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嶋津 秀紀 院長の独自取材記事

しまづ内科クリニック

(堺市堺区/堺駅)

最終更新日:2024/11/01

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック main

南海本線・堺駅からすぐの場所にある「しまづ内科クリニック」。大学病院や基幹病院で膠原病やリウマチ性疾患の診療に携わってきた嶋津秀紀院長が、「敷居の高くない、専門性のあるクリニックを」との想いで開業した。「膠原病やリウマチ性疾患は、長く付き合っていかなければならない病気。だからこそ、相談しやすさが重要です」と熱く語る嶋津院長に、開業の経緯や診療への想いを聞いた。

(取材日2024年9月24日)

「敷居の高くない専門性のあるクリニックを」と開業

先生のこれまでの経歴と、膠原病を専門に選んだ理由を教えてください。

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック1

もともと全身を診る科目に関心があり、奈良県立医科大学附属病院の整形外科からキャリアをスタートしました。整形外科を選んだ理由は、全身の骨を診たり、手術をしたりするのが面白そうだと思ったからです。でも、血液や腎臓、膠原病といった全身に関わる内科にも興味がありました。そこで、血液と腎臓、膠原病の3つを専門的に診ることのできる近畿大学病院血液腎臓膠原病内科に移りました。それぞれの分野を専門とする医師が患者さんの全身を診ている姿を目の当たりにし、「自分もこんな診療がしたい」と想いが膨らみましたね。膠原病に専門を絞ったのは、大学院へ進学する頃です。整形外科でも診療するリウマチ性疾患と関係があり、より特定の臓器がなく、診る範囲が広いことから膠原病を選びました。その後は富田林病院や近畿大学医学部堺病院、みどりヶ丘病院で、膠原病やリウマチ性疾患、痛風を中心とした内科の診療に従事してきました。

ご開業までの経緯を教えてください。

昔からぼんやりと、「いずれは開業できたらな」と思っていましたね。さまざまな病院で患者さんと接していく中で、病院ほど敷居は高くないけれど専門性のあるクリニックをつくりたいという想いがだんだんと強くなり、開業を決めました。堺市に開業したのは、この辺りには内科の先生が少ないと耳にしたからです。もともと近隣の病院に勤めていたこともあり、堺市は私にとってなじみのある土地。患者さんが通いやすい堺駅の近くということもあり、この場所に決めました。

どのような患者さんが通われていますか?

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック2

この辺りは住宅や工場が多いので、やはり近隣にお住まいの方が多いですね。10代後半から90代まで、幅広い年齢層の方が通院されています。主訴としては、関節の違和感があってリウマチ性疾患を疑って来られる方や、もともとリウマチ性疾患などで遠方の病院に通っておられた方が中心です。風邪の症状や体調不良で受診される方もいらっしゃいます。

専門性を生かして膠原病やリウマチ性疾患を診療

膠原病やリウマチ性疾患とは、どのような病気なのでしょうか。

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック3

膠原病は免疫疾患の総称で、その中の一つにリウマチ性疾患があります。リウマチ性疾患は、関節が痛くなったり腫れたりすることが多く、進行すると骨の変形といった症状も出てくる病気です。中には肺が悪くなったり、内臓の合併症が出てきたりと、ほかの免疫疾患を併発することもあります。ある程度進行してしまうと骨の変形が強くなり、元に戻らなくなってしまうため、早期発見・早期治療が非常に大切です。以前は診断までに時間がかかり、病気が進行して骨の変形が始まってしまった人も多かったのですが、最近は早期に診断できるようになってきました。病気の勢いを抑えるための薬もあり、進行を緩やかにすることも期待できるようになりましたが、薬が強くなればなるほど副作用も出てきます。最低限の薬で病気をコントロールできるよう、早い段階で治療を始めるほうが良いですね。

膠原病やリウマチ性疾患の治療について教えてください。

症状にもよりますが、飲み薬から治療を始めることが多いですね。症状や患者さんに合わせて飲み薬を強くしていったり、点滴をしたり、注射をしたりして治療していきます。骨が変形した場合は手術をすることもありますが、今は骨が変形する前に薬で病気の勢いを抑えることをめざす治療が主流となっているので、手術が必要な人は以前と比べて少なくなっていますね。治療中は副反応が出やすくなりますが、薬を服用して変わったことはないかなど、その都度患者さんへ確認しながら進めていきます。薬自体が体に合わないこともありますし、薬を服用したことでほかの感染症にかかりやすくなる場合もありますから、状況をこまめに確認し、柔軟に対応していくことが大切です。患者さんご自身の自覚症状を確認するとともに、血液検査でも変わったことがないかを確認しながら、薬の調整をしていきます。

早期発見・早期治療が重要とのことですが、診断や治療のための工夫はありますか?

