宮内 賢 院長の独自取材記事
越谷Kこころのクリニック
(越谷市/新越谷駅)
最終更新日:2024/09/13
新越谷駅西口のロータリーに面した医療モールビルの5階にある「越谷Kこころのクリニック」は、都心で診療を行っていた宮内賢院長が、郊外でのニーズに応えるべく2024年9月開院の心療内科・精神科クリニックだ。来院しやすさと患者の居心地の良さを重視した院内には、優しいBGMが流れ、心安らぐアロマとともにリラックスさせてくれる。スタッフは互いに気を配り感謝の気持ちを持つことを大切にしており、「患者さまは数ある中から当院を選んでくださるのですから」とホスピタリティーを第一に心がけるという。思いやりをもって患者に寄り添うことを重視する宮内院長に話を聞いた。
(取材日2024年8月8日)
気軽に受診できるクリニックをめざして
ご開業への思いをお聞かせください。
病気は何でもそうですが、早期発見・早期治療が鍵。精神的な不調や疾患は特にそうで、早い時期に適切な医療にアクセスできると、早期回復が見込め患者さまのためにも良いと思います。ですから患者さまがハードルなく来院できることを何よりもかなえたかったのです。また、私はこれまで新宿で診療していたのですが、埼玉や神奈川などから時間をかけて通院してくださる患者さまも多くいらっしゃいました。話を伺うと地元の心療内科や精神科はどこも患者が多く、初診を受けつけてもらえなかったり、初診まで長く待たされてしまうこともあるとのこと。ならば都心を離れた郊外で開業し、少しでもお役に立とうと思ったのです。私の開業を患者さまにお伝えすると、遠いけれど頑張って通います、とおっしゃってくださる方もいて、申し訳ないと感じる一方で信頼の証と思うと素直にうれしいです。
利便性が高く通いやすい場所ですね。
ここはJR武蔵野線と東武伊勢崎線が交差する人の行き来が多い場所で、学生さん、お勤めの方、地元の方も通いやすいエリアで、当クリニックは駅前のロータリーに面したわかりやすい場所にあります。しかも医療モールビルの5階にありますので、内科や整形外科など他の診療科のクリニックと並行して通うこともしやすいでしょう。また院内は少しでも患者さまが心地良く過ごせるよう、おしゃれなカフェのようなウッディでナチュラルな内装にし、BGMやアロマにもこだわり、五感で心地良さを感じていただけるようにしています。とにかく入りやすく通いやすい、そんなクリニックをめざしています。風邪をひいた時に内科を受診するように、ちょっと気持ちが落ち込んだら心療内科や精神科を受診してほしいと思います。
どのような医療をめざしておられますか?
治療がメインですが、治療後の再発予防を意識した予防医療や就労支援など、一貫して長く関わらせていただきたいと思っています。診療の流れとしては、まずはお話を伺うところからスタート。薬が必要な場合はお出ししますが、できる限り薬は少ないほうが良く、いわばつなぎのようなものと考えていて、心理カウンセリングなどを充実させています。重視している予防的な観点からは、再発することのないようよくお話を伺って対応します。当クリニックには公認心理師や精神保健福祉士や保健師といった資格を持つスタッフがそろっているので、お勤めの方の勤務先での過ごし方などもアドバイスできるかと思います。働きながら治療を続けている方、やむを得ず休職中の方、一人で不安を抱えて疲れてしまった方など、患者さまはさまざまな背景をお持ちです。お一人お一人に親身に寄り添い適切な医療をお届けしたいですね。
患者の生活に寄り添う医療
どういったときに来院すればよいのでしょうか?
