突発的な子どものケガ
外傷治療に詳しい形成外科で相談を
なんばにしわき形成・美容クリニック
(大阪市浪速区/なんば駅)
最終更新日:2025/07/14


- 保険診療
子どもがケガをした際に、何科に受診したら良いかわからずに困ったことはないだろうか。遊んでいる最中にできた擦り傷や切り傷、熱いものに触ってできたやけど。小児科クリニックに行くべきか、外科に行くべきか、そもそもこの程度の傷で病院に行って良いのかと、判断に迷うことは少なくない。そこで今回は、救命救急センターでの診療経験を持ち、外傷治療に詳しい「なんばにしわき形成・美容クリニック」の西脇仁院長を取材した。「形成外科は、お子さんの外傷の治療を得意としています。機能面も審美面も考慮した上で外傷の治療を行いますので、受傷後できるだけ早く相談してほしいです」と語る西脇院長。子どものケガで形成外科を受診するメリットや、受診が必要なケガの種類や程度などについて詳しく聞いた。
(取材日2025年5月23日)
目次
傷の程度を幅広い視点で評価し、傷痕を最小限にできるように尽力する。受傷後なるべく早く相談を
- Qこちらでは子どもの外傷治療をされていると伺いました。
-
A
▲体の表面にできたさまざまな外傷に対応している同院
はい。お子さんの切り傷や擦り傷、やけど、犬や猫などの動物に噛まれた傷といった、体の表面にできたさまざまな外傷の治療を行っています。形成外科といえば慢性的な傷痕を修復するイメージがあるかもしれませんが、ケガをした直後の治療も得意分野です。形成外科の専門は、皮膚や血管、神経、筋肉など体表面の組織全般です。そのため、どのように治療すれば傷痕が残りにくいかを、解剖学的な視点から熟知しているのです。傷の治療は最初のアプローチが後の経過に大きく影響するので、受傷後できるだけ早い段階で相談していただけたらと思っています。
- Qどのような症状でも受診して良いのでしょうか?
-
A
▲小さな傷であったとしても、少しでも不安があれば受診を
はい、傷の種類や程度は問いません。少しでも不安があればできるだけ早く受診することをお勧めします。例えば、道路で転んでできた擦り傷には、傷口にアスファルトが入り込んでいることがあります。これを取り除かないまま皮膚が張ってしまうと、後で除去するのはとても大変です。もし受傷直後に診させていただければ、麻酔をかけて異物が残らないよう取り除くことができます。また、やけどは時間経過とともに組織が深く損傷する可能性があるため、早期の処置、そして自宅での正しいケアが非常に重要です。どのような傷でも、少しでも気になることがあれば、医療機関で適切な処置やアドバイスを受けると良いでしょう。
- Q外傷を放置すると、どのような危険性がありますか?
-
A
▲傷痕が残ったり機能障害を起こすリスクもあるため早期治療が重要
傷の種類や程度にもよりますが、放置することでさまざまなリスクが伴います。まず、傷口から細菌が入って感染を起こす可能性があります。感染が広がると治療がより複雑になり、全身に影響が及ぶこともあります。また、将来的に目立つ傷痕として残ってしまうリスクも高まります。特に注意したいのは、お顔にできた傷です。適切に処置しないと、後で傷痕が引きつれて表情の動きを妨げることもあります。目に近い傷は、まぶたの開閉など機能的な障害を引き起こす可能性も考えられるので、放置しないで専門家に相談してほしいです。傷痕を最小限に抑え、機能障害を予防するためにも、早期に適切な処置を受けることが重要です。
- Q形成外科で外傷を診てもらうメリットを教えてください。
-
A
▲専門的な知識を有する形成外科医だからこその治療が可能
形成外科医は体表面の構造に精通しているため、例えば指を切ったお子さんが受診した際には、傷の深さだけではなく、内部の神経が損傷していないかまで見立てられることが強みです。もし神経に支障を来すほどの傷だと判断した場合は、速やかに適切な医療機関を紹介します。このように、表面的な傷だけではなく、その奥にある組織の損傷や、将来的な機能障害の可能性まで評価して治療につなげられることが大きなメリットです。また、審美面を最大限考慮し、傷痕が残りにくいような特有の技術で縫合や処置ができるのも、形成外科ならではです。
- Q子どもの外傷治療で気をつけていることはありますか?
-
A
▲不安を抱えている子どものため、最大限の配慮を行っている同院
最も意識しているのは、可能な限り傷痕が残らないように治療を進めることです。それに加えて、治療前にお子さんと信頼関係を築くことにも気を配っています。病院に来たお子さんは不安でいっぱいだと思うので、まずは気さくに話しかけ、「先生は怖くなさそうだな」と思ってもらえるように心がけています。治療が必要な場合は、痛みに最大限配慮し、例えば注射をするときは注射器を見せないようにそっと行うなど、お子さんが安心できるような工夫をしています。実は、私自身も注射が苦手なんです(笑)。だからこそ、お子さんの気持ちに寄り添った対応ができるのだと思います。お子さんが前向きに治療に臨めるよう、全力でサポートします。