小向 昌枝 院長の独自取材記事
たま内科・循環器内科
(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)
最終更新日:2026/05/29
小田急線・新百合ヶ丘駅から徒歩5分ほど、広々とした駐車場を完備したスーパーマーケットの敷地内にある「たま内科・循環器内科」。2024年12月の開業から、地域住民の健康を支える「通いやすいクリニック」として定着している。院内は白やベージュを基調とした清潔感のある空間で、感染症患者用の別待合室を備えるなど、安心・安全への配慮も徹底されている。大学病院や総合病院で循環器内科の研鑽を積んできた小向昌枝院長は、専門性の高い医療を身近に提供しつつ、患者一人ひとりの生活背景にまで寄り添う診療を大切にしている。やわらかな雰囲気と落ち着いた物腰の小向院長に、クリニックの現在とこれからの展望を聞いた。
(取材日2026年4月2日)
循環器の専門検査も提供、高度医療へとつなぐ架け橋に
開業から1年と少し経過しましたが、現在の診療の状況はいかがですか?

麻生区は「長寿の街」としても知られていますが、実際に開業してみると、ご高齢の方はもちろん、駅周辺にお住まいの比較的若い世代の患者さんも非常に多いと感じます。当初から地域医療への貢献を掲げてきましたが、最近ではミドル世代の方がご自身の健康管理と併せて、足腰が弱くなった親御さんを連れて一緒に受診されるケースも増えています。当院はスーパーの別棟2階に位置し、施設併設の大型駐車場を完備しています。お車で付き添っていただければ、通院が億劫になりがちなシニア世代の方も無理なく継続的な治療を受けられますし、その間にご家族はお買い物などで時間を有効に使うこともできます。通院が家族の負担にならず、生活の一部として組み込みやすいという環境は、これからの地域医療において非常に重要なのではないでしょうか。
専門である循環器内科の強みについて教えてください。
医師になった当初から、地域医療に貢献する開業医をめざし、大学病院では高度医療を学びながら、身近なクリニックで専門的な検査を提供したいと自分なりの地域医療への携わり方を考えて準備を進めてきました。聖マリアンナ医科大学放射線科や、昭和医科大学藤が丘病院の循環器内科などで10年以上にわたり、心臓超音波(心エコー)検査を中心に研鑽。循環器疾患は命に関わることも多いため、身近な場所で迅速に高度な検査ができる体制を整えました。胸の痛みや動悸といった症状に対し、心エコーや頸動脈エコーを用いてその場で診断を行い、必要があれば速やかに大学病院等の高度医療機関へおつなぎするのが私の役割。また、生活習慣病の管理も重要です。血圧やコレステロールの数値が気になる段階で早期に対策を始めることで、将来的な心臓や脳の大きな病気を防ぐことができます。
診療方針や、検査体制について伺います。

診療方針は、まず患者さんのご希望を第一にしっかり状況やお悩みをお聞きし、ご納得していただいた上で検査や治療を進めるようにしています。また、感染待合室を設けたことは、あらゆる患者さんのリスクを減らすためにこだわった点でもあります。さらに、近年は高齢化の影響で心不全の患者さんが増えているため、スムーズな流れで診察・処置が行えるよう設備を整え、心エコー検査を行ったら、その場でご説明ができるようにしています。このほか、脈波ホルター心電図などの心臓検査や、さまざまな症状に対応できる検査環境を整備しています。
ミドル世代からシニア世代まで家族で通えるクリニック
院内の造りや動線にも配慮されていますね。

