島田 大資 院長の独自取材記事
上社しまだ歯科
(名古屋市名東区/上社駅)
最終更新日:2024/08/08
名古屋市営地下鉄東山線・上社駅から徒歩5分、おしゃれなマンションの地下1階にある「上社しまだ歯科」は、2024年6月開業した歯科医院だ。診療室からは窓越しに中庭のテラスを眺めることができ、スタイリッシュで開放的な空間が広がっている。院長の島田大資先生が注力するのは「歯を残すための治療」。親知らずの移植を手がけるようになったきっかけは「患者さんの要望をかなえたい」という思いから。「遠慮せずに、本音を引き出したい」と語る島田院長の誠実な人柄にふれながら、同院のコンセプトや得意とする「歯を残す」治療について、開業のきっかけとなった子育てのターニングポイントなど、さまざまな角度からたっぷりと聞かせてもらった。
(取材日2024年7月11日)
「この歯科医院に来て良かった」と思える治療・対応を
開業の経緯をお聞かせください。
出身は三重県で鹿児島大学を卒業後、名古屋大学医学部附属病院の歯科口腔外科に勤務したのが名古屋に来たご縁です。そのまま市内の医療法人に入職をして2年間勤務した後、同じ法人で分院長を7年間経験させていただきました。実は歯科医師になったばかりの頃は開業はまったく考えていなかったんです。しかし、分院長として仕事をする中で、本当の意味で自身で全責任を負い、決定し、自分が希望する歯科医療を提供したいという思いが湧いてきました。併せて、私には3人の子どもがいるのですが、それぞれが自立に向かう途中の段階で、子どもたち自身もコミュニティーも築いてきました。小さい頃は親子で過ごす時間も長く、私も家族を最優先にしていました。でも、そういった時間が相対的に今後もっと少なくなっていきますので、私も自分も新たな挑戦をして残りの人生も楽しいものになればと思い、開業に至りました。
診療内容や患者層について教えてください。
あまりターゲット層は絞らず、さまざまな治療に関わっていきたい思いがあります。診療内容は、一般的な虫歯の治療はもちろん、小児歯科や歯根の治療、移植をはじめ、歯周病や入れ歯治療も行っています。保育士による託児サービスもありますので、小さなお子さん連れでも通いやすい環境を整えています。開業してまだ1ヵ月ほどですが、ご年配の方から小さいお子さんまでに来院いただいています。今後、さらに広がりを持ち、さまざまな層の患者さんと出会えることが私としても楽しみですし、地域のお役に立っていけるのではないかと思っています。
こちらのコンセプトは何でしょうか?
コンセプトは、患者さんが帰られる時に「今日この歯科医院に来て良かった」と思っていただけるような対応と治療をすることです。私も含め、当院のスタッフ全員が、そこから逆算した行動を取れるように心がけ日々診療にあたっています。
「歯を残してほしい」その要望に最大限応えるために
こちらならではの治療はありますか?
「移植の治療」ではないでしょうか。例えば奥歯が割れるなど、歯を抜かなければならない時に、親知らずが残っていればそれを抜いた箇所に移植し、ご自分の歯として使う治療法です。このように当院では、一般的に抜歯の対象となるような症例のものも、歯の根の部分の治療に尽力したり移植を適用したりして、「できる限り歯を残す方法がないか」と追求する治療をめざしています。
「歯を残す」ことを診療方針にされているのですね。
それでも残せないこともありますし、加えて保険診療が適用できる場合とできない場合もあります。移植は条件が制限されますので、すべてのケースがうまくいくとは限りません。しかしできるだけインプラントや入れ歯などをしなくて済むような症例は、時間がかかる場合はありますが、さまざまな選択肢を持って対応している点は当院の特色だと思います。
親知らずの移植などは、以前から施術されていたのですか?
そうですね。以前分院長として勤めていた歯科医院では、「インプラントが怖い」「できるだけ抜歯をしたくない」という患者さんが多く来院されていました。そういった患者さんのご要望に応えたいと思い、自分自身で調べ続ける中で、この「歯を残すための治療」にたどり着きました。噛み合わせや歯や骨などの状況による部分もありますが、さまざまな治療の選択肢を持ったことで、他院で「抜くしかない」と言われた歯を残すことにつなげられたのではないかと思っています。
患者さんのお声からだったのですね。普段の診療でも対話を重視されているのでしょうか?
今はインターネットが普及しているので、事前に調べていらっしゃる方もたくさんいます。ある程度患者さんの中で調べてきてくださって、僕に話を聞かなくても「歯を残すのは難しいですよね」とか、「こういう治療法がありますよね」と言われることも増えてきています。 ただ、患者さん一人ひとりにさまざまなバックグラウンドや価値観がありますので、 実際に対話をしてその方にとっての優先順位やご希望など、本音の部分をくみ取る必要があると思っています。その中で自分が持つ治療の引き出しの中から適切なものを選び、その方のニーズをかなえられるよう最大限努力することが、歯科医師として必要な姿勢ではないかと感じています。
本音を引き出し、実現できるよう努めたい
患者さんと接する際に意識していることは?
やはり患者さんの本音の部分を引き出したいので、極力遠慮してほしくないんです。ですので、話しやすい雰囲気をつくりたいと思っています。患者さんが本当に伝えたいことがあるけれど控えてしまわないように、表情を見て「遠慮しているのかな」と気づいたら、自分から「気になる部分は他にございますか」といった声かけをします。できるだけに打ち解けた状態で話せる環境をつくるように努力しています。
お子さんの診療ではいかがでしょうか。
あまり無理に治療を進めずに、お子さんとの信頼関係を築くことができてから治療するように意識しています。例えば歯科治療に慣れていないお子さんが虫歯の治療が必要になった場合、使う器具や装置を先に見せて、まずは歯を削らずに機械に慣れることからスタートしています。慣れるまでに何度も練習を続けるお子さんもいますし、すぐにできる子もいてそれぞれですが、とにかく「歯科医院が怖いところ」と思わせないように配慮しています。
お休みの日はどのように過ごされていますか?
わが家の子どもたちは3人ともスポーツをしていますので、基本的に休みの日は練習の送迎や試合の応援に行っています。登校前に朝練をするので僕も付き合うこともありますね。一番上の子が中3なんですが、小学5年生くらいからはだんだんと友達との時間が大切になってきて、それはとても喜ばしいことですが、やっぱりちょっと寂しいです。それもあって朝練などで少し話しかけたりしているんです。子どもたちとコミュニケーションを取れる時間はうれしいものですね。うちは3歳ずつ歳が離れているので小さい頃は大変でしたが、振り返ると子どもと密に接することができたのは10歳くらいまでだったのかな。そう考えると僕の一生の中で子どもと過ごす時間は意外と少ないものですので、相手をしてくれるうちは、子どもと一緒に過ごしたいと思っています。
新規開院にあたり、抱負や意気込みをお聞かせください。
とにかく「この歯科医院に来て良かった」と思っていただけることが一番です。それを実現するためには、患者さんとの対話やコミュニケーションは不可欠ですし、患者さんの本音の部分を引き出し、それにお応えできるように努力していきたいと思います。その積み重ねがあるからこそ「ここの歯科医院を選んで良かった」と思っていただけるのではないでしょうか。それは歯科医師の僕だけではなく、当院の全スタッフも同じ気持ちを抱いてもらえれば、この地域にとって必要とされる歯科医院へ成長できるのではないかと考えています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。