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高橋 紘 院長の独自取材記事

いんざい糖尿病・甲状腺クリニック

(印西市/千葉ニュータウン中央駅)

最終更新日:2025/01/20

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック main

千葉県印西市に2024年6月に開業した「いんざい糖尿病・甲状腺クリニック」を訪ねた。高橋紘院長は日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医の資格を持つドクター。同院では大学病院並みの専門性の高い医療をめざし、先進デバイスを積極的に導入している。また、日本看護協会糖尿病看護認定看護師を配置し、待ち時間短縮のために工夫を重ねるなど、患者が受診しやすい環境づくりにも余念がない。高橋院長は災害医療に携わった経験から、対話を大切にした患者に寄り添う医療の重要性を実感し、同院でも日々実践しているという。穏やかな語り口調や丁寧かつ優しい物腰で魅力あふれる高橋院長に、診療への思いを聞かせてもらった。

(取材日2024年7月3日)

専門性の高いスタッフと充実した検査体制

開業に至った経緯を教えてください。

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック1

大学時代から患者さんに寄り添った診療に魅力を感じており、東京慈恵会医科大学附属病院に勤めていた頃も地域医療における臨床研究に力を注いでおり、開業に至ったかたちです。私は市川市にある小学校に通い、印西市には幼い頃から買い物などで時折寄っていたのですが、自然豊かですてきな街だと思っていたんです。印西市はファミリー層が増えている一方で、糖尿病を専門とするクリニックが少なかったことから、ここでなら地域の方々をサポートできるのではないかと考え、この場所で開業することに決めました。

クリニックづくりのこだわりは?

HbA1cや血糖値の測定器はじめ、糖尿病の場合は合併症の評価も重要となりますので、動脈硬化や内臓疾患、甲状腺の状態確認ができる超音波検査装置なども備えています。また管理栄養士が使う栄養相談室と、看護師が生活習慣のチェックや指導を行う療養指導室を個室で用意しました。糖尿病は食事や運動の見直しが大切になりますので栄養士や看護師のサポートが必要です。患者さんお一人で取り組むのではなく、皆で一緒に治療を進めていくというのが当院の方針です。また、糖尿病は継続した受診が必要になるので、通院のハードルを下げる工夫を凝らしています。大学病院ではお会計まで済ませると1回の受診で2時間以上かかってしまうことがあります。しかし当院では、血糖値やHbA1cは測定から5分前後で結果が出そろい、早ければ30分でお会計まで終わらせることが可能です。

7色のサクラが散りばめられたロゴマークもすてきですね。

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック2

世界糖尿病デーのシンボルマークが「ブルーサークル」という青色の輪なんです。糖尿病はご本人だけでなく、ご家族や医師、看護師、栄養士など、チームでしっかり治療していくことが大切だという意味が込められているのですが、当院はその輪にさらに意味を加え、印西市の市の木とされているサクラをあしらい、人間にはホルモンを分泌する臓器が7つあることから、7色で色づけしました。

先進デバイスも活用したオーダーメイドの治療

「健康寿命を延伸し、生涯笑顔で生活するために必要な医療を提案する」と、理念に掲げられています。

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック3

はい。糖尿病は、血糖値が高いことで将来的に腎機能が低下して透析が必要になったり、網膜にて出血が起こることで失明してしまったりする合併症のリスクがあります。ほかにも動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞など、さまざまな疾患を引き起こす危険性があり、それらを防いでいくことが非常に大切です。病気を抱えるとご家族の心配事も増えますよね。血糖コントロールをしっかり行っていただくことで、少しでも患者さんの健康寿命を延伸したい。皆さんに笑顔で暮らしていただけるような医療を提供したいという思いで日々診療にあたっています。

こちらのクリニックの糖尿病治療の特徴は何ですか?

