杉山 尚希 院長の独自取材記事
すぎやまデンタルクリニック平戸
(横浜市戸塚区/東戸塚駅)
最終更新日:2025/02/14

保険診療をメインに、必要に応じて自費治療にも対応する「すぎやまデンタルクリニック平戸」。診療の中でもとりわけ小児歯科に力を入れており、歯科治療への不安や恐怖心を和らげるため、個々の子どものペースに合わせた診療を行っている。「うその診療はしたくないですね」と優しい口調で語るのは、院長の杉山尚希先生。虫歯や歯周病治療といった一般歯科診療に加え、専門分野である口腔外科の分野では、親知らずの抜歯や顎関節症の治療はもちろん、顎骨腫瘍などの早期発見や診断にも注力している。なんでも相談しやすい雰囲気の杉山院長に、クリニックの特徴や今後の展望について話を聞いた。
(取材日2025年1月17日)
「歯科医院嫌い」にさせない小児歯科をめざして
初めに、これまでのご経歴を教えてください。

鶴見大学歯学部附属病院で臨床研修を修了し、その後、口腔内科学講座に入局しました。そこでは一般の歯科医院では対応が難しい抜歯や、持病を抱えた方の治療方法を学びました。全身麻酔を使った手術も数多く経験した中で、特に印象に残っているのは、高齢の方の親知らずの抜歯です。若い方と比べて骨が硬く、抜くのがとても難しいんです。持病がある方の場合は、抜歯が可能かどうかを慎重に判断しなければなりません。そのためには患者さんの状態をしっかり把握することが重要なので、当時の経験が今でも役立っています。その後、横須賀市久里浜にある木暮里歯科医院の院長を経て当院の院長に就任し、現在に至るまで患者さんに寄り添った診療を心がけています。
どのような治療方針で対応されていますか?
基本的には保険診療を中心に、患者さんに合った治療を心がけています。例えば、白いかぶせ物を希望される場合、まずは保険適用で選べる方法があることを説明します。自費診療を提案する際は理由をしっかりとお話しし、患者さんが納得できるかたちで選択できるようにしています。この方針を取るようになったのは、患者さんに対してうその診療はしたくないという想いからなんです。保険診療で対応できる方法があるのに、それを隠して「自費診療で何十万円かかります」と勧めるのは私の考えには反することです。なんでも自費診療を提案するのではなく、保険診療を中心に治療の選択肢を正直に提案することが大切だと考えています。もちろん、自然に見える入れ歯など、保険診療では対応できない場合もあります。その際は自費治療も提案しますが、その治療が本当に必要かどうか、患者さんの納得を第一に考えた診療を行っています。
このクリニックでは、お子さんの受診が多いとのことですね。

そうですね、この地域はファミリー層が多いこともあって、小さなお子さんが多いんです。小児歯科では、何よりも「歯科医院嫌い」にならないようにすることを意識しています。例えば、いきなり器具を口に入れるとビックリしますよね。ですので、まずは危なくない範囲で触らせてあげたり、削る機械を回さずに口に入れてみて「こんな感じでやるからね」と説明したり。それでも口を開けてくれない場合は歯科衛生士が歯磨きやお掃除などから始めて、歯科医院は怖いところじゃないと理解してもらえるようにします。また、当院では「デンタルノート」という取り組みを行っています。その日の治療内容や、今ある歯の本数などを記録するノートで、お母さんが状況を把握しやすいようにしているんです。それだけでなく、お子さんが大きくなった時に渡してあげると成長記録の一つにもなっていて、好評をいただいています。
治療の見える化で口腔内の状態を確認
先生が患者さんと接する際に意識していることを教えてください。

一番意識しているのは、患者さんの顔色をよく見ることですね。といっても、ご機嫌をうかがうように顔色を見るわけではなくて、患者さんの反応をしっかり確認するという意味です。例えば説明しているときに眉をしかめている方がいれば、きっとまだ十分に理解できていないのだろうなと思います。そういうときには話をいったん止めて、丁寧にもう一度説明したり、質問したりしますね。患者さんとは冗談を言えるくらいの関係になれたらと思っています。もちろん、一人ひとりの性格や雰囲気に合わせて変えていますので、真面目な態度で接することもあります。患者さんとの信頼関係がないと、治療もうまくいきません。無理して取り繕って診療しても、どこかでぎこちなさが出てしまいますよね。だから、まずは信頼関係を築くことがとても大事だと思っています。
患者さんがご自身の口腔内の状況を理解するために、どのような工夫をされていますか?
当院では患者さんの歯が磨けていない部分をパソコンに入力して記録しています。これがすごく便利で、データがたまるとグラフとして視覚的に見えるんですよ。定期的に通っていただくと、どこをしっかり磨けているか、どこが磨けていないかがわかるようになります。先ほどお話ししたデンタルノートのような役割を果たしていて、大人の患者さんにも興味を持っていただいています。紙に出力してお渡しもしていて、目に見える形で確認できるので、面白いんじゃないかと思います。
先生のご専門は口腔外科だそうですね。

はい。なので、一般の歯科医院では対応が難しいような小手術にも対応できます。例えば、親知らずの抜歯や顎関節症、また消炎手術なども取り扱っています。お子さんの場合、歯牙腫という歯の卵が多くできてしまうことがあり、若い女性ではエナメル上皮腫のような症例が見られることもあります。高齢の方では、悪性腫瘍のリスクの可能性もありますが、どれも早期にエックス線写真を撮ることで発見できることが多いです。
院内の雰囲気づくりで大切にしていることは何ですか?
一番大切なのは、やはり笑顔だと思いますね。患者さんは緊張して来られることも多いですし、歯科医院が苦手な方も少なくないので、まずは明るい表情でいることを心がけています。例えば、先生が不機嫌そうだったり、受付スタッフが暇そうに見えたりすると、患者さんにもすぐ伝わってしまいますよね。そういう雰囲気には気をつけています。スタッフは笑顔が多くて雰囲気の良い人ばかりなので、本当に運が良かったなと思っています。スタッフの明るさが院内の雰囲気をさらに良くしてくれているので、私としても感謝しかありません。
患者に寄り添った正直な診療を
休日はどのようにお過ごしですか?

猫を3匹飼っていまして、この子たちが本当に癒やしなんですよね。実は、クリニックのロゴは飼っている猫たちをモチーフにしています。よく見るとほっぺの色が3つとも違っていて、それぞれがうちの猫のカラーを表しているんです。それから、キャンプも趣味です。一人で楽しむこともあれば、仲間と一緒にわいわいやることもあります。
今後の展望についてお聞かせください。
今後は訪問診療を始めたいと考えています。高齢化が進む中で、歯医者に通うのが難しい方々のために、訪問診療が必要だと感じています。ここに通ってくださる患者さんの中でも高齢の方が多い状況です。また、インプラント治療にも力を入れていきたいと考えていますが、現状では設備が整っていないので、徐々に準備を進めていきたいですね。インプラントは保険では対応できない治療なので、まずは専門的な設備を整えた上で、本格的に提供していけたらと思っています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院選びに不安がある方や、歯の治療が怖いと思う方、治療費が心配な方もいらっしゃるかと思いますが、当院はそんな不安を軽減できる場所なのではないかと思います。当院では、保険を使って、無理なく安心した治療を心がけています。患者さんにとって安心してお越しいただける場所であり続けたいと思っていますので、ぜひ気軽にご相談してください。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックのかぶせ物/6万~12万円、入れ歯(自費)/10万円~ ※症例により異なりますので詳しくはクリニックへお問い合わせください