膝の痛みは変形関節症のサイン?
正しい診断のもと根本から治療を
イノルト整形外科 横浜院 痛みと骨粗鬆症クリニック
(横浜市神奈川区/横浜駅)
最終更新日:2024/12/13


- 保険診療
仕事や子育てに追われていると、自分の膝の痛みなどはつい後回しにしてしまいがちだ。しかし、実はすでに変形性膝関節症が始まっている可能性もゼロではない。放置したままではやがて激痛に至り、手術が必要になってしまうこともある。「そうなる前に、膝の痛みで悩む人を救いたい」と力を込めるのが「イノルト整形外科 横浜院 痛みと骨粗鬆症クリニック」の渡邉順哉統括院長だ。大切にしているのは、痛みを仕方ないと諦め付き合うのではなく、MRI検査などを活用して根本原因を突き止め、できるだけ早く痛みを取り除くこと。誰もが一生元気に動き回る「健康寿命100歳」を実現するため、変形性膝関節症の早期発見・早期治療に取り組む渡邉先生に詳しく話を聞いた。
(取材日2024年11月21日)
目次
半月板損傷や変形性膝関節症の初期症状かもしれない膝の痛みを見逃さず、早期治療を
- Q変形性膝関節症とはどのような疾患ですか?
-
A
▲身体の悩みに真摯に対応していく
膝関節の中でクッションのような働きをしている軟骨が、加齢や筋肉量の低下ですり減る病気です。肥満や遺伝も影響していますが、骨折、膝靱帯損傷、半月板損傷などの後遺症として発症するケースもあります。初期は立ち上がり・歩き始めなど動作の開始時に痛み、中期は階段の昇降や正座がつらくなり、末期は安静時も痛みが取れず膝の変形も目立ちます。また、関節を覆う関節包と呼ばれる膜の内部に炎症が起き、関節をスムーズに動かす潤滑油の役割を担う関節液が過剰に分泌。いわゆる「膝に水がたまった」状態になることも。大腿骨と脛骨が直接ぶつかるまで軟骨の減少を放置していると、激しい膝の痛みに苦しむことになります。
- Q膝の痛みは放置せず早めに受診したほうがいいのでしょうか。
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A
▲生活がよりよくなるために尽力したいと話す、渡邉順哉統括院長
はい。膝の痛みは様子見をしてしまう方も多いのですが、できるだけ早く整形外科に相談するようにしましょう。まず、レントゲン検査や超音波検査が行われることになると思いますが、初期段階の膝関節症はまったくわからない点に注意してください。超音波検査ならば水がたまっているかどうかはわかりますが、関節の深い部分までは見えません。「もしかしたら軟骨がすり減っているかもしれませんね」ではなく、軟骨損傷の有無をはっきりと診断するにはMRI検査が欠かせません。当院では近隣の提携クリニックを紹介していますが、最速で当日に検査を行い、そのまま検査結果を持参していただき治療をスタートすることも可能です。
- Q変形性膝関節症の治療について教えてください。
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A
▲治療について、患者が理解できるまで丁寧に説明を実施する
一般的には痛み止めや抗炎症薬の投与になります。早く炎症を抑えないとどんどん広がってしまうので、かつては炎症を抑えるのに役立つステロイド剤が使われたこともありました。しかし、一時的な改善は期待できても関節の劣化が進むことがわかり、現在は非ステロイド性抗炎症薬、ヒアルロン酸などが主流です。抗炎症剤で改善が見込めない場合、関節鏡視下手術、骨切り手術、最終的には人工関節置換術で対処するしかありません。手術を避けるためにも、早期に治療を開始することは非常に重要です。軟骨の再生に関する治療法の研究も進んでおり、私も注目しているところです。
- Q痛みの原因にアプローチする施術も重視しているとか。
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A
▲理学療法士と密に連携を行い、リハビリを行っていく
体の使い方の修正も必須と考えています。変形性膝関節症に至ったのには、姿勢・筋力・柔軟性のいずれかに問題があったと言っても過言ではありません。問題を放っておくと、坐骨神経痛や腰部脊柱管狭窄症、慢性疼痛につながることも。たとえ先端の医療で痛みを解消したとしても、根本原因を解決しなくては再発する可能性も。そこで当院が重視しているのが、理学療法士による施術です。正しい姿勢をお伝えするだけではなく、それを維持するための体幹としなやかな筋力をオリジナルプログラムで強化していきます。そのほか、歩行分析に基づくインソールの作製も行い、変形性膝関節症の治療だけではなく予防にも注力しています。