検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

Qどのような場合に、内視鏡検査を受けると良いのでしょうか？

A

胃のバリウム検査やピロリ菌検査、あるいは便潜血検査など、消化器に関する検査で要再検査となった場合には、内視鏡検査を検討しましょう。名古屋市ではワンコインがん検診があり、消化器関連の検査も受けられるため、当院でもこの検診の結果を踏まえて内視鏡検査に進むというケースは多いです。ほかにも胸焼けなどの自覚症状や、便が黒っぽい「黒色便」がある場合は、胃や十二指腸での出血が考えられます。大腸の症状だと、便秘や下痢が続く場合には、がんなどの悪性疾患や慢性的な腸疾患も考えられます。これらのような、消化器に関する症状があり、薬を服用しても改善しない場合、原因を明らかにする手段として内視鏡検査は有用だと思います。

Q検査は苦しい、痛いと聞きますが、実際はどうなのでしょう。

A

若い方だと嘔吐反射が強く、胃の内視鏡検査が苦しくてつらいと感じる人は少なくありません。大腸の内視鏡検査も、空気を入れてひだを伸ばして観察するので、苦しさや痛みを感じる場合があります。テクニックによって検査時間を短くしたり、ひだを伸ばす空気に体内に吸収されやすい二酸化炭素を用いたりといった工夫を凝らすのはもちろん、当院では鎮静剤を用いての内視鏡検査に対応しています。眠ったような状態で検査を受けられるので、過去に苦しい思いをした人も安心かと思います。なお、鎮静剤を用いる場合、検査当日は自動車や自転車の運転がNGとなります。受診の際は公共交通機関を利用いただくか、送迎を手配するようお願いしています。

Q胃と大腸の内視鏡検査は同じ日に受けることができますか？

A

ご希望があれば、柔軟に対応しています。仕事や家事に忙しい人にとって、1日で検査が完結するのは大きなメリットかと思います。ただ、特に大腸内視鏡検査を行うにはある程度まとまった時間が必要なため、当院では午前の外来診療が終わった時間から行うことになります。また、鎮静剤を用いる場合、覚醒するまでに時間を要することもあり、運転が制限されるので、検査後に仕事などの予定を入れるのは避けるのが望ましいでしょう。胃と大腸の内視鏡検査を同日で、鎮静剤を用いて受ける場合、受付時間は12時30分頃で、13時30分から14時頃にはお帰りいただけるかと思います。

検診・治療START！ステップで紹介します

1事前診察を受け、検査の流れや注意点の説明を聞く

事前診察では、健康診断の結果や、日常生活で感じる胃腸の不調など、内視鏡検査を受けようと思ったきっかけ、同日での検査実施を希望している旨を医師に伝える。きっかけを踏まえて医師が内視鏡検査の必要性を判断したら、検査の日程を決定。看護師から、前日の過ごし方や事前に服用する下剤の扱い方の注意点、検査当日の受付時間や検査終了までの流れなどについて説明を聞き、事前に服用する下剤を受け取る。

2事前説明に従って準備を行い、検査当日を迎える

強い便秘がある場合は1週間程度前から薬を服用し、便通を整える。前日夜は21時頃までに食事を済ませる。食事では、キノコ類やこんにゃく、海藻といった消化に時間のかかる食べ物は控える。食事を済ませたら下剤を服用して就寝。当日朝は下剤を服用し腸内を洗浄する。同院ではジュースに近い味わいで飲みやすく、量を抑えた下剤を採用している。前処置を済ませてから予約時間に受診し、受付を済ませて検査着に着替え検査を待つ。

3内視鏡検査を受ける

検査室に移動し、検査用ベッドに横たわる。鎮静剤を用いる場合は処置を受け、うとうととした状態になってから検査がスタート。胃と大腸、どちらから行うかはケースバイケースで、検査時間は胃で5〜10分程度、大腸で一般的に30分程度、短い場合は15分程度、ポリープ切除などの処置を行う場合は1時間程度を要する。1つ目の検査を終えて次の検査に移る際にはベッドの上で体勢を変える必要があり、看護師が適宜介助する。

4検査を終えたら休息を取る

検査を終えたら、検査着から着替える。鎮静剤を用いると覚醒までに時間を要するため、必要に応じて目覚めさせるための薬剤を用いる。十分に回復するまで休息を取る。

5検査結果の説明を受ける

検査結果の説明を受ける。ポリープなど病変を採取した場合には、患部から出血する可能性があるため、当日中の生活での注意点の説明を受ける。病変を採取した場合、病変部の精密検査の結果が出る約2週間後を目安に再受診し、結果の説明を聞く。