中澤 遼太 院長の独自取材記事
中澤デンタルクリニック
(大和市/つきみ野駅)
最終更新日:2024/11/12
東急田園都市線つきみ野駅から徒歩3分。周囲には住宅地が広がり、昔ながらの風情が残るエリアにある「中澤デンタルクリニック」。温かな色味や木目を生かした内装のクリニックには、キッズスペースやカウンセリングルームも用意されている。院長を務める中澤遼太先生は、日本歯科大学を卒業し、福岡大学医学部歯科口腔外科で数々の外科症例の経験を積んだ後、神奈川県内の歯科クリニックで一般歯科を中心に診療を行い、2024年9月に開業した。患者とのコミュニケーションを何よりも重要視し、一人ひとりの生活背景や思いをくみ取った上で、複数の治療方法を提案することをモットーとする。患者自身が納得した上で満足のいく治療に努め、「信頼関係の構築が最適な治療につながる」と信念を語る中澤院長に、歯科治療への思いを聞いた。
(取材日2024年10月10日)
患者の思いを尊重し、さまざまな治療の選択肢を提案
2024年9月に開業したばかりですが、その経緯を教えてください。
大学卒業後、大学病院の歯科口腔外科で2年間研修を行いました。専門は口腔外科なので大学病院で勤務していた頃は大きな外科手術なども手がけていたのですが、その後は一般歯科を行う歯科クリニックに勤務して、幅広い年齢層の患者さんのさまざまな症例の診療をしました。地域の歯科クリニックは、歯科治療を行う院長の方針が強く反映されるものです。私も歯科医師として日々患者さんと向き合う中で、自分ならこうしたいという思いが強くなり、開業について真剣に考えるようになりました。昨年から具体的に動き始め、2024年秋のオープンに至りました。
先生の診療方針をお聞かせください。
まずは患者さんファーストでありたい、と思っています。歯科医師としては適切な治療でも、それが必ずしも患者さんの思いに沿わないこともあります。例えば、自由診療のほうが良いとわかっていても、できるだけコストを抑えたいなら保険診療の選択肢もあります。また、インプラント治療に興味があるという方は、将来的にもしも寝たきりになって歯磨きがしっかりできずに虫歯になっても、インプラントは簡単に抜けるものではないというデメリットも知っておく必要があります。特に大きな治療の場合は、いくつもの可能性を考えながら複数の選択肢を示すことが歯科医師の仕事だと思いますので、そのために患者さんとよく話すことを心がけています。どんな日常を送っているのか、どんな趣味を持っているのか、持病があるのかなど、一人ひとりの背景にあるものを探り、メリットやデメリットを丁寧に説明して、患者さんが納得してから治療を進めていきます。
そのような診療を心がけるようになったきっかけはあったのでしょうか?
大学時代からお世話になっている先輩が、患者さんとよく話す人でした。雑談に思えるようなものでも、患者さんの生活背景を知ることができ、さらには治療のヒントになるのだと、そばで見ていていつも感じていました。患者さんにとっても、自分の日常生活を知ってくれている歯科医師のほうが、安心して任せられるのではないでしょうか。患者さんの希望や不安に思っていることなどを打ち明けてもらうには、なんでも話しやすい環境でないと難しいと感じています。当院では初診の場合、1時間ほど時間を取って患者さんの話を聞き、生活スタイルなども考慮しながら、患者さんにとってより良い治療の提案をするようにしています。
リスク管理が必要な有病者の歯科治療にも精通
先生が得意としている診療についてお話しください。
現在は一般歯科を中心に幅広い治療を行っていますが、もともとは口腔外科が専門です。そのため、有病者の治療も得意としています。例えば、骨粗しょう症の患者さんであれば、服用している薬によっては抜歯して良いかどうかの判断をしなければなりません。また、高血圧症や糖尿病などを患う方についても、同じくリスク管理をしながらの治療が必要です。私自身がこれまでそういった患者さんについての治療をいくつも手がけてきましたので、治療前に迅速に適切な判断ができることが当院の強みではないでしょうか。持病がある方でもできる歯科治療はあります。痛みや不具合を我慢せずに、一度ご相談に来ていただければうれしいです。
場所柄、患者さんの中にはお子さんも多いそうですね。
周囲に住宅地が広がっていますので、患者さんもファミリーでお越しになるケースが多いです。近くに学校もありますのでお子さんは多いですね。小さなお子さんの場合、歯科医院に「怖いところ」というイメージを持っていることが多いので、まずは「怖くないよ」と感じてもらえるように工夫しています。例えば、診察に使うリクライニングチェアのボタンを押させてあげたり、風が出る器具を触らせてあげたり。爪の上に詰め物を置いて光を当てて固める、というようなこともお子さんの目の前でやって見せることがあります。そんな時は興味津々で見つめてくれますね。安全に配慮した上で、可能な範囲で自分で触ってみて、歯科医院が怖くないことがわかれば、お子さんも楽しくリラックスして通ってくれるのではないでしょうか。
院内にカウンセリングルームを設けたのは、患者さんにリラックスしてもらいたいという思いからでしょうか?
