小川 祐人 先生の独自取材記事
慶友川口駅前整形外科
(川口市／川口駅)
最終更新日：2025/03/17
川口駅東口を出てすぐの医療ビルにある「慶友川口駅前整形外科」。診療にあたるのは慶応大学病院に長年在籍し、埼玉メディカルセンターなどに勤務してきた小川祐人先生だ。長年一緒にやってきた高橋先生とともに2人体制で診療にあたる。脊椎・脊髄を専門とし難症例の手術も数多く執刀してきた。その経験を生かし、適切な診断に基づく治療に注力。街のクリニックでありながらMRIを備えているのも心強い。神経ブロック療法なども得意とするところだ。物腰のやわらかな理学療法士と連携した、リハビリテーションの提供も特徴だ。ロゴマークの恐竜の骨格をよく見るとその目は笑っている。よく似た笑顔で丁寧に話してくれた小川先生に、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
（取材日2024年10月26日／情報更新日2024年11月1日）
幅広い世代の痛みを、体全体を診て解決することが目標
まず、医師を志した理由やご経歴について教えてください。
高校生の頃に将来は何になろうかと考えた時、医師という職業の「人との競争ではない」「人を助けることができる」という点に魅力を感じ、慶應義塾大学医学部に進学しました。そこで当院を一緒に立ち上げた高橋世賢先生と出会ったので、彼とは18歳からの付き合いということになります。当時はこうなるとは想像してもしていませんでしたね。大学を卒業して6年目までは、同大学病院や関連病院で先輩医師からの指導のもと、骨折などの外傷や人工関節などの手術の研鑽を重ねました。その後、大阪大学に国内留学し、その後のiPS細胞を用いた脊髄再生医療の基礎となる研究に従事。再び臨床に戻り、大学病院とその関連施設も含め脊椎・脊髄外科を専門とする医師として長年勤務してまいりました。
忘れ難いご経験などはありますか。
関連病院にいた頃の脊柱管狭窄症や脊髄腫瘍などの手術に明け暮れた日々は思い出深いですね。整形外科領域の中でも背骨は術後早期の改善が見込める症例も多く、大きなやりがいがありました。ただし、一歩間違えれば歩行障害や排尿障害に陥るリスクがあるばかりか命にも関わるので、常に緊張と隣り合わせでした。それでも、適切なタイミングで手術をすれば良い予後が望め、生活の質を何十年と守ることが期待できるのです。20年ほど前に執刀して、その後も長く見守らせていただいている患者さんもたくさんいます。私が開業すると聞いて「おめでとうございます」と内覧会に駆けつけてくださった方もいました。
埼玉県川口市にどんな印象をお持ちですか。
実は私はお隣の旧与野市の出身で、生まれ故郷で開業したように感じています。埼玉メディカルセンターに10年間勤務しましたし、現在も川口市内の北條胃腸外科で整形外科のお手伝いをしているので、慣れ親しんできたエリアでの開業に心からうれしく思っています。ご高齢の方が多い印象ですが、新しくマンションも建っていますし子育て中のファミリーも増えているのではないでしょうか。年齢を問わず、多種多様なお悩みに応えていきたいと考えています。
こちらではどのような診療を受けられますか。
腰痛や肩凝りをはじめ、膝・肩・首・背中の痛み、骨折やけがなど幅広く対応します。適切な診断に努め、リハビリや薬物療法、神経ブロック療法などを通じて痛みや病気にアプローチしていきます。体の痛みにはさまざまな原因があり、例えば、膝の痛みの原因が骨粗しょう症だったケースも。痛みのある部分だけを診るのではなく、体全体をトータルで診ていくようにしたいです。
エコーガイド下治療に注力。リハビリにも積極的に活用
院内の設備や機器でこだわった部分はありますか。
総合病院と同レベルの検査ができるように、MRI、エックス線撮影装置、超音波検査装置、骨密度測定装置などの検査機器は一通りそろえています。MRIを導入しているクリニックはまだ少数派ですが、どうしても必要だと判断しました。MRIが必要な患者さんは、大きな痛みを抱えて苦しんでいることも少なくありません。総合病院への紹介状と痛み止めを渡して、何週間も待ってくださいというのは酷だと思うんです。当院ではMRIは基本的に予約制ですが、枠が空いていれば即日検査も行います。枠がいっぱいだとしても緊急性が高いならば、お昼休みを削ってでも対応できる体制です。せっかく、駅からすぐの小回りの利くクリニックでMRIができるのですから、とことん皆さんのために役立てたいですね。