ストレスがたまっていたけど人と話したらすっきりしたという経験は誰しもあるでしょう。でも内容によっては、友人や家族など誰にも話せないことも多いはず。病気かどうかというよりも、ちょっとした気分の落ち込みでも、人に話すことで落ち着くことは多いと思うので、ぜひお話を聞かせていただければと思います。ペットを失って気分が落ち込んでしまった、仕事でトラブルがあってからどうも気力が出ない、ストレスがたまって朝起きるのがつらくなった、忙しすぎてストレス発散ができないなど、いつもの自分のパフォーマンスが発揮できないようなら、ぜひ受診していただきたいですね。薬に頼りきらず、根本的な原因に向き合うことを重視したアプローチで、来院する前と比べて少しでも良い状態になってお帰りいただけるよう全力でサポートさせていただきますので、気軽にお越しください。
生活面でのアドバイスもしていただけるそうですね。
お話ししていただくことで少し気持ちに余裕が出てきたら、生活や環境を整えることも重要です。ストレスがたまりにくい生き方、ストレスがたまってもうまく発散できるような生活の仕方、環境の整え方、そんなところを一緒に考えさせていただきたいと思っています。患者さまごとにその方法は違いますから、より良い方法を一緒に話し合って、一緒に相談して、一緒に決めていきたいと思います。治療の難しいところは、人によって同じ薬で同じ結果が得られるわけではないというところ。ですから薬はあくまでもつなぎの役割であって、生活改善や環境整備が大切だと考えています。これは治療とともに再発予防にもつながります。
栄養に関するアドバイスも行う予定だとか。
心の持ちようって、ホルモンバランスに影響される部分もあるんですよ。例えば幸せホルモンと呼ばれるセロトニンなどが減るとメンタルの症状が出やすいのです。セロトニンなどのホルモン物質はタンパク質でできていて、ビタミンBや鉄分の影響を受けています。ですから栄養が偏ったり不足すると、精神へも影響が出てきたりするのです。ですから、栄養に関するアドバイスにも力を入れたいと考えています。必要に応じてサプリメントの摂取もお勧めします。精神的に弱ると食事が取りにくい場合もありますが、栄養は人間の基本ですから。
対話で人を癒やすことが望める診療分野に感銘を受ける
医師をめざされたのはどうしてですか?
きっかけはある医師が主人公の漫画です。そこから外科の医師に憧れて医学部に進学して、最初は形成外科に進みました。外科的なことは好きでしたが、勤務しているうちに入院などをしている患者さんがメンタルの不調を起こした際、対話などによって心を癒やすことが望める心療内科・精神科に興味が湧いたんです。実際にそちらに飛び込んでみると、自分は人と話すことが好きだと改めて認識しました。心療内科や精神科は「人と話をする科」だと思いますし、自分の天職なのではと感じるようになり、それをきっかけに心療内科・精神科について学び直しました。すると、薬に頼らなくても対話で人の心を癒やすことも望めると気づき、感銘を受けたんです。
心療内科・精神科の医師のどういったところにやりがいを感じておられますか?
心療内科や精神科は、治療後も再発防止やより良い生活の仕方のアドバイスなど長いお付き合いができる診療科だと考えていて、そういったところも魅力に思っています。例えば内科や整形外科などは、慢性疾患は別として症状が治まれば患者さまは来院しなくなるのが通常でしょう。でも心療内科や精神科では、治療としては一旦終わっても、月に1回など定期的に患者さまがお顔を見せに来てくださることが多い診療科だと思うので、ご様子を聞かせてくだされば、さらにより良い生活を送るためのアドバイスもできますし、一貫して患者さまと関わりサポートすることができます。郊外であればなおさら、そうした私なりの理想の医療が実現できると考えています。
読者へのメッセージをお願いします。
今の時代、ストレスと無縁ではいられないでしょう。ですから上手に発散することが大切ですし、自分の環境や栄養状態を整えることも重要です。でもご自分一人では、なかなかうまく対処できないことも多いと思います。そんな時に、治療というほどではなくても、ちょっとクリニックを受診してみようという気持ちでご相談ください。そして患者さまにはぜひ受診したことを隠さず、周囲にお話ししていただきたいのです。初めて訪れるクリニックは誰しも多少は不安があるもの。そんな時周りの誰かから、あそこのクリニック良かったよ、という話を聞くと安心して来院できるのではないでしょうか。内科など他の診療科ではよくクチコミで来院されることがあると思います。心療内科・精神科も同じようなスタンスで来院できると良いと思います。ちょっと落ち込んだ時、ちょっと外に出るのがつらい時、心が疲れたら、いつでも気軽にお越しください。