新型感染症の流行時は、どこの病院でも感染した患者さんの受け入れや、一般患者さんの診察をどう分けていくかに苦慮していました。当時、クリニックの外で待ったり、検査をしたりという方も多かったのではないでしょうか。そのため、当院の開業にあたっては、感染待合室を設置し、一般の患者さんと感染症の患者さんの動線を分離。循環器内科を標榜する以上、重度の循環器疾患の患者さんも来院されますから、そういった方も安心して受診できる環境を整える必要がありました。来院時に熱が37.5度以上ある方や、ご自身で検査済みで陽性反応が見られた方は、感染待合室にご案内し、検査や診察などはすべてその部屋で行えるようにしています。
診察の際に心がけていることはありますか?
医療の専門用語をあまり使わず、わかりやすい言葉で説明することです。患者さんが納得して治療を続けることが、健康寿命を延ばす鍵となります。私たち医療従事者が思っている以上に患者さんは医療用語をご存じではないこともあるのです。また、待ち時間の短縮も重要と考えています。ウェブ予約やウェブ問診、自動精算機を導入していますが、これらにより比較的スムーズにご受診いただけているのではないでしょうか。実はこれ、ご高齢の方も楽しみながら使いこなしてくださっているんですよ。デジタル化によって効率を上げ、その分、診察室での対話や丁寧なフォローに時間を割くようにしています。もちろん、予約なしでの受診も可能です。
ご家族での受診も多いのですね。

外来診療を行う上で、病む人を支える「家庭」という場所に対する配慮はとても重要だと考えています。病気だけでなく、その裏にある背景にまで心を配ることが大切なのです。例えば、糖尿病や高血圧症の方の食事管理ですとか、ご高齢の方の認知機能についての気づきですとか、ご家族の協力がないと治療が進まないということも少なくありません。そのため、ご夫婦や親子など、ご家族単位でご受診いただくケースが増えているのは、とても良い傾向だなと思っています。
循環器疾患の早期発見をめざし、健康診断の充実も
そもそも、医師を志されたきっかけは何だったのでしょう。

父が開業医で、子どもの頃から医療というものが近くにありました。小さい頃、診療後に残った仕事をしている父親のいる診察室に行って遊んでいた、という思い出がありますね。なので、医療に携わることに抵抗がなく、私の中ではごく自然に医師の道に進んだように思います。私が研修医の頃と違い、今は女性が働きやすい時代になり、私自身も医師として仕事をしながら妊娠、出産、子育てを経験し、その後開業して今に至ります。公私を両立させて開業医をめざす女性たちに、今度は私が自分なりの経験を伝えたり、姿を見せたりすることで、医師を志す人たちを応援できたらとも思っています。
今後の展望を教えてください。
症状がなくとも、健康管理のために気軽に足を運べるような体制をつくっていけたらと思います。インフルエンザやHPVなどの予防接種も実施していますし、 ご高齢の方も含めご希望の方には各種ワクチンの定期接種もお申し込みいただけます。各種健康診断を行っていますし、今後は循環器疾患の早期発見をめざし、頸動脈エコーや心エコー、脈波検査などの検査オプションも充実させていければと考えています。また、健診で「要精査」が出た際、どこへ行くべきか迷って放置してしまうのが一番のリスク。当院では、たとえ当院で受けた健診でなくても、結果をお持ちいただければ一緒に内容を確認し、アドバイスを行います。循環器に限らず、感染症から生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群まで幅広く内科全般を診療しています。地域のかかりつけ医として、ご自身の症状でどこを受診すべきかわからないという時に、一番に頼っていただけるような場になりたいですね。
最後にメッセージをお願いします。

過去に診断を受けていて、治療を中断しているのであれば、早めに受診していただいたほうが悪化を防げます。また、健康診断で異常を指摘されたのであれば放置せずに受診していただきたいです。何かいつもと違う症状が出てきたという時にも、早めにお申し出いただけると、重症化せずに済むことが多いかなと思います。ご高齢の方で気になりがちな認知機能の低下についても、認知症サポート医としてご相談いただけます。新しい施設の中にあるため、初めての方には、少しわかりづらいとのお声を受け、ホームページに詳しいアクセス情報も公開中です。混雑を避けたい場合、平日夕方や昼前が比較的混み合いません。医師に診てもらうべきかどうか悩むような、ちょっとした症状でも構いませんので、まずはご相談にいらしてみてください。