管理栄養士が在籍し、糖尿病において大切な食事の管理指導やアドバイスを行っています。また、糖尿病はここ10年ほどで内服薬や注射薬の種類が飛躍的に増えている領域なんです。血糖値を下げるためのお薬の中には、腎臓病や心臓病のリスク低減が期待できるようなものもあるんですよ。患者さんの生活状況や採血データなど、すべてを踏まえた上で適切な治療薬を選択しコントロールしていくことこそが、糖尿病専門医の腕の見せ所だと思っています。また、日本看護協会糖尿病看護認定看護師という糖尿病に特化した資格を持つ看護師も在籍していますので、親身になって患者さんの相談に乗ってくれています。

先進のデバイスの導入にも力を入れているとか。

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック4

はい。この先進デバイスは大きく分けて2つあります。1つがCGMといわれる持続血糖モニターで、センサーを腕につけると1〜2週間ほどリアルタイムで血糖値の動きを見ることができます。これを使うことで、お薬を増やさずとも生活習慣の見直しにつながることが期待できるため、積極的に治療へ取り入れています。もう一つがインスリンポンプといって、CGMと一緒に体に取りつけると24時間インスリンが持続的に注入されます。基本的には1型糖尿病の方に適用されるデバイスで、AIによって自動的にプログラミングされるので、患者さんのライフスタイルに応じた治療が可能となります。これらのデバイスは、大学病院でも入院が必要となるケースが多いのですが、当院は外来で導入できるところが特徴です。働いている方は特に入院のハードルが高いと思いますので、ぜひご相談ください。

甲状腺疾患についてはいかがでしょう。

健康診断で甲状腺が腫れていると指摘された方には、採血による評価だけでなくエコー(超音波)を行い詳しく検査します。エコーを行うと意外と腫れていなかったという方も多くいらっしゃるんですよ。女性は妊娠中に採血をして甲状腺の異常に気づくケースもあります。甲状腺の病気をご自身で疑うことは難しいですが、何か気になる症状があったり異常が指摘されたりした場合は検査にいらしてください。

患者の「やる気スイッチ」を押せるように

先生はどうして医師を志したのですか?

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック5

高校生の頃、家族が病気で入院していたので、当時よく家族の病室で勉強をしていたんです。その時に先生を見て、病気と立ち向かい弱った人を治療する医師の仕事をかっこいいと感じたことがきっかけでした。外科に進もうと考えていましたが、一番大きな転機となったのが2011年の東日本大震災でした。宮城県気仙沼市は母の地元で私の出生地でもあり、現地で災害医療のお手伝いをさせていただくことになったんです。被災地では慢性疾患にかかっている方々が「薬がない」、「主治医の先生はどこに行ってしまったんだろう」と困っている姿をたくさん目の当たりにしたんです。それをきっかけに、自分は対話を大事にして、患者さんに寄り添った医療を行っていきたいと強く思うようになりました。

糖尿病や内分泌を専門としたきっかけは?

被災地から大学病院に戻ったタイミングでローテーションした科が、糖尿病と内分泌を専門とする内科でした。そこの教授が「糖尿病内科医はハブ空港であれ」とおっしゃっていたんです。糖尿病からさまざまな疾患を発症していくので、最初の入り口で患者さんとしっかりお話しできていれば、何か起こった時に然るべき対応ができること。そして糖尿病は引き続き治療が必要となるので、患者さんと一生付き合っていくことが大切だと教えてもらいました。その考えに感銘を受け、糖尿病は対話が重要な疾患の一つだというところも、自分のやりたいことにぴったりだと感じこの道に進みました。

患者さんと接する際はどのようなことを心がけていますか?

高橋紘院長 いんざい糖尿病・甲状腺クリニック6

一番困っていることをしっかり聞くことです。ただ「血糖値が高いですよ」とお伝えするのではなく、合併症が起こればご家族も大変な思いをすることや、それを防ぐために血糖コントロールが重要であることをわかっていただけるようお話ししています。患者さんの生活環境に合わせた治療法の提案も心がけています。また、これまで血糖値が高くてもあまり意欲がなかった方には、やる気を引き出すようなアクションも必要です。対話の中からその人の「やる気スイッチ」を見つけて、一緒に治療に取り組んでいけたらいいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

糖尿病はすでにかかりつけの医院をお持ちの方が多いと思いますが、別の意見が聞きたいと思われた際は、紹介状がなくても受診いただけるので、お気軽にご相談ください。糖尿病や甲状腺の病気をしっかり診て、家族皆で通院したいと思ってもらえるようなクリニックになっていきたいです。地域の皆さんの健康寿命を延ばし、笑顔になるお手伝いができたらいいなと思います。

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