桃園 宏之 院長の独自取材記事
【2024年10月開院予定】ももぞの泌尿器科クリニック
(大阪市西区/阿波座駅)
最終更新日:2024/07/25
【2024年10月開院予定】※開院前の情報につき、掲載情報が変更になる場合があります。
大阪・西区の阿波座駅から歩いて3分にある複合商業施設2階のメディカルフロアにおいて、2024年10月に開院を予定しているのが「ももぞの泌尿器科クリニック」だ。院長を務める桃園宏之先生は、大学病院や中核病院で豊富な臨床経験を積んだ医学博士。手術や研究などで培った知見を生まれ育った大阪の街で生かそうと、病院と変わらぬ高レベルな泌尿器科診療をコンセプトに掲げて新たなステージへとかじを切った。クリニックの特徴や目標、桃園院長のこれまでの歩みから、患者や地域に寄せる思いまで、開院準備に追われる多忙な間隙を縫ってじっくり聞いてみた。
(取材日2024年7月10日)
大病院と遜色ない高レベルの泌尿器科診療をめざす
2024年10月のご開院予定。まずは新規開院の動機をお聞かせください。
私はこれまで、さまざまな地域の拠点病院で15年以上診療に携わってきました。その間、手術を含む急性期治療が中心で、患者さんのお話をじっくり聞くことに限界を感じていたのも事実です。これまで手術に割いていた時間を対話にあてられれば、より患者さんに近い関係で診察ができるのではないか。予約や問診から会計までのシステムを一元化すれば、病院を受診するだけで、患者さんにとって1日仕事になっていたその負担を軽減できるのではないか。そのような思いで院内のDX化や動線などを検討してきました。その中で、これまでに培った経験や知識を大いに生かして大病院と比較しても遜色ない診療レベルを追求することが可能であると強く思うようになり、クリニックの開院へ踏み切ることになりました。
大阪・西区を選ばれた理由を教えてください。
私はこの近辺の生まれで、大学生まで地元で暮らしていました。そのため、せっかく自分で開業するなら、やはり地元の大阪でと考えていました。この辺りは学生時代からもよく遊びに訪れ、非常になじみのある大好きな街です。当院は阿波座駅からほど近い複合モールの2階ですが、たまたま近所で開院している後輩から紹介され、理想とする条件に合致していたことがこの地で開院する決め手となりました。西区は住宅街やビジネス街が混在し、カフェやショップなども充実している、老若男女さまざまな方がお住いの住みやすくて活気ある街だと思います。地域との関係は、私の大切なテーマの一つ。施設のすぐ向かいには緑豊かな公園もあり、子どもたちや親子連れ、ご年配の方が思い思いの時間を過ごしておられます。そんな皆さんとクリニックでお会いできることを今から楽しみにしています。
院内のこだわりポイントを教えてください。
まずは小さなお子さんからご年配の方まで、性別問わず誰もが快適に過ごせる空間をめざし、限られた中にも最大限の待合スペースを確保しました。泌尿器科は他の科と比べるとなんとなく受診しづらい印象があるかもしれません。特に若い方や女性などはよりそのように感じる方も多いのではないでしょうか。当院では、そのような方々にも配慮しどなたにもリラックスして過ごしていただけるよう、インテリアはグレーをベースとした落ち着いた中にもぬくもりある雰囲気に仕上げました。実はデザインのアイデアは主に妻が担当してくれました。トイレは多機能のユニバーサルデザインで、車いすのままご利用いただけます。壁向きのカウンターにはコンセントも用意していますので、待ち時間を活用したノートパソコンでの作業も可能です。ビジネスパーソンの方々も、忙しいお仕事の合間の受診にぜひご活用ください。
豊富な専門性や知識、経験を地域に還元したい
先生のこれまでの経歴をお聞かせください。
私が学生時代からめざした泌尿器科は外科系ですが、内科的な知識や経験も必要と考え、内科が充実する兵庫県立尼崎病院にて初期研修。その後は神戸大学泌尿器科に入局しました。尼崎病院では病棟の主治医として診療の基礎を学び、兵庫県立がんセンターでは手術だけでなく、外来も多く経験しました。さらに医師としての幅を広げるべく、神戸大学大学院へ進み前立腺がんや腎臓がんを研究。前立腺がんのホルモン療法に関する論文は、現在も新薬開発の参考にされています。また、大学院在学中は海外の権威的な勉強会で発表をする経験も得られました。その後いくつかの中核病院で医長として先進的ながん治療に携わり、それ以外に尿路結石や前立腺肥大症の低侵襲治療にも注力。また、自宅にすぐに帰ることができない患者さんの主治医なども担当することで福祉分野の方々と協力する重要性も学ぶことができました。
こちらでは、どのような診療が受けられますか?
