続く手指や関節の腫れや痛み
もしかすると関節リウマチかも?
しまづ内科クリニック
(堺市堺区/堺駅)
最終更新日:2025/05/12


- 保険診療
朝起きた時の手指のこわばりや関節の痛みや腫れなどを引き起こす関節リウマチ。「日常的な症状だと思い放置していると、症状が悪化して関節が変形したり、日常生活へ多大な影響を及ぼしたりすることがあるので、早期の専門機関へ受診することが大切です」と話すのは、大阪府堺市にある「しまづ内科クリニック」の嶋津秀紀院長。嶋津院長は、日本リウマチ学会リウマチ専門医でもあり、これまでリウマチの専門家として多くの患者の治療に携わってきた。今回、関節リウマチとはどのような病気なのか、治療の進め方、気になる治療の副作用などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年12月23日)
目次
手指のこわばりや関節の腫れ・痛み。少しでも体調の変化に気づいたら、リウマチ専門医に相談を
- Q関節リウマチとは、どのような病気でしょうか?
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A
▲専門的な知識と経験で対応をする
自己免疫疾患である膠原病の中の一つが、関節リウマチです。臓器の合併症がゼロというわけではありませんが、主に、関節を構成する骨周囲の滑膜に炎症が起き、指、足、肘、膝などの「関節」に痛みが出るのが特徴です。40代の女性に多く見られたり、家族にリウマチになった人がいる場合は発症しやすかったりする傾向にありますが、その理由はよくわかっていません。また同じく膠原病の一つに、全身性エリテマトーデス(SLE) があります。これは白血球の減少など血球への影響や、全身のさまざまな臓器の症状が見られる疾患です。加えてシェーグレン症候群は、主に涙腺や唾液線に影響を及ぼし、目や口が乾く症状が現れます。
- Q関節リウマチが疑われる症状と受診の基準を教えてください。
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A
▲寛解の状態を維持するためには早期に治療を始めることが大切
疑われる症状の一つとしては手指の「こわばり」ですね。特に起床時に手指が動かしにくいと自覚される人が多いです。他には、手首、肘、肩、膝、足首などの関節に痛みや腫れが見られるケースも多いです。気になる症状が出て、しばらくしても治まらなければぜひ医療機関を受診していただけたらと思います。関節リウマチを放置しておくと、骨の破壊や関節の変形が徐々に進行し、関節機能が悪化することにより、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。またリウマチのタイプによっては、発症から最初の2年間で急速に進行してしまうものもあります。できる限り早めに治療を始めて、疾患の進行を緩やかにしていくことが必要です。
- Qどのように治療を進めていくのでしょうか?
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A
▲寛解をめざし、患者一人ひとりに合わせた治療法を提案
一般的には飲み薬から治療を始めることが多いですね。近年では新薬が次々と登場し、幅広い治療の選択肢があります。症状や患者さんに合わせて薬を増やしたり、病気の勢いに応じて強くしたりしながら治療していきます。場合によっては点滴や注射を組み合わせて治療していくことも。関節リウマチは根治が難しい病気ですので、治療の基本は継続すること。病気の勢いに応じて薬の量は調節可能ですが、自己判断で中断や減量すると悪化などしてしまうことがあるので、必ず医師の判断をあおぎましょう。
- Q薬の副作用を心配している人も多いようです。
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A
▲各種検査機器を導入し、診察に役立てる
新しい薬剤がでており、より有用性が見込めるようになりましたが、副作用には注意が必要です。使用する薬剤によっては、肺障害や血球の減少などの副作用がまれに見られます。薬を服用することで細菌や真菌などの感染症にかかりやすくなる場合も。また、もともと結核やB型肝炎に罹患したことのある方は、体内に潜んでいる結核菌やB型肝炎ウイルスが再活性化してしまうこともあり薬物を使用する際に注意が必要です。当院では治療を行う前に必ず検査し、定期的に血液検査と胸部エックス線検査を行い、肝機能、腎機能、肺合併症などをチェックします。薬を服用して変わったことがないかなどその都度患者さんへ確認しながら、治療を進めていきます。
- Qこちらのクリニックのリウマチ診療の特徴は?
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A
▲適切な治療を行うことで健康的な人と同じ社会生活をめざせる
診断は基本的に問診、関節症の診察、血液検査、エックス線検査などをもとに行います。まず問診は、できる限り話をじっくりと聞き、体調の変化や痛みといったサインを拾い上げます。そして必要に応じて、関節超音波検査装置も用い、関節の腫れや炎症の有無や程度を確認します。また迅速血液検査を導入しているため、肝機能、腎機能などの結果はその日のうちに報告しています。その他注意すべき合併症の一つに骨粗しょう症があるため、当院ではDEXA法による骨密度検査装置を用いて、定期的な骨密度検査を行っています。関節リウマチの治療は継続が大事です。薬の効果を実感させるお声がけをして、治療の継続につなげていきたいと思います。