クリニックの枠を超えて地域とつながり
さまざまな課題の解決へ
たけうちファミリークリニック
(相楽郡精華町/狛田駅)
最終更新日:2026/09/30
- 保険診療
京都府精華町で、子どもから大人まで家族で通えるクリニックとして進化を続ける「たけうちファミリークリニック」。地域のかかりつけ小児科医をめざして開業した竹内雄毅院長は、日々の診療でさまざまな悩みを抱える親子と向き合い、また自らも仕事と子育てを経験する中で、「診察室の中だけでは解決できない、現代ならではの課題」があることを実感。その改善につながる手がかりや資源は、親子が暮らす地域社会の中にあると考えるようになった。そこで同院では、病児保育室を併設し院内でのイベントも積極的に実施。さらに、子育て家族と地域の人やものをつなぐ新たな拠点づくりにも着手している。医療という枠を超えた多彩な取り組みの詳細や、その背景にある竹内院長の思いを、じっくりと聞いた。
(取材日2026年6月26日)
目次
地域と連携し誰もが立ち寄れる場所に。健康以外のさまざまな悩みにも対応する、幅広い仕組みづくりを展開
- Q病児保育室は多くの親子に利用されているそうですね。
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A
▲より患者が身近に感じられるよう、さまざまなことに取り組む同院
はい、予想以上に多くの方が利用されています。病児保育を始めるにあたり、私は「利用のハードルを下げる」ために、以下の2点を重視しました。1つは、手続きや費用面での負担を減らすこと。専用のアプリに登録すれば事前にどこかへ出向く必要がなく、予約が取れれば前日か当日朝に受診するだけで利用できますし、費用もかかりません。お子さんの様子は随時アプリに投稿しますので、手軽に確認していただけます。そしてもう1つは、親御さんの気持ちの負担を減らすこと。安静一辺倒ではなく、お子さんの気持ちや体調に合わせた保育で生まれる「今日は楽しかった」というお子さんの笑顔が、親御さんの後ろめたさを払拭してくれるはずです。
- Q院内では、親子で参加できるイベントも開催されています。
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A
▲子育て中の親同士が交流できるさまざまなイベントを実施している
医療機関に行くというだけで、子どもは緊張してしまうもの。まして痛い処置やよそよそしい対応だと、二度と行きたくなくなってしまいます。少しでも苦手な気持ちを減らしてもらおうと、院内では診療時間外にさまざまなイベントを実施。地域で活動されている方を講師や主催者として招き、ベビーヨガや写真撮影会、アロマ教室、お母さん向けのマッサージ、子育て相談などを開催しています。院内で楽しく過ごした経験があれば、受診時の緊張感も和らぐでしょうし、イベントで親御さん同士が仲良くなり、悩みなどを共有できる場になれば理想的ですね。またイベントをきっかけに当院の雰囲気を知り、来院される方も多いですよ。
- Qなぜ、診療以外の活動にも力を入れるのですか?
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A
▲子どもの健康にまつわる情報を確認できるコーナーを設置している
安心安全な医療を届けることが私の職務ですが、顔なじみになった患者さんからは発達、心理面、家族問題などさまざまなご相談を受けます。子育て支援、福祉、教育などの公的制度は充実しつつありますが、これらを横断的にカバーしたり、気軽に相談できる場所はまだ少ないと感じています。昔は親族や近所で行われていた助け合いも核家族世帯では難しく、病児保育のニーズの高さにもつながっています。私も妻も子育ての真っ最中で、仕事、家事、子育てを回す大変さは痛感しています。ですので、子どもが病気のときに頼れる施設や、普段から地域の人とつながれる場所があれば、孤立することなく子育てができるのではないか、そう考えているのです。
- Qそこで新たに地域のコミュニティーづくりを始められたのですね。
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A
▲地域のつながりを大切にし、積極的に推進している
当院のある精華町には、新しい住宅地が広がる一方で、昔からの集落や田畑も残っています。地域にはさまざまな人材や活動、学びや仕事の機会がありますが、それぞれが出会う機会はまだ多くありません。そこで私は、小児医療をきっかけに人が自然と集まり、つながる場所をつくりたいと考えるようになりました。子どもから高齢の方まで、医療、子育て、学び、仕事、文化などに関わる人たちが緩やかに交わり、新しい活動や挑戦が生まれる場を思い描いています。施設の建設予定地では、毎月マルシェを開催しています。患者さんやご家族だけでなく、普段は当院を利用されない地域の方々も足を運んでくださり、さまざまな人が出会う場になっています。
- Qこの地域での暮らしが、より豊かなものへ変わっていきそうです。
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A
▲診察室の中にとどまらず、地域連携に尽力している竹内院長
小児科医院として、まずは子育て世代を支えていきたいという思いはありますが、それだけではありません。今は、子育ての悩み以外にも、働きづらさ、人とのつながりの希薄化、地域社会との接点の少なさなど、人や家族に関するさまざまな課題があります。その解消には、地域全体の力で向き合う必要があると思うのです。同時に、誰かが一方的に支援を受けるだけでなく、お互いが主体的に地域での仕事やイベントに参加したり、新たな活動を立ち上げたり、ご自身の経験や知識を発揮できれば、より素敵なことでしょう。その結果、孤立を防いで困った時には助け合える、喜びを分かち合える、そういう地域になれば良いなと思い描いています。