エコーガイド下の治療にも力を入れているそうですね。
超音波検査画像を用いるエコーガイド下の治療のメリットは、治療すべきポイントを精密に把握できる点です。エコーガイド下で疑わしい場所に針を刺して麻酔薬を注入してみて、痛みを改善に導くことができれば、そこが原因だと診断できます。患部に直接、局所麻酔剤やステロイド剤を注入するための神経ブロック療法も可能です。理学療法士にも明確に指示が出せるので、より有用なリハビリにもつながるでしょう。逆に理学療法士からエコーガイド下での筋膜リリースを依頼されることも想定しています。どうしてもリハビリが進まないケースに有用です。大人だけではなくお子さんがスポーツ中に肉離れになり違和感がいつまでも残っているような時にも対応します。
リハビリでの理学療法士との連携体制について教えてください。
整形外科のリハビリというと、あまり大きくない部屋で、順番待ちの時間も長いというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。当院のリハビリルームは広々としていてベッド間のスペースも十分に確保しています。隣の患者さんを気にすることなく、伸び伸びと体を動かせるのではないでしょうか。5人の理学療法士が常駐していますが、患者さんのニーズに応じて徐々に増やしていくつもりです。廊下を挟んで診察室や処置室とリハビリルームを並べ、医師と理学療法士が行き来しやすくしています。しっかりと連携して、患者さんの情報をきめ細かに共有し、たくさんの目で見守っていきたいです。大学病院などで運動器の手術を受けたものの「リハビリは家の近くでしたい」とご希望の方なども気軽にご相談ください。
末永く川口エリアの健康を守っていきたい
診療で大切にしていることは何ですか。
まずは、適切な診断を行うことを大切にしています。治療を進めていくにあたっては、整形外科の診療は必ずしもマニュアルどおりにはいかない点も肝に銘じていますね。当院のような街のクリニックを選ぶ方は、しゃくし定規ではない対応を求めていることも少なくありません。命に関わるのではない限り、患者さんの思いをできるだけ優先しつつ、治療内容を決めていきたいと思っています。そのためには「痛みを完全に取りたい」「多少痛みが残っても薬を減らしたい」など、何をお望みなのか遠慮せずに話してもらえるようにしなくてはいけません。患者さんにリラックスしていただくためにも十分な時間を取り、こちらも良い雰囲気でお迎えできるように心がけたいです。
お忙しい毎日をお過ごしでしょうが、リフレッシュ法などはありますか。
旅行が好きでこれまで世界中のいろいろな国に行きました。学生時代はリュック一つの貧乏旅行で、医師になってからは勉強会のついでの旅もありましたね。旅といえば高橋先生も含めて男ばかりの4人組で何回か出かけたこともあるのですが、いい思い出になりましたね。高橋先生はアメフト部、私はラグビー部、他のメンバーも全員体育会系で整形外科の医師。旅先では医療の話で盛り上がるというよりも、グラウンドや教室でともに過ごした懐かしい時間に瞬時に戻れる、そんな大事な仲間たちです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
身近なプライマリケアクリニックでは医師に転勤はありませんし、同じ患者さんを何十年も診療していけるのが良いところです。担当した患者さんに寄り添い、生涯にわたって見守っていくことが、医師としての私の何よりの望みです。患者さん一人ひとりライフスタイルも異なりますし「一人暮らしなので自立して身の回りのことをできるように筋力を保ちたい」といったご希望もあるでしょう。毎週通える方、月に1度が限界という方、それぞれの状況に応じて治療内容も臨機応変にアレンジしています。川口市の皆さんと10年、20年と末永くお使いしていけるよう、スタッフ一同努めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