そうですね。診察に使うユニットではなく、全体的な治療方針を腰を据えて決めたい時にはカウンセリングルームを使います。人に聞かれたくないような話をする際にも、プライバシーを確保できますのでこの部屋でお話しします。カウンセリングは患者さんと私が90度の位置に座れるようにしていますが、これは横並びや対面で座るよりもリラックスして話ができるからです。円形を4分の1にカットしたテーブルは、そのためにオリジナルで作ってもらいました。また当院では、矯正トレーニングに取り組むスタッフを交えてのお子さんの矯正相談会や、入れ歯相談会も定期的に行っております。矯正や入れ歯に関する素朴な疑問から正しい知識、顔の周囲の筋肉についてのお話など幅広く行います。どのようなお悩みでも受けつけておりますので、お気軽にご相談ください。
カウンセリングを徹底し、快適な歯科診療をめざす
先生が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
近所に小さい頃に風邪をひくと必ず行っていた、かかりつけの内科のクリニックがあったのですが、最初に医療の仕事を意識したのはその先生との関わりからかもしれません。私は幼かったので「風邪のお医者さん」と親しみを込めて呼び、その優しい人柄が大好きで、気づけば自分も医療系の道に進みたいと思うようになっていました。その先生には大人になるまでお世話になって、就職時にも困ったときには力を貸してくださり、非常にお世話になりました。数ある医療系の仕事の中で歯科医師を選んだのは、伯父や兄が歯科の道の先陣を切ったことの影響が大きかったですね。
クリニックの内装や設備などにもこだわったそうですね。
もともとカフェに行くことが好きなのですが、院内に落ち着いた雰囲気を出したいと思っていた時に、かなり内装のヒントをもらいました。クリニックというと白基調が多い中で、当院は木目を取り入れつつ、エックス線検査室は青い壁紙をアクセントにしたり、キッズスペースは寝転がっても痛くないようにふわっとしたじゅうたんを敷いたりと、温かみのある空間をめざしました。設備については、新しい口腔内スキャナーを取り入れています。従来の物よりも先端が細いので患者さんの負担が少なく、口の中が痛くなりにくいです。当院では矯正の際だけでなく、初診時にこのスキャナーで口の中を撮らせてもらっています。治療のイメージをわかりやすく視覚的に理解していただけるので、患者さんのモチベーションを上げることにもつながっていますね。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
「歯医者さん」と聞くと、どうしても苦手意識を持ってしまう方も多いと思います。ただ、きちんと歯の健康を守っていれば、治療の必要もありませんので、虫歯などの予防のためにも定期検診をお勧めしています。口の中のトラブルで来院される場合も、いきなり治療を始めませんのでご安心ください。まずは痛みや不具合の相談や治療の際の希望などをしっかりと聞かせていただき、こちらから提案した治療の方針や計画に納得していただいて初めて治療を開始します。些細なことでもご相談をお受けしていますので、気になるところがある場合はぜひ一度お越しください。