西脇 仁 院長の独自取材記事
なんばにしわき形成・美容クリニック
(大阪市浪速区/なんば駅)
最終更新日:2024/11/25

なんば駅6番出口と直結したビルの3階に2024年6月に開業した「なんばにしわき形成・美容クリニック」。院長の西脇仁先生は、近畿大学医学部を卒業後、同大学病院の形成外科医として14年間にわたり研鑽を積んできたドクター。大学病院では救命救急センターへ4年間出向し、顕微鏡を用いた四肢切断の緊急手術や全身管理を必要とする熱傷、顔面骨骨折など難症例に数多く携わってきた。形成外科、美容外科、美容皮膚科を標榜する同院では、子どもや若い女性の外傷やニキビ治療、眼瞼下垂症やしみのケア、時には救命救急の経験を生かした専門外のことまで幅広く診察を行っている。「メスを入れる角度や縫い方などにこだわり、機能だけでなく見た目も美しく修復するのが形成外科医の本分」という西脇院長に、詳しい話を聞いた。
(取材日2024年6月20日)
形成外科を中心に幅広い診療に対応
開業までの経緯を教えてください。

近畿大学医学部を卒業後、日本形成外科学会形成外科専門医の資格取得とあらゆる症例において研鑽を積むために同大学病院の形成外科に14年間勤務していました。うち4年間は救命救急センターに出向していたのですが、同センターには、指を切断してしまった方やひどいやけどを負った方、顔面を骨折した方など緊急を要する患者さんが数多くいらっしゃいます。そうした難症例と向き合っていく中で、失われたものを美しく、かつ機能的に修復できるのが形成外科の本分であり、そろそろ自分の専門領域で頑張る時期ではないかと考え始めたのが2020年頃のことです。その後、大学病院を退職し、美容クリニックの院長として顔や目の周囲の手術、美容皮膚科での診療を経て、2024年に開業しました。
こちらではどのような診療を受けられるのでしょうか。
当院のホームページを見て、自由診療専門のクリニックと思われる方も多いようですが、実際はお子さんの切り傷やニキビ治療、顔面骨骨折、やけど、巻き爪、多汗症、褥瘡(じょくそう)、皮膚腫瘍といった保険診療がメインです。特にお子さんの切り傷は、痕が残らないように形成外科ならではの縫い方で治療しています。また、ケロイドなど残ってしまった傷痕が目立たないような処置に努めています。診療は顔面全般の悩みが中心となりますが、ご要望に合わせて自由診療での診察も行っております。救命救急センターに在籍していた経験から幅広い診療ができるのも当院の強みですので、気になる症状は気軽にご相談いただきたいです。
落ち着いた雰囲気の院内にもこだわりが感じられます。

院内はグレージュを基調とした色で統一し、患者さんが少しでもリラックスできるように丸みのあるデザインやRを描く美しい洞窟感をイメージしレイアウトを仕上げました。円形の待合室には観葉植物をあしらい、土壁などの素材使いで都会の隠れ家のような優雅で高級感のある雰囲気づくりをしています。照明はやわらかい暖色系の間接照明を採用し、患者さんが必要以上のまぶしさを感じないよう配慮しています。各部屋の照明には調節機能をつけて、患部をよく診る際には明るく、美容施術の際はトーンを落とすよう心がけています。またプライバシー重視の観点から、診察室や処置室は完全個室にしました。
患者の人生が豊かになる治療を総合的に提供していく
どのような診療方針をお持ちですか?

第一に、患者さんの話をじっくり聞くということです。これは保険診療でも美容医療でも変わりません。何かしらの原因があって患者さんは訴えているのですから、よく話を聞くことが重要だと思っております。また一般的に美容医療においてはカウンセラーがカウンセリングを行い、その後に医師の診察が入るという2段階構造になっていますが、当院ではカウンセリングから施術まですべて私が行っています。理由は、最初から専門である医師が患者さんの話を聞いたほうが適切な診療計画を提案することができるからです。すべての診療においてアフターフォローも重視しているので、安心して来院いただければと思います。
先生の専門分野である「顔面領域」の治療について詳しく教えてください。
形成外科は、顔面領域の疾患を扱うことのできる特殊な分野です。よく知られているのは、局所麻酔で治療できる眼瞼下垂症や「逆さまつげ」でしょう。どちらも眼科を受診される方が多いと思いますが、形成外科ではメスの入れ方や縫い方に特有の方法があり、審美性、機能的いずれも重視した治療に努めています。中でも私が得意とするのは手術を伴う治療で、顔面外傷やそれに伴う傷痕の修正です。
患者さんと接する際に意識していることはありますか?

当院は保険診療を中心としていますが、中には自由診療ではないと対応できない症例もあります。それでも無理強いはせず、患者さんに合った別の方法を考えるよう努めています。ただ自由診療もまた正規の医療行為なのですが、例えばしみがあっても生活に支障はないという考え方から保険診療が認められていないだけなんです。しかしご本人にとってはしみが原因で自信を持てないということもあるわけです。私は日々、患者さんのそうした悩みをなんとしても解決したいという意識を持って診療にあたっています。当院の診療で気持ちが前向きになったり、笑顔で過ごせるようになったりと、患者さんの人生が豊かになるような診療を総合的に提案していきたいと思っています。
形成外科の役割を広く知らしめていきたい
ご多忙と思いますが、休日はどのように過ごされているのでしょう?

一番のリフレッシュ法は旅行です。私はとにかく仕事が好きで、開業するまでは年末年始や連休も関係なく働いてきましたが、現在は日曜だけは休診日にしていますので、休みの日は一人娘とどこかに出かけることで心身を休めています。やはり癒やされますね。
今後の展望について聞かせてください。
形成外科という分野の診療内容はまだ世に広く知られていないようで、患者さんからも「整形外科とどう違うのですか」と聞かれることがよくあります。今後は当院を通じて、数多くの方々に形成外科の役割を理解していただき、「こういうときは形成外科で治療してもらえる」という正しい知識をつけていただきたいと思っています。形成外科は外傷ややけど、顔面領域の疾患などを特有の技術で美しく機能的に治療できる科目なので、形成外科でできる治療を広く知っていただいて、来院いただいた患者さんにしっかりとした診療と治療を提供していきたいと思いますね。
最後に患者さんへメッセージをお願いします。

クリニックのロゴの「N」は私の苗字と地名にちなんでデザインしました。当院を選んで来院してくださった患者さんには誠心誠意尽くしていきたいと思っています。診療では患者さんの気持ちに寄り添って話を聞くことを何よりも大切にしているのですが、逆に患者さんの言葉から学ぶことも多く、時には友達のような関係になることもあるほどです。アットホームでしゃべりやすい雰囲気のクリニックなので、形成外科の領域ではないかもと思うことでも気軽に相談にいらしてください。分野が違えば然るべき医療機関をご紹介することもできます。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのケア/7700円~