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田嶋 淳哉 院長の独自取材記事

できじまクリニック

(新潟市中央区/新潟駅)

最終更新日:2025/01/22

田嶋淳哉院長 できじまクリニック main

新潟バイパスの桜木IC、女池ICそばの交通至便な立地に2024年11月1日に開業した「できじまクリニック」。ショッピングモール「DEKKY401」の広大な駐車場の一角に位置し、買い物ついでにも気軽に立ち寄れる。標榜科目として内科のほかに救急科を掲げているのもクリニックとしては珍しく、同院の大きな特徴となっている。田嶋淳哉院長は救急科の医師としての豊富な経験を生かし、「どの科に行けばいいかわからない患者さんに、総合診療力を生かした迅速な診断と治療を行い、必要に応じて適切な医療機関へつなぐ『ゲート』としての役割を果たしたい」と語る。地域に根差したクリニックの新しいモデルケースとして、地域医療を支える一員に仲間入りした田嶋院長に話を聞いた。

(取材日2024年11月27日)

地域課題の一助になるクリニックをつくりたい

救急科を標榜するクリニックは珍しいですね。

田嶋淳哉院長 できじまクリニック1

「救急科」は比較的大きめの病院では目にすると思いますが、町中のクリニックでは全国的にも少ないです。私は新潟県内外の基幹病院等で救急科の医師として十数年間、貴重な経験を積みました。その経験を地域の皆さんに還元したいと考え、内科とともに救急科を標榜科目として掲げました。救急科と聞くと、急病や交通事故などにより救急車で病院に運ばれた際に最初に対応する科、というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。でもそれだけではなく、「原因がわからないけど体調が悪い」という患者さんの原因を突き止めるための総合診療を行う役割を担ったり、専門の診療科に振り分けたり、入院患者さんの管理や院内の急変対応、手術後の管理も行ったりします。意外にさまざまな役割を担っているんですよ。

あえてクリニックで救急科を掲げるのはなぜですか?

現在、新潟県の医師不足は深刻で、人口10万人あたりの医師数が全国平均を大きく下回っています。救急車で運ばれた患者さんを受け入れる医療機関がなかなか見つからないという“たらい回し”問題も深刻です。私は新潟県で生まれ育ち、大学も勤務病院も新潟で、この地域に愛情を持っています。その過程において地域課題の一助になるクリニックをつくることが、救急科の医師として経験を積んだ自分にできることではないだろうかと思いました。もちろんクリニックなので、診療時間内の対応になりますし、入院設備はないのですが、クリニック内でCTや超音波検査を行い、診断し緊急性の有無を判断して、専門の診療科や病院へ適切につなぐこともできます。救急患者の受け入れ先の一つとして、地域の救急医療システムを支援することは十分可能です。

救急科の医師としてのご経験は、クリニックの一般内科診療にも役立っているのでしょうか?

田嶋淳哉院長 できじまクリニック2

病院の救急科と町のクリニックの内科診療は、一見違うようですが、実は非常に似ています。例えば救急科は、循環器、呼吸器、消化器、皮膚、小児、外科など非常に多岐にわたる領域の知識を駆使し、あらゆる年代の軽度から重度まで、多種多様な症例に対応する総合診療力を必要とします。一方で、迅速に検査を行い、重症度を見極め、専門診療科につなぐという流れで、「ゲート」的な役割も担います。これらの技能はクリニックの医師に必要な技能そのものです。加えて、救急科の医師として緊迫した状況の場数も踏んでいます。風邪などの軽度から、紹介が必要な重度の患者さんまで適切に対応できる自信もあります。体調不良を感じたら、まずは来院していただければと思います。

身近な町のクリニックとしてどんな症状にも幅広く対応

原因がわからず、何科に行ったらいいか迷う人は多いと思います。

田嶋淳哉院長 できじまクリニック3

多くの病院は診療科ごとに分かれていますが、どこの科に該当するのか判断に迷う症例も少なくないです。だから患者さんが迷うのも無理ありません。例えば小児の場合、発熱などの内科的な症状を診るのは小児科なのですが、ケガの場合はどこの科が対応するのか悩ましいところです。もし頭をぶつけた場合なら脳外科という選択肢もありますが、脳外科があっても小児科がない病院だと、子どもに何かあったときの対応を考える引き受けるのが難しいこともあり……、結果的に運ぶ病院がなかなか見つからないという事態につながります。ただ、私の経験上、状況によってはクリニックで受け入れてもいいのではないかと感じることもありました。

