中野 健一 院長の独自取材記事
たくみ整形外科 上本町
(大阪市天王寺区/大阪上本町駅)
最終更新日:2024/10/31
近鉄難波線・大阪上本町駅から徒歩3分の場所にある「たくみ整形外科 上本町」。大阪府和泉市にある「たくみ整形外科」の分院として2024年に開業した。中野健一院長は、大学病院や救命救急センターでの豊富な経験を持ち、的確な診断と機能的改善を重視した治療をめざす。「患者を自分の家族だと考え、優しい対応を心がけています」という言葉どおり、やわらかな笑顔が印象的で、緊張させない温かな雰囲気に満ちている。黒を基調としたモダンな内装のクリニックでは、一般的な整形外科疾患から、骨粗しょう症、関節リウマチ、上肢・手の疾患の治療、スポーツ傷害のリハビリテーションまで幅広く対応。整形外科の専門性を生かしつつ、患者一人ひとりに合わせた丁寧な医療を提供する。そんな中野院長に開業の思いや診療の特徴など話を聞いた。
(取材日2024年10月7日)
整形外科と救急科の経験を広く患者に還元する
開業の経緯と先生のご経歴について教えてください。
私は奈良県立医科大学を卒業後、大学病院や基幹病院の整形外科で経験を積み、最近では救命救急センターで重症外傷の治療に携わってきました。その中で手術だけではなく、保存療法やリハビリテーションの重要性を強く感じていました。新しい挑戦を考えていた時に、大阪府和泉市にある「たくみ整形外科」の大川先生から、分院を出さないかと声をかけていただいたんです。開業場所は、母校である奈良県立医科大学の先生方との連携も視野に入れ、上本町を選びました。アクセスが良くて人口も多いこの場所なら、これまで培ってきた整形外科の知識と技術を生かして、多くの方々のお役に立てると思ったんです。保存療法やリハビリテーションに力を入れて、地域の皆さんの健康をサポートしていきたいと考えています。
ホテルのロビーのような広々としたクリニックですね。
クリニックの雰囲気づくりにはこだわりました。黒を基調としたシックな色合いですが、照明で温かみのある茶色に見え、ロゴカラーの黄色をアクセントに使うことで親しみやすさも出しています。待合室は、診療を受ける前の最初の空間なので、清潔感があってゆったりとした雰囲気を大切にしています。また、リハビリテーション室は黄色をポイントで使い、清潔感と温かみのある空間にしました。整形外科という特性上、継続して通院いただく方も多いので、患者さんに「また来たい」と思ってもらえ、リラックスして治療に専念できる環境づくりを心がけています。
患者さんと接するときに何を心がけていますか?
「自分の家族だったら」という気持ちで患者さんに接することを大事にしています。当院には小さなお子さんから90歳を超える方まで、幅広い年齢層の患者さんが来てくれるんです。どの患者さんにも、優しく丁寧な医療を提供したいと思っています。専門用語は避けてわかりやすい言葉で伝え、検査結果や画像を一緒に見ながらゆっくり丁寧に説明することを心がけています。治療方法を一方的に決めつけることはありません。例えば、注射にするか薬にするかという選択肢を示して、それぞれの良い点、悪い点を説明した上で、患者さんの希望を聞いて決めるようにしています。患者さんの痛みや不安に寄り添って、十分なコミュニケーションを取りながら、安心して治療を受けてもらえるよう努めています。
心身両面をサポートするリハビリテーションを提供
同院の柱の一つであるリハビリテーションについて教えてください。
当院でめざしているのは「通うリハビリテーション」から「治すリハビリテーション」への転換です。電気治療や温める治療に加えて、根本的な回復を目的としたアプローチを取り入れています。当院の理学療法士がマンツーマンで、各疾患に合わせた運動療法を中心にしたきめ細かなケアを行っているんです。例えば、膝が悪い方には太ももの筋力トレーニングを指導したり、手術後の関節の硬さには直接関節の動きを回復させられるようサポートしたりします。大切なのは、痛みのある部分だけでなく体全体を見ることです。このアプローチで、「治す」ことを重視したリハビリテーションを提供し、患者さんの回復をより効率的にサポートしています。
患者さんの気持ちに寄り添うことを大切にしているそうですね。
はい。特にリハビリテーションは、どうしても患者さんが受け身になりやすいんです。ですが、患者さん自身が前向きに取り組まなければ、なかなか良くなりません。当院の理学療法士には、単に体を動かすだけじゃなく、「一緒に頑張りましょう」という気持ちで、患者さんのやる気を引き出す声かけをしてもらっています。患者さんは自宅でのトレーニングなど、私たちが見えないところでも頑張っていますからね。そういった努力も認めて、声に出して伝えるようにしています。このような関わりを通じて、患者さんとの信頼関係を深めています。リハビリテーションは長い道のりになることがありますからね。患者さんと二人三脚で、一緒に回復をめざすことを大切にしています。
救急科での経験を生かしどのような診療をしていますか?
