鼠径ヘルニアを放置するリスクとは?
負担の少ない日帰り手術
東京浅草キュアメディクス
(台東区/浅草駅)
最終更新日:2024/11/29
- 保険診療
足の付け根に膨らみができてしまう病気が、鼠径ヘルニア。膨らみがあるものの、痛みや日常生活への影響などが少ないことから様子を見ている人もいるかもしれない。しかし、「鼠径ヘルニアが進行すると膨らみが大きくなり、日常生活に悪影響が出たり、命に関わったりすることもあるので、放置するのは危険です」と話すのが、「東京浅草キュアメディクス」の松田年(まつだ・みのる)理事長だ。そして、鼠径ヘルニアを治療するには手術しか方法がない中で、同院では日帰りによる手術を実施。仕事や子育て、介護などで入院できないという患者でも、日常生活に影響も少なく鼠径ヘルニアの治療を受けられるようにすることをめざしているという。そこで松田理事長に、鼠径ヘルニアの基本的なことや、日帰り手術の流れなどについて教えてもらった。
(取材日2024年11月7日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q鼠径ヘルニアとは、どのような病気ですか?
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A
体と足の境目である足の付け根の皮膚の下におなかの臓器が飛び出し、膨らみができてしまう病気が鼠径ヘルニアです。性別や年齢を問わず広く見られる病気ですが、特に60代以降の男性に多く、重いものを持ったり、筋肉トレーニングをしたりして力を入れたことが、きっかけになることもあります。そして、成人の鼠径ヘルニアを治療するには、手術しか方法はありません。飛び出した臓器を元に戻し、ヘルニアの穴をメッシュと呼ばれる網状の素材でふさぐことで臓器が飛び出てこないようにするための手術です。腹腔鏡による手術とおなかを3〜5センチほど切開して行う鼠径部切開法がありますが、当院ではいずれも日帰りで受けることが可能です。
- Q鼠径ヘルニアを放置すると、問題があるのでしょうか?
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A
鼠径ヘルニアを治療せずにいると、膨らみがだんだんと大きくなったり、痛みや違和感などの症状が強くなったりすることがあります。また、飛び出た臓器が、出入り口で締められて戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる状態になってしまうと、腸に血液がわたらなくなり壊死してしまうなど、命に関わるようなことにもなります。それ以外の場合は、基本的に命に関わるようなことはありませんが、膨らみが大きくなってくると生活をする上で邪魔になってくるほか、そうなってから手術をするのは、合併症などのリスクも高くなります。鼠径ヘルニアは、放置しておいても治ることはありませんので、速やかに治療を受けることが大切です。
- Q貴院で手術を受けるメリットについて教えてください
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A
まず、日帰りの手術を受けられることがあります。従来、鼠径ヘルニアの手術は、2〜3泊の入院で行うことがほとんどでしたが、患者さんの中には働いていたり、小さな子どもがいたり、親を介護していたり、ペットを飼っていたりといった理由で家を空けられない方も少なくありません。しかし日帰りであれば、そのような方でも手術を受けやすいでしょう。それに伴い入院費もかかりませんので、医療費の負担が軽くなることもメリットです。また、私自身は腹腔鏡手術を得意としているほか、森下院長もこれまで数多くの手術を経験してきています。経験豊富な医師による鼠径ヘルニアの手術を受けることができるのも当院のメリットだといえるでしょう。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察や診断、手術に必要な検査を受ける
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まずは診察を受ける。診察では、医師が問診や視診、触診に加え、腹部超音波検査やCT撮影なども行い診断。その結果、鼠径ヘルニアで手術適応と判断されたら、動画を見せてもらいながら、手術についての説明を受ける。その上で、患者が希望すれば手術日を決定。続けて、胸部エックス線撮影や心電図、採血など、手術に必要な検査を受ける。同院では、ここまでのすべてを初診の当日中にできるようになっている。
- 2手術の前後の過ごし方や注意点などの説明
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続けて、日帰り手術の専門的な教育を受けた看護師から、手術の前日までの過ごし方や手術後の注意点、急に痛くなったときの対処方法などのオリエンテーションを受ける。日帰り手術では、クリニックでの滞在時間が非常に短いことから、患者自身の理解と協力が重要になるそうだ。基本的に手術前の生活に大きな制限はないが、前日はアルコールを控え、ゆっくり休むことが大切だという。
- 3日帰りの手術を受ける
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手術当日は、指定された時間に来院。手術着に着替え、点滴の挿入などの手術前処置を行った後、手術開始となる。手術は、腹腔鏡の場合は全身麻酔。鼠径部切開法の場合は局所麻酔と静脈麻酔を併用して行われる。手術では、臓器が飛び出してこないようにするために、メッシュと呼ばれる網状の素材でヘルニアの穴をふさいでいく。手術自体は、30分〜1時間前後で終了するという。
- 4リカバリールームで休憩後、帰宅する
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手術後はリカバリールームに移動し、麻酔が抜けるまで2時間ほど休憩する。その後、問題がなければ帰宅となるが、普通に歩いて帰ることができる。ただし、麻酔の後なので車などの運転は厳禁。それ以外には、当日の生活に大きな制限はなく、食事も普通に取って良いそうだ。また、痛み止めの薬が処方されるので必要に応じて服用するほか、同院では帰宅後に強い痛みが出たり、気分が悪くなったりした場合の緊急連絡先も用意してある。
- 5経過観察を受ける
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手術の翌日に受診し、傷の状態や体調に問題がないかを確認。その後は、1週間後と2週間後に受診し、経過を観察。特に問題がなければ、治療は終了となる。また、手術から2週間程度は、鼠径部に力がかかり痛みが出ることもあるので、重たいものは持たないように気をつける。スポーツなども医師の指示に従いながら徐々に再開するなど、手術の前後に受けた注意点をしっかり守り、再発や合併症を起こさないようにすることが大切だ。