竹内 雄毅 院長の独自取材記事
たけうちファミリークリニック
(相楽郡精華町/狛田駅)
最終更新日:2025/02/28

狛田駅より徒歩7分。落ち着いた街並みの中にある「たけうちファミリークリニック」は、優しい家族のイラストが目印だ。「お子さんはもちろん、家族みんなに関われるクリニックをめざしています」と話すのは、日本小児外科学会小児外科専門医として研鑽を積んだ竹内雄毅院長。質の高い診療に努めるだけでなく、明るい日差しが差し込む待合室を活用して誰もが参加できるイベントを開催するなど、地域の親子の交流やにぎわいの創出も見据えている。「クリニックを通して悩みや楽しさを共有し、もっと医療を身近に感じてもらえたらうれしい」と、保育士や助産師にとどまらず、あらゆる職種と連携しながら地域医療の未来図を描く竹内院長に、開業の経緯や今後の展望について詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2025年2月4日)
小児外科専門医の経験を地域に還元
開業の経緯を聞かせてください。

私は京都で生まれ育ち、京都府立医科大学を卒業後は小児外科専門医として京都府立医科大学や兵庫県立こども病院で研鑽を積んできました。多くの子どもたちの手術を担当するなどやりがいを感じながら日々を送っていましたが、結婚やわが子の誕生を経て自分自身のライフプランを見直した時に「外科医として手術の道を極めていく尊さもあるけれど、もっと地域の中に溶け込みながら医療を提供していく道もあるな」と考えるようになりました。病院には病を抱え、本当に大きな不安を抱えながらやってくる親子が大勢います。これまでの私の経験を生かせば、その人たちの不安に寄り添うことができるのではないか。また、自分自身が子育てを通して感じた不安や喜びを共有しながら、地域の皆さまと一緒に生きていくのも素晴らしい人生だと開業を決意しました。
クリニックのロゴマークや院内の雰囲気もすてきですね。
クリニックのロゴマークは私が大ファンであるイラストレーターの作品です。自分のクリニックのロゴマークは自分自身が一生背負っていくもの。できあがるまでにはイニシャルをデザインしてはどうか? といったアイデアもありましたが、「この地域の子どもとご家族のためのファミリークリニックだ」ということを伝えたくて、最終的には私の家族をイラストにしていただきました。本当に気に入っていますし、生涯の宝物だと思っています。またクリニックは、当院が初めてのクリニックだという親子もいると思いますので、やわらかで居心地のいい空間にするべく細部までこだわって考えました。待合室のロボットは小さなお子さんにも大人気なんですよ。
診療内容について伺います。

お子さんがかかる病気全般の診療を行っています。発熱や咳・鼻汁、腹痛、ちょっとしたけがややけどなど幅広く対応していますので、なんでも気軽にご相談ください。また、便秘やおねしょの相談を受けつける外来も開設していますし、月・火・木・金曜の15時から16時の間には乳児の健診や予防接種のための時間も設けています。さらに、私が小児外科専門医として積み上げてきた経験を生かして手術治療を要する疾患の診療や相談も積極的に受けつけています。院内で手術をすることはできませんが、適切な診断のもと適切な施設への紹介や連携は可能ですし、術前術後のケアについても関わっていきたいと思っています。必要に応じて小児の在宅医療やオンライン診療にも対応していますので、気軽にご相談ください。
「こどもにも家族にもやさしいクリニック」をめざす
子どもに関することはなんでも相談できるのですね。