こちらの診療方針を教えてください。

「より幅広く、より身近に」をモットーに、幅広くどんな症状でも診療できる、身近なかかりつけ医として、地域に貢献したいと考えています。突然の熱や腹痛、ケガなどの突発的なものや、高血圧症、糖尿病などの慢性的なものまで、あらゆる体の不調に対応しています。先ほどの話にもありましたが、「体調に不安を感じるけれど、どこの科に行ったらいいかわからない」「○○科に行ってみたけど、本当にそれでいいのかわからない」などと感じている患者さんの駆け込み寺のようなクリニックになりたいです。

医療機器も充実していますね。

田嶋淳哉院長 できじまクリニック4

救急科を標榜しているため、迅速な検査を行うための先進的な医療機器をそろえました。中でも一番特徴的なのは、院内にCTを導入していることだと思います。CTがあれば、頭でも胸でも腹部でも全身の検査が可能になります。スクリーニングを当院で行い、症状に診断がつけば、紹介先も探しやすく、先方の医療機関も受けやすいのではないかと考えます。また、腎臓や肝臓などを評価する検査も必要であれば院内で結果がわかる体制になっています。

地域医療には救急科医の総合力が生かせる時代

患者さんとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

田嶋淳哉院長 できじまクリニック5

フラットな関係でなんでも心置きなく相談してもらえるような間柄でいたいですね。医師だから「先生」と呼ぶ必要はないと思います。患者さんのほうが年上で先に生まれて(笑)、人生の大先輩ということもありますし、患者さんたちから学ぶことも多いです。あと、あまり先入観は持たないようにしていますね。この患者さんはこういう症状だからこの病気なんだろうと決めつけすぎないようにしています。客観的な判断というのが大事で、例えば、主訴が風邪で私自身も風邪だと思っても、頭の中にもう一人の自分がいて、「本当に風邪でいいのか?」「風邪で今の症状に全部説明がつくのか?」と常に疑いの声がけをしています。思い込みで突進してしまうと、万が一違った時に次の一手を出せません。常に第2、第3の可能性と治療法を事前に用意していないといけないな、と思います。ここは勤務医時代の経験からくるものですね。

医師をめざした理由を教えてください。

高校生の時に身近な人が亡くなる経験をしました。そういう経験は物心ついてから初めてだったので、大切な人が亡くなっているのに、どうして自分は何もできないのだろう……と歯がゆい思いをしました。その頃、兄は医学部に入学しており、医療に漠然とした興味を持っていたこともあって、医師だったらこんな時に何かできるかもしれないと思って医学部をめざす決意をしました。救急科の勤務医時代は毎日忙しくて大変でしたが、医療人としての使命感とやりがいを感じていて、どんなにきつくても辞めたいと思うことはなかったですね。これまで奇跡のように命が助かる瞬間に立ち会うことも少なからずありましたが、それ以上にお亡くなりになる瞬間に立ち会いました。それでも私は、ここまで医師を続けてこられた。結局のところ、自分にとっては天職なのかな、と感じています。

今後の展望を教えてください。

田嶋淳哉院長 できじまクリニック6

当院のように、総合診療をするクリニックが増えたらいいですね。救急も含めて、「このクリニックに行けばなんとかしてくれる」と、患者さんにも医療従事者にも信頼してもらえるクリニックが各地にできるように働きかけ、皆で地域医療を支えていきたいです。今までは総合病院の役割が大きかったですが、病院では受け入れに限界が出てきています。今後は開業医が医療資源の不足を積極的にサポートしていくべきではないでしょうか。救急科医の開業はまだ珍しいですが、私の頑張る姿で救急科医にもこういう選択肢があることを伝えられれば、私が開業した意義があるのかもしれませんね。

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