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック4

適切な診断と、状況に合わせた迅速な対応のために、設備は充実させていますね。例えば、関節の腫れや炎症の度合いを調べる超音波検査装置や、骨密度測定装置を導入しています。リウマチ性疾患では骨密度が落ちる方がいらっしゃるんです。血液検査では、肝機能、腎機能、貧血、脂質、血糖値を院内で検査できるようにしていて、結果もその日のうちに報告しています。血液検査は副作用のチェックにおいても重要ですし、副作用などの症状がある患者さんは、すぐに結果がわかったほうが安心ですよね。たとえ副作用などの症状がなかったとしても、血糖値やコレステロールなど、その日に結果がわかれば薬の量をその場で変えられます。通院の頻度にもよりますが、検査当日に結果がわからないと、薬を変えるまでに1ヵ月ほど長い時間が空いてしまう場合もありますから、患者さんの状態に即座に対応できるよう環境を整えています。

長く付き合う病気だからこそ、気軽に相談できるように

診療で心がけていることは何ですか?

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック5

膠原病やリウマチ性疾患を専門に扱うクリニックは、困り事がある患者さんが最初に相談に行く窓口のような存在です。そのため、話しやすいと思ってもらえるように意識し、しっかりと時間を取って診療しています。例えば、早期発見のためには問診でいかに患者さんからお話を伺えるかが鍵となります。「これは関係ないかもしれない」と思うことが、病気に関わる情報の場合もあるからです。また、膠原病やリウマチ性疾患は長く付き合っていく病気でもあります。そのことをきちんと理解して、薬を継続しなければなりません。治ったかのように感じる場合でも、自己判断で薬の服用をやめたりしないことが重要です。適切に薬の服用を続けていくためにも、わからないこと、困っていることがあれば、いつでも相談してほしいと思います。無理のない治療計画を患者さんと一緒に考えていけるよう、気軽に相談できる雰囲気づくり、密なコミュニケーションを心がけています。

長く付き合っていくという点では通院のしやすさも重要になりそうですね。

堺駅からすぐという立地の良さもそうですが、通いやすさには待ち時間の短さも重要ですよね。当院では、スムーズな診療のためにウェブ予約システムを活用し、ウェブ問診にも対応しています。もちろん、当日お越しいただいて問診票を記入いただくこともできますが、予約時のほうが比較的落ち着いて考えながら入力できるため、言いたいことや聞きたいことの書き忘れ防止にもなっていると思います。また、一般内科では、発熱した方のために隔離室を用意しています。診察まで一貫して行えるよう、広々としたスペースを確保しているのが特徴です。そして、関節を診るという点では、痛風の治療にも力を入れています。痛風もリウマチ性疾患も関節の痛みの原因の一つですし、当院では尿酸値も調べることができます。リウマチ性疾患かどうかにかかわらず、関節の痛みでお困りの方にはお気軽にご相談いただきたいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

嶋津秀紀院長 しまづ内科クリニック6

膠原病やリウマチ性疾患、痛風に関しては、近隣の方だけでなく遠方からも通っていただける専門性のあるクリニックにしていきたいです。関節の痛みやこわばり、筋肉痛、寒冷刺激で指の色が変わる、髪の毛が抜けやすい、皮疹ができるなどの症状がある方は、一度受診をお勧めします。膠原病やリウマチ性疾患は、病気の勢いが悪くなったり落ち着いたりすることはありますが、その都度薬の調整をしながら、日常生活に不自由のない状態をめざします。なるべく無理なく、長く付き合っていけるよう、些細なことでもご相談ください。当院では一般内科も診療していますので、地域の方々の日々の健康のお悩みに寄り添えるクリニックに育てていきたいと思っています。生活習慣病をはじめ、内科でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にお越しください。

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