私が小さい頃お世話になった、急な発熱やけがを快く診てくれた開業医の先生に憧れたのが、私が医師を志すことになったきっかけ。ですから、私自身もなんでも相談してもらえる医師になりたいと考えています。また、子どもが体調を崩せば、看病している家族も体調を崩しがちになるもの。当院はファミリークリニックですから、そんなときはお父さんお母さんも一緒に受診していただけます。もちろん、お子さんの受診がなくても大丈夫ですよ。最近では一週間の大半を二診制で行っています。内科や救急を専門とする医師が診療にあたりますので、風邪だけでなく、生活習慣病などの慢性疾患もご相談をいただけます。診察中には、院内の保育士がお子さんを見守りますので安心してご自身の不調も相談してください。
親子で受診できれば、いろんな意味で安心です。
子育て中に受診するのって本当に大変ですよね。特に子どもが小さいうちは、ついつい自分のことは後回しになってしまうものだと思います。しかし、家族みんなの幸せのためには、家族みんなが元気であることが大切だと思います。私たちは子どもの健康をサポートするだけではなく、同時に子育てを頑張る大人たちのこともサポートしていきたいと思っています。そのために保育士や助産師とも連携して、お父さんお母さんが自分の健康のための時間を確保できるようにサポートしたり、授乳や育児に関する相談に乗ったりと、あらゆる角度からご家族の皆さんと関わっていけるようにいろいろと考えています。「今困っていること」「今悩んでいること」があれば、ぜひお聞かせください。
小児の在宅医療についての想いもお聞かせください。

小児の在宅医療では、日常的に医療的ケアが必要なお子さんのもとへ足を運んでいます。小児外科医として、手術を通して患者さんやご家族と関わる中で、地域や自宅でのケアにもっと関わっていく必要があると感じ、在宅医療を始めました。多くの手術をしてきた小児外科専門医だからこそ、小児の在宅医療で貢献できることがあると感じています。おうちで過ごすためのかかりつけ医として、ご家族の負担を少しでも軽減できればと思っています。些細なことでもまずはご相談ください。
枠組みにとらわれず地域のためになる挑戦を
地域とともに歩むクリニックのかたちとは?

この辺りはなんでもある都心部からは少し離れています。だからこそ、クリニックに求められるものは大きく、その分チャレンジできることも多いと思います。クリニックをつくる時、「こどもにも家族にもやさしいクリニック」でありたいと考えました。安心してかかれるような感染対策や処置室の設計、予約会計システムやウェブ問診、オンライン診療などITツールを用いた効率化。どちらも患者さんの負担を軽減する「優しい」取り組みです。そういった発想から「保育士がいるキッズスペースがあれば大人もリラックスできるよね」「待合室をイベントにも使おう」と広がっていき、人との出会いでまた新しいアイデアが生まれていく。アイデアはまた次の誰かの笑顔になります。より良い医療を提供しながら、地域の皆さんと過ごせる場所をめざします。
クリニックという枠組みを飛び出しそうですね。
せっかく場所があるわけですから、地域の皆さんがつながる場所、活躍する場所としても活用していきたいなと考えています。現在はお昼休みに絵本の読み聞かせ、離乳食教室やアロマ教室、ベビーマッサージなど、どなたでも気軽に参加できるイベントを開催しているほか、キッチンカーがクリニック前にやってくる日もあります。クリニックってどうしても行きたくない場所の一つになってしまうのかもしれませんが、健康な暮らしをするために欠かせない場所。だからこそ子どもたちにとっても、連れてくる大人にとっても楽しい場所になればすてきですよね。夏祭りやクリスマス会も開催し、想像以上の方に集まっていただけました。皆さんと一緒に楽しめることがないか、ずっと考えています。
最後に、今後の展望や地域の皆さんへのメッセージをお願いします。

クリニックの雰囲気がわかれば、いざという時にも安心だと思いますので、まずはイベントの機会にでも気軽に来ていただければと思います。来院が難しい方にはオンライン診療や在宅医療で対応しますので、こちらも気軽に相談してください。また今後は病児保育の開設など、地域の子育てをサポートするための取り組みにますます注力していきます。コメディカルとの連携はもちろん、さまざまな職種の方々とつながりながら、地域をもっと元気に楽しくしていきたい。安心して遊べる公園も作りたいし、マルシェなんかもやってみたい。いつかは卒業する小児科ではなく、ファミリークリニックとして、たくさんの家族とともにたくさんの時を過ごしていけたらと願います。どうぞ末永くよろしくお願いします。