泌尿器科は腎臓から尿管、膀胱まで、おしっこの通路の臓器を扱う専門家で、男性特有の陰茎や陰嚢、前立腺といった生殖器も扱います。がんに関していえば、前立腺がんは男性の罹患数の第1位となっています。高齢化でますます増加が懸念されますが、早期に発見できれば早期治療にて治癒が望める疾患です。当院でもがん検診には力を入れていく予定です。また、若年層に多い性感染症に対して日本泌尿器科学会泌尿器科専門医として精密な診断、治療が行えます。近年注目されている男性更年期も専門領域で、当院はテストステロン補充療法に保険診療で対応することが可能です。それ以外にも膀胱炎や過活動膀胱、小児の夜尿症など、泌尿器科専門医として適切な診断、丁寧な説明に努めます。
クリニックでは、どのような強みを発揮できるとお考えですか?
病院勤務時代、泌尿器科の治療法も手術と薬物療法の両面でさまざまな進化を遂げてきました。特に私の専門領域であるがんの手術は、従来の開腹手術から腹腔鏡手術へと移行。現在では多くの手術がロボット支援手術で行われています。一方の薬物療法でも新規ホルモン療法や抗がん剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬などが登場し、そのたびに新たなエビデンスが確立されてきました。私は幸いにして大勢の上司や同僚に恵まれ、新しい治療法が出るたびに執刀医、主治医として数多くの研鑽を積むことができました。その経験や知識を、クリニックを受診される皆さんに還元できることが当院の最大の特徴と考えています。
治療で大切なのは、患者の生活レベルまで考えること
診療において、大切にしていることを教えてください。
まずは患者さんの病態を十分に把握して診断、エビデンスがある最適な治療法を提示することが重要です。その際に治療成績だけでなく、QOL(生活の質)まで見据えながら治療方針を立てることも大切なポイントとなります。そのためには患者さんの訴えや考え方をしっかり傾聴し、常に患者さんの立場に立って考える必要があると考えます。また膀胱炎や頻尿などで受診したいのに痛い検査や恥ずかしい検査をされるのではと受診をためらう方が多いようです。当院では腹部超音波検査やエックス線検査、内視鏡検査など、いずれの検査でも大きな痛みを伴うようなものはほぼありません。どうか安心してお任せください。
病診連携にも力を入れていきたいそうですね。
私は泌尿器科専門医の資格を取得しており、特にがん治療においてロボット支援手術、腹腔鏡手術だけでなく薬物療法についても経験が豊富です。泌尿器科での専門性や臨床、研究において多くの経験や知識があり、クリニックでは病院と同レベルの診療をお届けする予定です。大きな病院ではマンパワーがひっ迫し、困っておられる患者さんも少なくはないと思います。そうした方々を対象に、いわば第二の主治医として検査や治療、経過観察などのフォローができればと考えています。その役割を私が担うべく、近隣の大きな病院との連携によって、さらに皆さんのお役に立てるよう励んでいきたいですね。
将来へ向けた展望と、地域の皆さんへメッセージをお願いします。
大阪一の泌尿器科クリニックと呼ばれ、地元の皆さんに信頼され愛されるクリニック。それが当院のめざす目標です。泌尿器科の症状は生活レベルと切っては切れない関係で、夜中にトイレに何度も起きて転倒してしまったり、頻尿のせいで旅行に行けないケースもございます。投薬で改善をめざせる可能性が高いので、年のせいと諦めずに泌尿器科を受診くださればと思います。私がこれまで培ってきた豊富な知識や経験を生かし、地域の皆さんの健康維持に寄与できるよう全力で診療にあたります。スタッフ一同、丁寧かつ思いやりのある診療を重ねていく所存ですので、おしっこや性に関する悩みなど、些細なことでも何なりとご相談いただければ幸いです。