仲野 裕一郎 院長の独自取材記事
相模原なかの眼科
(相模原市緑区/南橋本駅)
最終更新日:2026/10/02
橋本駅からバスの走る相模原市緑区の住宅地に「相模原なかの眼科」はある。院長の仲野裕一郎先生は日本医科大学眼科学教室で研鑽を積み、難治性白内障や網膜硝子体手術まで幅広く手がける眼科の医師だ。「勤務医時代に通院手段のない患者を前に何もできずもどかしかった」というその言葉どおり、あえて交通アクセスが限られるこの場所を選んで2024年に開業した。自宅まで迎えに行く無料送迎やクリニック内で完結する院内処方など、患者目線の仕組みづくりにも余念がない。院内には高度な機器がそろい、手術の質へのこだわりが伝わる。穏やかな語り口の奥に患者への強い思いをにじませる仲野院長に話を聞いた。
(取材日2026年8月19日)
困っている人が通いやすいクリニックを
先生が眼科の道を歩まれた経緯を教えてください。

父が歯科医師だったこともあり、手技的な関与がある診療科には自然と惹かれていました。子どもの頃から図工や美術が好きで、細かい作業が楽しかったんです。研修医としてさまざまな科を回る中で、眼科手術の奥深さと魅力に強く惹かれました。手術を終えた患者さんが笑顔で帰っていく姿を目の当たりにして、この分野で力を発揮したいと思ったのが決め手です。見え方は生活に直結しますから、その方の人生が変わるような手術や診療ができることに大きなやりがいを感じています。帝京大学卒業後は日本医科大学の眼科学教室に入局し、多摩永山病院で医局長や講師を務めながら手術の経験を重ねてきました。今も週に1度、長野県松本市まで出張手術に出向ていますし、大学病院でも、後輩の手術指導や緊急手術対応などの勤務は継続しています。
開業にあたって、こちらを選ばれた理由をお聞かせください。
勤務医時代、移動手段がなくて手術を受けたくても受けられない患者さんを何人も見てきました。大きな病院に行きたいけれど、バスも少なく電車の便も悪い。そんな方に「頑張って来てください」としか言えない自分がもどかしかったんです。その経験を踏まえ、自分のクリニックを開こうと考えた時に、眼科が少なくて困っている地域でこそ自分が力になれるのではないかと思いました。駅前ではなく、あえて交通の便が限られた場所を選んで開業したのはそのためです。こちらからお迎えに伺う仕組みも、構想の段階から温めていたことでした。困っている方が通いやすいクリニックをつくりたい。それが一番の出発点です。
患者さんの通いやすさのために、取り組まれていることはありますか?

開業と同時に、患者さんの無料送迎を始めました。橋本駅・南橋本駅・上溝駅の3つの駅のほかに、ご自宅まで直接伺うこともできます。バスが少ない地域ですし、免許を返納された方や車をお持ちでない方にとっては通院そのものが大きなハードルになります。当初は車1台、ドライバー1人の体制でしたが、ご利用の要望が非常に多く、現在は車3台、ドライバー3人まで増やしました。次回の診察予約を取る際に送迎の予約も一緒にお取りしますので、再診の方はよりスムーズにご利用いただけます。通院の足がないことで治療を諦めてしまわないよう、今後もこの送迎の体制はさらに充実させていきたいと考えています。専用駐車場も備えておりますので、お車でのご来院も可能です。
手術の結果にこだわり、院内で完結する医療
特に力を入れている治療について教えてください。