整形外科というと骨折やケガだけを診るイメージがあるかもしれませんが、その背後にある原因やほかの疾患との関連を見極めることが重要です。例えば、手足の動きが悪いという訴えがあった場合、一般的には首や腰を疑うでしょう。ですが私は「もしかしたら脳の問題かも?」と考えます。これは救急科でさまざまな症例を診てきた経験があるからこそなんです。「昨日から足が動かない」という患者さんの歩き方や症状を見て頭部の異常を疑い、検査したら脳出血が見つかったこともあるんですよ。そのため当院の診療でも、整形外科の症状だけでなく、全身を見る診断を大切にしています。初期診断には自信があるので、整形外科の範囲ならすべて対応しますし、ほかの科の疾患が疑われる場合は適切な病院を紹介します。この総合的な診断力が、救急科での経験を生かした私の強みだと思っています。
なんでも気軽に話ができる身近な医師でありたい
患者さんにとってどのような医師でありたいですか?
気軽に話しかけられて相談しやすい医師でありたいです。整形外科を受診する方の中には、「いつの間にか痛くなっていた」という、痛みの原因が自分でもわからない患者さんも多いです。そんなときこそ、コミュニケーションが重要になります。話をしていると「そういえば昨日こんなことがあって……」とヒントが出てきて、「それが原因かもしれませんね」と気づくこともあります。また、生活習慣や仕事での姿勢に原因があることも多いです。だからこそ、些細なことでも気兼ねなく話せる関係づくりを心がけています。そうすることで、痛みの原因を見つけ出し、的確な治療につなげていきたい。話しやすい雰囲気というのは、良い治療を行う上で欠かせない要素だと私は思います。
今後の展望について教えてください。
骨粗しょう症の治療に注力し、地域の皆さんの骨折予防に貢献していきたいです。骨粗しょう症には、さまざまなタイプがあるんですよ。当院ではDEXA法による先進の骨密度測定機器を導入し、血液検査と併せることでより正確な診断をめざしています。これにより、患者さん一人ひとりに適した治療法を提案できます。検査は女性50歳、男性60歳を目安にお勧めしています。また、上肢や手の専門家としての経験を生かし、腱鞘炎や絞扼性(こうやくせい)神経障害などの疾患にも注力していきたいです。ほかのクリニックで診断がつかなかった難症例にも対応できると自負しており、実際に近隣のリウマチクリニックからの紹介も増えています。これらの疾患は早期診断・治療が重要なため、迅速かつ適切な対応を心がけています。骨粗しょう症を中心とした骨の健康管理と、手や腕の専門的な治療を両立させ、地域の皆さんの健康維持に幅広く貢献したいと考えています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
当院では、患者さんの目線に立った心のこもった医療を提供することを何よりも大切にしています。整形外科の疾患はもちろん、それ以外のお困りのことがあれば気軽にご相談ください。大学病院や救急科での経験からさまざまな症状に対応が可能です。受付や理学療法士、看護師など、スタッフ全員が患者さんに寄り添い優しく接するよう心がけ、笑顔の絶えない温かい雰囲気の中で診療を行っています。地域の皆さんが「当院を選んで良かった」と思えるようなクリニックをめざし、スタッフ一同で取り組んでまいります。どうぞ安心して、当院の扉をたたいてください。