「たかが糖尿病」と侮るなかれ
検査による早期発見が鍵
いんざい糖尿病・甲状腺クリニック
(印西市/千葉ニュータウン中央駅)
最終更新日:2024/10/15
- 保険診療
自覚症状がほぼない糖尿病を早期発見するには、「糖尿病かもしれない」と思った段階ですぐに検査を受けることが大切だ。「いんざい糖尿病・甲状腺クリニック」の高橋紘院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医として、糖尿病の早期発見と適切な治療に力を入れている。そのための設備や体制も整えており、血液検査のうち、糖尿病の診断に必要な項目は検査後数分で結果が出る。院長の診断に基づいて療養・栄養相談に対応するのは、専門知識を持った看護師や管理栄養士だ。糖尿病の検査から治療まで、同院での流れを高橋院長に教えてもらった。
(取材日2024年10月2日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q糖尿病の検査はどのような方が受けるべきでしょうか?
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A
糖尿病の患者さんが症状を自覚する頃には、すでに症状が進んでしまっていると思われます。「喉が渇く」「トイレの回数が増えた」「体重が急激に減少した」などの自覚症状があればもちろんすぐにいらしてほしいのですが、何も症状がなくても健康診断で異常を指摘されたならば放置せずにいらしてください。ご家族に糖尿病の方がいらっしゃる場合には、特に注意が必要です。また、すでに内科などで治療を受けている方も、何か疑問や不安があるならば、一度、日本糖尿病学会糖尿病専門医の意見を聞いて受けてみてもよいかもしれません。
- Q糖尿病検査を早期に受けるメリットについて教えてください。
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A
糖尿病の早期発見・早期治療につなげられるのが大きなメリットです。というのも、糖尿病は「血糖値が高い」だけでは済まず、血糖値の急な上がり下がりが血管にダメージを与えることから動脈硬化につながります。細い血管で問題が起こると、糖尿病網膜症による失明、糖尿病性腎症で透析が必要になる他、足の病気の原因となることも。また、心臓や脳内の血管に影響すると、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病気を引き起こしかねません。「たかが糖尿病」と放置したことにより、そこから全身の血管に影響を及ぼして心筋梗塞や脳梗塞で命を落としてしまう方も多くいらっしゃいます。そのようなリスクを防ぐためにも検査による早期発見が大切なんです。
- Qこちらでの糖尿病検査・治療の特徴を教えてください。
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A
血液検査のうち、糖尿病の診断に必要な項目は検査後数分で結果が出ます。また私は糖尿病専門医として、HbA1cの数値だけでなく、合併症や動脈硬化の評価なども含めて精度の高い診断を心がけています。日本看護協会糖尿病看護認定看護師という糖尿病に特化した資格を持つ看護師が在籍しているのも、当院の特徴の一つ。「糖尿病とは何か、なぜ治療が必要なのか」をわかりやすく説明しています。食生活については管理栄養士がアドバイス。このように、糖尿病専門医による診断や治療提案、看護師や管理栄養士による療養・栄養相談と、患者さんの背中を押せるように院内一丸となってサポートしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1予約と問診
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初診はインターネット予約が可能。当日は保険証のほか、健康診断の結果やお薬手帳があれば持参を。問診票の記入と血圧測定後、看護師による問診。既往歴や家族歴、普段の食事内容、食事回数や量、運動や生活習慣などについて確認がある。問診後、問題がなければ検査に進む。
- 2検査
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血液と尿の検査が基本。血液検査のうち、肝臓・腎臓・コレステロールなど生化学に関係する部分は後日の結果説明となるが、糖尿病の診断に必要な項目は検査後数分で結果が出る。尿検査についても同様だ。検査後は結果が出るまで待合室で待機し、呼ばれたら医師の診断を受ける。
- 3診断
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検査結果をもとに医師による診断を受ける。高橋院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医。HbA1cの数値だけでなく、合併症や動脈硬化の評価などもしっかりと行い、患者一人ひとりに合わせた治療計画を立案。また血糖値とHbA1cとの違いなど、患者目線でわかりやすい説明を心がけているという。
- 4療養・栄養相談
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医師の判断に基づき、療養・栄養相談を実施。同院には、日本看護協会糖尿病看護認定看護師という糖尿病に特化した資格を持つ看護師が在籍しており、糖尿病についての説明と生活上のアドバイスを受ける。栄養相談は管理栄養士が担当。専門知識を持ち寄って、患者の「やる気」を引き出せるようにサポートしているそう。
- 5治療
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食事や運動など生活習慣の改善、また必要に応じて薬を使いながら、定期的な診察で経過を確認する。通院頻度は症状によって異なるが、自己判断せず、医師の指示どおりに通うことが大切。同院では、センサー型の持続血糖モニター(CGM)や、24時間インスリンが持続的に注入されるインスリンポンプにも対応。いずれも入院を伴わず、外来で導入可能だ。