理学療法士・作業療法士による
症状に合わせたリハビリテーション
天王寺 整形外科クリニック N
(大阪市天王寺区/天王寺駅)
最終更新日:2025/01/23


- 保険診療
体に痛みを感じるとき、湿布を貼ったり、痛みを抑えるための薬を服用したりして対処することが少なくない。たしかに、湿布や薬を使うことによって痛みという“症状”の緩和は期待できる。しかし「それは根本的な改善にはつながりません」と、「天王寺 整形外科クリニックN」の野口亮介院長は注意を促す。体の痛みには、その人の体の動かし方の問題や筋力の低下などが関係していることが多いからだ。同院では、運動器リハビリテーションの専門家である理学療法士、作業療法士が常駐し、体に負担のかかりにくい動作を身につけ、日常生活では鍛えにくい体の内側の筋肉を鍛えるリハビリを実践している。野口院長に同院のリハビリの特徴や先進的な取り組みなどについて詳しく解説してもらった。
(取材日2024年12月23日)
目次
先進的な治療法や検査機器も取り入れ、生涯にわたりしっかり動ける体をめざす
- Qこちらで行っているリハビリの特徴を教えてください。
-
A
▲専門スタッフが常駐し、リハビリにあたる
リハビリスタッフとして、理学療法士と作業療法士が在籍しています。理学療法士は全身の運動機能の評価の専門家で、五十肩(肩関節周囲炎)や椎間板ヘルニア、変形性膝関節症、足底筋膜炎といった、整形外科を受診される患者さんに多い疾患のほか、捻挫や肉離れなどのケガに対するリハビリ、動作や姿勢の改善指導なども受け持ちます。一方、作業療法士はより細かい動きに詳しく、腱鞘炎や母指CM関節症、ヘバーデン結節、ガングリオンなど、当院では主に手の外科の患者さんを担当します。首の問題から手のしびれなどが起こっている場合も作業療法士が受け持ちます。整形外科以外では、脳梗塞の後のリハビリなども作業療法士の担当です。
- Q理学療法士や作業療法士が常駐しているメリットは?
-
A
▲担当制を採用し症状に合わせてリハビリを実施
それぞれの持つ専門的な知識を生かして、患者さんの症状やお悩みに見合ったリハビリプログラムを提供できるのが強みです。当院の場合、理学療法士、作業療法士ともに担当制を採用しているので、毎回同じスタッフが患者さんのリハビリを行い、状態の変化などに合わせてリハビリの内容や強度などを調整しながら、その時の患者さんの状況に合ったリハビリを進めることができます。また、リハビリ中の患者さんは、毎月医師の診察を受ける必要があり、医師の所見を各リハビリスタッフと共有することが大切です。当院の場合、電子カルテを活用するとともに、カンファレンスも実施して、患者さんの情報を共有し合いながら治療を進めます。
- Qどのような方がリハビリを希望されますか?
-
A
▲各種機器も取りそろえている
やはり運動器に痛みや問題を抱える方が中心です。ご高齢の方は膝、腰のお悩み、ミドルエイジの方は肩の痛みを訴える方が多い印象です。痛みがあると体の動きが不自然になりやすく、他の部位の問題につながることも多いので、痛みを感じたら早めに受診して、適したリハビリを受けていただきたいですね。治療にはしつこい痛みに対処するためのハイドロリリースなども取り入れています。一方、若い方はスポーツ障害のご相談も多く、ケガや故障だけでなく機能低下などにも対応しています。
- Q指や手の症状も専門的に診てくださるのですね。
-
A
▲気になる症状や悩みは早めに相談を
私は、大阪厚生年金病院(現:JCHO大阪病院)で、手の外科の先生について手の外科のさまざまな診療を学びました。手の外科が扱うのは、指先から肘までの範囲ですが、この狭い範囲にはたくさんの関節が集まっています。指関節など複雑な動きをする部位もあり、病気の種類も手術の方法も非常に多いのが特徴です。患者さんに適した治療を提供するためには、専門的な知識や経験が必要とされるため、気になる症状やお悩みがあるなら、手の外科にご相談されることをお勧めします。当院にはこの領域に強い作業療法士も在籍しており、疾患の種類や患者さんの状態に合わせたリハビリが提供可能です。
- Q骨粗しょう症の検査、治療にも注力されています。
-
A
▲全身の骨密度を迅速かつ適切に測定
年齢を重ねてもきちんと動かせる体をめざすためには、骨はとても大事な要素です。骨粗しょう症で骨折が起こってから慌てることがないよう、できるだけ早い段階から備えておきたいですね。最近は足首などで測る気軽な骨密度測定もありますが、当院はDEXA(デキサ)法の骨密度測定器を導入しています。骨粗しょう症が原因で骨折が起こりやすい腰骨と太腿に種類の異なるエックス線を当てて測定するため、精密な測定値が得られるのが利点です。治療が必要な場合は血液検査を行ってその方の骨を作る機能を確認した上で適した薬を処方します。最近はさまざまな薬があり、薬の選択には専門的な知識が必要です。