一番力を入れているのは手術です。見え方はその方の日常に大きく関わりますから、手術を通じて患者さんにより良い結果を届けることを何よりも大切にしています。白内障をはじめ、網膜硝子体やまぶた・緑内障・涙道・眼内コンタクトレンズ等の手術にも対応し、幅広い症例を受け入れられる体制を整えています。白内障手術では特に術後の裸眼視力にこだわり、保険診療の範囲内で乱視用や多焦点の眼内レンズを積極的に採用しています。患者さんの金銭的な負担をなるべく抑えながら、より良い見え方をめざす方針です。レンズ選択の精度を高めるため、新たに設備も導入しました。ただ、眼鏡のない生活が絶対に正しいわけではありませんので、その方にとってより過ごしやすい状態をめざすのが基本です。
お薬の処方で工夫されていることはありますか?
当院では院内処方を取り入れています。もともと自分が医療機関を受診した際、処方箋をもらって薬局に行き、また待たされる流れがつらいなと感じていました。何か疑問があると薬局から医師に問い合わせが入り、さらに時間がかかることもあります。それを自分のクリニックでは解消したかったんです。院内処方であれば、スタッフがその場でお薬の使い方を丁寧に説明できますし、次回のご来院時に正しく使えているかの確認まで一貫して行えます。追加の説明が必要な時も私から直接お話しできるので、患者さんがクリニックを出る前にすべて完結します。調剤にかかる費用も抑えられるため、経済的な面でもお役に立てます。スタッフもどの薬がどの場面で使われるかを日々実感でき、チーム全体の知識向上にもつながっています。
患者さんとの接し方で意識されていることを教えてください。

心がけているのは、患者さんが困っていることを自然に話せる雰囲気をつくることです。威圧的にならないよう話しやすい言葉を選び、安心して伝えられる状況を整えています。小さなお子さんの場合は、最初から診察モードに入らず、ぬいぐるみなどを使いながらその子の様子を見て、お子さん自身の口からなるべく言葉を聞けるよう工夫しています。怖い思いをせずに帰れるようにすることも大切です。一方で、いくら丁寧にお話ししても、正しい医療がなければ本当の信頼関係にはつながりにくいと思っています。その方の背景を理解しながらも、診療の軸はぶらさず、わかりやすく正確にお伝えすることを最優先にしています。待合室の状況にも気を配りながら、限られた時間の中で一人ひとりに最善を尽くすよう努めています。
地域の人が困る時間を、1日でも短くしたい
先生お一人ではなく、複数の医師で診療にあたられているのはなぜですか?

自分一人の力には必ず限界があります。専門の先生にすぐ相談できる体制があれば、患者さんが遠方の病院に足を運ばなくても済みます。そうした考えから、月曜から水曜は常勤医師2人による二診体制を敷いています。さらに、緑内障専門の外来には非常勤の医師が1人から2人、まぶた・涙道・斜視弱視といった分野を専門とする医師にも来ていただいています。また、見えにくさで日常生活に支障を抱える方を支援するロービジョンの外来も準備中です。医師だけでなくスタッフとも情報共有を行い、一人の判断に頼らず複数の目で患者さんを支えられる体制を大切にしています。それが当院の大きな強みだと思います。土曜日も診療していますので、平日の受診が難しい方やお子さんにも対応しやすい体制です。不定期ですが土曜に手術を行い、翌日曜に私が術後の診察をすることもできます。
今後、力を入れていきたいことを教えてください。
今後特に力を入れたいのは、手術までの待機期間をできるだけ短くすることです。手術の件数が増えている中で、待機期間が長くなるとその間ずっと目の不調を抱えたまま日常生活を送ることになります。当院は複数の医師がいるため、外来診療を続けながら手術の日程を多く確保できるのが強みです。白内障手術は一般的に1件あたり15分ほどかかるといわれていますが、できるだけ患者さんの負担を減らせるよう、より短時間で正確かつスムーズな手術を心がけています。こうした対応力を生かして手術日数と件数を確保し、地域の方が長い間困った状態のまま待たずに済む環境を整えていきたいと思っています。併せて送迎車やドライバーの増員も進め、通院のしやすさも改善していく予定です。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

当院では、手術だけでなく日頃から目のことで何かお困りであれば患者さん一人ひとりの目の状態に合わせて、これまで積み重ねてきた経験を生かし、医学的根拠に基づいた適切な医療を幅広くご提供できる体制が整っております。症状の改善をめざして快適な毎日を取り戻していただくことが私たちの一番の願いです。また、目の治療をきっかけに、ご自身のお顔周りの印象が気になり始める方もいらっしゃいます。そうした方に向けて美容の相談にも対応し、見え方だけでなく、日々の暮らしがより豊かになるようなご提案をしています。これからも、目のことで困っている方が一日でも早く快適な生活を送れるよう、スタッフとともに力を尽くしてまいります。

