リラックスして受けられるよう
鎮静下で行う大腸内視鏡検査
おかむらクリニック 内科・消化器
(神戸市西区/西神中央駅)
最終更新日:2024/11/11


- 保険診療
大腸がんは決して珍しい疾患ではない。一生のうちに大腸がんと診断されるのは、女性は約12人に1人、男性は約10人に1人というデータさえある。しかし、リスクと比較して大腸内視鏡検査の受診を習慣にしている人は十分とは言い難いのが現状だ。「できれば、乳がん検診のように多くの人が毎年受けてくれるようになってほしい」と注意を呼びかけるのが「おかむらクリニック 内科・消化器」の岡村喬之院長だ。虎の門病院で磨いたテクニックで先進機器を駆使し、大規模病院にも劣らない精度の高い検査を行う岡村院長。大腸内視鏡検査とは具体的にどのようなことを行うのか、ためらいを感じている人も一歩前進できるよう、詳しく教えてもらった。
(取材日2024年10月16日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q大腸内視鏡検査はどのタイミングで受けるべきでしょうか。
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A
一般的に「40歳を過ぎたら受けましょう」と呼びかけられていますが、確かにそのとおりです。40代以降は大腸がんの罹患率が上がり、ここ数年は男女とも死因ランキング上位なので注意しなければいけません。もちろん、20代、30代でも大腸がんにかかることもあります。家族歴があるならば40歳未満でも検査してみてもよいでしょう。健康診断などで便潜血陽性を指摘されても放置してしまう人も多いのですが、すぐに受診してほしいです。その他、腹痛があったり便の様子がおかしかったり、少しでも普段にない違和感を覚えたら気軽にご相談ください。
- Q大腸内視鏡検査は「苦しい」というイメージがありますが……。
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A
確かに大腸内視鏡検査は大きな苦痛を伴った時代もありました。しかし、現在は検査機器のテクノロジーも進歩し、鎮静下での検査が一般的になっているので、痛みやつらさを感じる人はほとんどいないでしょう。ただ、下剤を服用する大変さに関してはまだ改善の余地があるといえます。下剤と一口にいってもさまざまな種類があり、ある薬剤で苦しい思いをした経験があっても、別のものならばまったく問題ないというケースも少なくありません。当院では3種類の下剤を用意し、自宅でも院内でも飲めるようにしています。時には浣腸などを併用することもあります。また、前日の夜に飲む蠕動亢進薬が苦手という方には、液体の下剤だけでの対応も可能です。
- Q大腸内視鏡検査はどのような病気の発見に有用なのでしょうか。
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A
一番多いのは放置すると大腸がんにもなりかねない大腸ポリープです。大腸ポリープにはSSL(鋸歯状病変)、大腸腺腫などさまざまなタイプがありますが、小さいものならば検査と同時に切除もできます。その他、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、腸結核、ベーチェット病、アメーバ赤痢などによる感染症が見つかることもありますね。腹痛を伴わない突然の血便で驚き、「怖い病気だったらどうしよう」と検査をためらう人もいますが、検査をしてみると大腸憩室出血や虚血性腸炎などの良性疾患とわかる場合もあります。活動性の出血がある場合や止血処置が必要と判断した際は検査中に止血を行うこともできるので、早めにご相談ください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1診察から検査予約
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問診票を書く。便潜血陽性で陽性だったか、大腸ポリープの切除経験があり何年後にフォローするように指示を受けているのか、便の様子やおなかの調子はどうか、鎮静を希望するか、普段どんな薬を飲んでいるかなどを記入する。内視鏡検査を受けたいと希望して来院した時以外にも、診察の上で医師から内視鏡検査の必要ありと診断されて検査予約に進む場合もある。早期発見のためにも指摘されてから1ヵ月以内の予約が望ましい。
- 2検査前日
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クリニックで購入した検査食を食べる。自分で食事を用意したい場合は、検査前日の推奨メニューが掲載された小冊子を参考にする。ジャムなどをつけない食パン、素うどん、海苔や具のないおにぎりなどが推奨されている。くだものには注意が必要で、バナナやリンゴは問題ないが、キウイ・イチゴなどの小さな種状のものがあるものは避ける。豆類、海藻類、キノコ類も食べてはいけない。
- 3検査当日
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血糖値を下げるための糖尿病の薬や、血液をサラサラにするための抗血栓薬は必要に応じて中止する。抗血栓薬は飲んだままポリープ切除は後日という選択肢もある。下剤を自宅または院内で服用し、鎮静に関しては、同院では生体モニターで監視しながら鎮静剤の量を微調整してもらえる。検査中は苦痛や痛みを感じることなく、検査後はすっきり目覚められるよう投与される。事前診察では希望せず、当日希望でも対応可能だ。
- 4リカバリールームで休憩
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鎮静しなかったならばすぐに説明を受け、安全を確認してもらった上で帰宅することもできる。鎮静した時は30分から1時間ほど休憩し、鎮静剤の作用を打ち消すような拮抗薬の注射も行っている。ストレッチャーに横たわったままリカバリールームに運ばれ、無理なく起きられるようになったら座って休む。問題なく歩けるようになったら診察室で説明を受ける。
- 5検査結果を聞く
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検査中に撮影した写真を見せてもらいながら説明を受ける。同院では平均して70〜80枚、時には100枚以上と写真の数が多いのが特徴だ。拡大機能があるカメラを導入しているので、ポリープなどは拡大したものが見られてわかりやすいだろう。なぜその部分を撮影したのか、どういった所見があるのか、ポリープを切除したり組織を採取したりした理由もすべて教えてもらえる。