存在でありたいとスタッフ一同願っています。患者さんの繊細な思いをくみ取ることに長け、健康や美への感度が高いスタッフたちがそろっているので、どんな小さなお悩みでも気兼ねせずにご相談ください。また、当院は六本木通りから一本入った閑静な住宅街にあり、目の前は六本木西公園で、窓からは木々もよく見えるという環境です。偶然ですが名前どおりの緑豊かな場所を見つけることができました。私自身、このエリアで子育てをしている住民の一人で、保険診療を行う内科が意外と少なくて困った経験もあり、少しでも地域のお役に立てればと思っています。
患者さんと接する時、何を大切にしていますか?

病気ではなく人を診たいと思っています。そのためには精神状態や栄養状態を含め、その方が置かれている状況を総合的に判断することが欠かせません。だからこそ、大切にしているのが患者さん一人ひとりを尊重したコミュニケーションです。何げない会話に潜んでいる、その方の体調、家族の状況、倫理観、宗教観などを理解するためのヒントを見逃さないようにしたいと考えています。その上で、この治療をしなさいという上から目線の提案ではなく、患者さんの自己決定を手助けできるような診療をしたいです。保険診療、美容医療、予防医療の垣根を越えてできるだけ幅広い選択肢を用意して、患者さんの「これもやってみたい」というニーズにできるだけ応えていきたいと思っています。
訪問診療など時代のニーズに積極的に応えていきたい
今後の展望についてお聞かせください。

開業と同時にオンライン診療も開始します。体調が悪く来院が難しい時、出張中や帰省中に「いつもの薬を処方してほしい」といった場合、症状が安定している花粉症や不眠症の定期処方などに活用してください。また、今後は訪問診療にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。高齢化する社会の中、これからはこの辺りでも「最後は住み慣れた家で過ごしたい」といったご希望も増えてくるのではないでしょうか。そのほか、皆さんからの「こんな診療をしてもらえたら便利」といったご要望にも積極的にチャレンジしていきたいです。患者さんのニーズ次第で枝葉を広げ、進化し続けるクリニックでありたいですね。
お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?
現在、3人の子どもを育てているのですが、平日は寂しい思いもさせているので休みの日はできるだけ一緒に過ごすようにしています。3人のコミュニティーを温かく見守ることも大事ですが、どうしても口を挟まなくてはいけない瞬間もあり、日々トライアンドエラーの繰り返しです。自分自身の成長も問われますし、子どもを通して心のトレーニングをする日々とも言えるかもしれません。そして、仕事との両立は決して自分一人ではできませんでした。夫、両親、義理の両親が支えてくれるからこそ、日々の生活が回っていますし、これからも感謝を忘れず、診療に励んでいきたいと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

自分の家族にしてあげたい医療を提供することを常に意識しています。ご高齢の方からは娘のように、同年代からは友達のように、若い方からは姉のように思ってもらえたらうれしいです。気兼ねのない間柄の相手を訪ねるくらいのつもりで、困ったことがあればいつでもお立ち寄りください。近隣の方はもちろん、六本木駅からすぐという便利な場所にあるので、どなたでも足を運んでいただければと思います。目標としているのは、保険診療、美容医療、予防医療という3つの柱で、健康と美をワンストップでサポートする「小さな総合診療所」。新しいかたちのかかりつけ医として、末永くともに歩んでいけたらと願っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは美容皮膚科(しわのケア)/6930円~