患者の話をしっかりと聞き
最善の治療を行うための自由診療
東京ハブクリニック
(千代田区/永田町駅)
最終更新日:2024/11/15
- 自由診療
健康保険に加入する者が、医療費の一部を負担することで医療を受けることができる医療保険制度にはデメリットもあるとされる。保険点数によって診療報酬が決まるため、患者1人あたりの診察時間が短くなりがちであることや、処方できる薬に制限があることがそれだ。そのような中で、心療内科は、患者との信頼関係の構築や、綿密なカウンセリングが欠かせない診療科だといわれる。「東京ハブクリニック」の鴨下一郎院長は、心療内科を専門とする医師として、早い時期から活動してきた。その上で、心療内科において最善の医療を行うためには、自由診療が望ましいと話す。そんな鴨下院長に、保険診療の仕組み、自由診療のメリット、日々の診療で心がけていることなどを聞いた。
(取材日2024年10月23日)
目次
信頼関係の構築や、綿密なカウンセリングが重要な心療内科こそ自由診療を
- Q医療保険制度について教えてください。
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A
わが国では、すべての国民の安全・安心な暮らしを保障すべく、国民皆保険制度が敷かれています。保険診療は、その制度に基づき、健康保険に加入する患者さんが、どの医療機関においても同じ診療を、同じ金額で受けることができる仕組みです。それぞれの医療行為は細かく金額が定められていて、それを合計したものが医療費になります。患者さんは、その一部を負担することになります。自己負担額が少なく、誰もが平等に医療を受けることができるのが最大のメリットです。ただし、例えば歯列矯正など治療の目的が病気の改善ではない場合や、保険診療の適用外の薬を使用する際などは、全額自己負担の自由診療になります。
- Q保険診療のデメリットについて教えてください。
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A
診療報酬は保険点数によって決まるため、診察にかけられる時間に限界があったり、治療薬の選択肢が限られたりするというデメリットがあります。医師が患者さん一人ひとりにかける診療時間が短くなると、治療の質が下がる可能性があるのです。しかし、時間経過で報酬が上がることは認められないため、クリニックとしては診療数をこなさなければいけなくなります。3分の診療で薬を処方しておしまいでは、患者さんとしても「ちゃんと話を聞いてもらえなかった」と消化不良になりがちです。保険診療の目的が必要最低限の医療を平等に提供することであるため、その診療内容が患者さんにとって最善であるとは限らない点が最大の問題でしょう。
- Q心療内科における自由診療のメリットを教えてください。
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A
心療内科の場合は、患者さんの話をじっくり聞き、希望をくみ取り、適切な診療につなげていく必要があります。時間の制約の少ない自由診療であれば、一人ひとりにしっかりと向き合うことができるのです。また、それによって患者さんに納得感が生まれやすくなります。心療内科には「納得と共感」が重要なのですが、その実現は3分診療では難しいと思います。なお、保険診療では適用薬しか処方できませんが、自由診療なら処方できる治療薬のバリエーションも増え、例えばホルモン補充療法でテストステロンのジェルを使用することもできます。ちなみに自由診療と保険診療を組み合わせて行う場合、保険診療部分もすべて自由診療とみなされます。
- Qこちらでは、どのような診療を行っていますか?
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A
当院では、自由診療による診療を提供しています。特に力を入れているのが男性更年期障害に関する症状や、疾患への対応です。患者さんが症状を正確に報告し、治療を継続するためには、医師と信頼関係を築くことが大切です。話を真摯に受け止める姿勢が患者さんの積極的な治療参加を促すからです。そのため、しっかりと時間を取ってカウンセリングを行っています。しつこく聞き出すことはせず、「どうありたいか」を敏感に察知します。信頼関係ができてくると、医師の話に納得してくれるようになるのです。また、患者さんの社会的立場を尊重することも心がけています。生活習慣などについても指導はせず、本人が気づくよう話をしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは初診(血液検査料込み)/3万5000円+お薬代(ホルモン補充療法/ジェル)1万2000円、2回目以降診察/1万5000円+お薬代(ホルモン補充療法/ジェル)1万2000円