動悸・息切れ・胸の痛み・浮腫み
気になったら循環器内科に相談を
市川未来クリニック
(市川市/市川真間駅)
最終更新日:2025/03/10


- 保険診療
いつもどおりに駅の階段を登っているだけなのに、今日は息をするのが少しつらい……。それはもしかしたら病気のサインかもしれない。息切れの他にも、動悸、胸の痛み、呼吸の苦しさ、浮腫み、めまい、失神など循環器疾患のサインは多岐にわたる。「心臓の病気は急変することもあるので、たとえわずかでも何らかの違和感があるならば、ためらわずに循環器内科を受診してください」と市川未来クリニックの新健太郎院長は注意を呼びかける。中核病院で数多くの重症例を経験してきた新院長だからこそ、早期発見・早期治療で大事に至る人をなくしたいとの強い思いを持つ。循環器疾患の前兆にはどのようなものがあり、どう検査や治療を進めていくのか、新院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月19日)
目次
動悸、胸痛、呼吸苦、浮腫み、めまい、失神など、これらの症状は循環器内科を受診するべき重要なサイン
- Qたまに動悸が気になるときがあるのですが……。
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A
▲用途に合わせ、さまざまな心電図検査機器を使用している
不整脈のサインかもしれないので、気兼ねなく循環器内科を受診してください。不整脈には経過をみてよいものと、治療しなくてはいけないものがあります。見極めるためには院内での心電図検査はもちろん、自宅で機器を装着しての24時間ホルター心電図検査が必要になることもあります。例えば、不整脈の一種である心房細動が見つかったならば、脳梗塞を引き起こさないよう予防するための投薬治療が欠かせません。どの薬をどう使うかで患者さんの予後が変わってきます。さらにカテーテルを用いて不整脈の原因となっている部分を焼き切るアブレーションといった治療が必要な場合は大規模病院を紹介することも可能です。まずはご相談ください。
- Q胸が痛いというのは怖い病気の前兆でしょうか?
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A
▲循環器疾患は早期発見・早期治療が大切
よくあるのは狭心症ですが、心筋梗塞、大動脈解離など一刻を争う病気が隠れている可能性もあります。心筋梗塞は心電図検査で診断できることもありますが、問題はわかりやすい特有の波形が出なかった場合です。当院では問診で心筋梗塞特有の症状がないか細かくチェックした上で心電図検査や血液検査を実施します。一方、大動脈解離は胸以外にも背中の痛みを訴えたり、痛みの部位が移動する場合があります。エックス線検査も行いますが、まずは「どういうときに痛みが出るのか」を聞き取ることも大事です。循環器疾患は元気な患者さんでも急変することもあると身を持って知っているからこそ、万が一の見逃しもないよう細心の注意を払っています。
- Q息切れや呼吸の苦しさも肺ではなく心臓が原因ということも?
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A
▲気になる症状があれば専門の医師に相談しよう
呼吸の乱れは肺炎、COPDなどの呼吸器疾患だけではなく、循環器疾患が原因という例も少なくありません。これまでお話しした不整脈や狭心症の他、心臓弁膜症、心筋症など、息切れはさまざまな循環器疾患でよく見られる症状です。当院では原因を正確に把握するため、心電図検査、臨床検査技師による超音波検査、肺機能検査、血液検査などを実施。いずれかの病気によって心臓の機能が低下し全身に十分な血液を送り出せない心不全に陥っている場合もありますので、必要に応じて大規模病院につなげる体制にしています。急性期の治療が終わったら当院で経過観察を続けることで、再発予防にも注力しています。
- Q浮腫みから循環器疾患が疑われる例もあるそうですね
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A
▲臨床検査技師による超音波検査を行い、疾患の早期発見をめざす
確かに浮腫みは循環器疾患のサインの一つではあります。しかし、浮腫みで循環器内科を思い浮かべる方は少なく、息切れで循環器内科を受診して浮腫みも見つかるといった流れが多いと思います。浮腫みは静脈血栓症、腎臓病、低栄養、甲状腺機能低下症など、多種多様な疾患が疑われる症状でもあります。まずは血液検査や超音波検査などを実施して、原因を正しく突き止めなければいけません。さまざまな症状や疾患に対してきちんと対応したいと考えています。日本内科学会総合内科専門医の資格も取得していますので、何科を受診するべきか分からない時にもご相談いただければと思います。
- Qめまいや失神も心臓が弱っているサインの可能性があるとか。
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A
▲重症化を防ぐ予防医療にも注力している同院
何らかの理由で頭部の血流が減ることでめまいや失神が起こることがあります。例えば、不整脈で脈が速くなったり遅くなったりするのも原因の一つです。また、重度の心臓弁膜症で心臓から血液が出にくくなっているときにも出現します。脳の病気が疑われる場合などは脳神経外科を紹介しますが、長時間立ちっぱなしの時に倒れてしまう神経調節性失神などの自律神経の問題には、前兆を感じたら横になるなどの対処法や生活指導も行っています。毎日の生活の中で心臓に関する心配事が生じたら、たとえ小さなことでも気軽に循環器内科を受診し、全身の健康を守るきっかけにしてはいかがでしょうか。