三山 健 院長の独自取材記事
ゆきがや泌尿器クリニック
(大田区/石川台駅)
最終更新日:2026/09/11
石川台駅から徒歩2分、アクセス良好な場所にある「ゆきがや泌尿器クリニック」。黒いタイル地に青いラインが際立つスタイリッシュな外観で、泌尿器科にかかることに抵抗を感じる患者でも入りやすい雰囲気になっている。院長の三山健先生は、開業前に約15年間、神奈川県内の病院などで研鑽を積んだ泌尿器科のエキスパート。がんの管理や手術などに数多く携わった知識と経験を生かすため、この地での開業を決意した。同院では、前立腺がん、膀胱がん、精巣がんなどのフォローをはじめ、地域密着型クリニックとして子どもから高齢者まで幅広い年代の泌尿器科領域の悩みに応えている。物腰がやわらかく親しみやすい三山院長に、現在の患者層や力を入れる再発膀胱がんの日帰り手術、診療時の心がけなどについて聞いた。
(取材日2026年7月14日)
泌尿器疾患の一般診療から日帰り手術まで幅広く対応
開業2周年を迎えたそうですね。現在はどんな患者さんが多いですか?

泌尿器科クリニックが少ないこの地域で、これまで培ってきた知識や技術、経験を皆さんのために役立てたいという思いから、2024年に開業しました。想像以上に多くの方に受診いただいており、「ここで開業して良かった」と強く感じています。現在は、0歳のお子さんから90代の方まで幅広い年代の患者さんを診療しています。お子さんでは、陰部の腫れやかぶれなどで受診されることが多いのですが、中には体の構造や機能に問題が隠れていることもあるため、軽い症状であっても丁寧に診察しています。また、20代などの若い世代の方も多く来院されています。泌尿器科は、受診することに抵抗や恥ずかしさを感じやすい診療科です。だからこそ、気兼ねなく相談できて「何かあったらまたここに相談しよう」と思ってもらえるクリニックでありたいと考えています。実際、一度来られた方はまた何かあった時に来院してくださいます。
先生は長年がんの治療に従事してこられたそうですね。
開業までの約15年間は、横浜市内の大規模病院などで泌尿器がんを中心に数多くの手術や診療に携わりました。その経験を生かし、前立腺がん、膀胱がん、精巣がんなど、泌尿器がんの治療後の経過観察にも対応しています。大きな病院への通院が負担になっている方や、身近な場所で継続して診てもらいたいという方も気軽にご相談ください。もちろん、これまでにがんだけではなく泌尿器にかかわる幅広い疾患を診療し、専門の医師として知識と技術を磨いてきました。前立腺肥大症やお子さんの夜尿症など、比較的身近な病気でも症状や原因は一人ひとり異なるため適切な診断と治療が大切です。また、状況に応じて、必要な検査や治療を受けられる医療機関へご紹介することもあります。「まずはここに相談すれば必要な医療につながる」。そんな役割を担えることも当院の強みの一つだと考えています。
再発膀胱がんの日帰り手術にも対応していると伺いました。

再発膀胱がんに対しての治療が保険適用になったことから、2025年7月にレーザー治療が行える機器を導入しました。この機械を用いて、「経尿道的膀胱腫瘍蒸散術」という術式で日帰り手術を行っています。細い内視鏡の先端から出るレーザーによって小さな腫瘍を蒸散させる方法で、局所麻酔を施して10分から30分程度で終わり、問題がなければすぐに帰宅できます。まだ都内でも行えるクリニックは限られていますね。再発で、病変が小さい場合など、条件は限定されますが、ご高齢で全身麻酔の手術を受けるのが難しい方などにはメリットが大きい治療法だと思います。治療を行う上で大学病院や基幹病院との連携は欠かせませんので、当院でも近隣の病院と緊密に連携して対応しています。
対応可能な診療の幅を広げるのは、患者の利益のため
再発膀胱がんの日帰り手術は、メリットの大きい治療法なのですね。

従来どおりの治療では数日から1週間ほどの入院が必要ですが「経尿道的膀胱腫瘍蒸散術」が適応となる場合、日帰りでの手術が可能です。入院せずに手術を受けられるというのは、患者さんにとって大きなメリットなのではないでしょうか。また、低侵襲で痛みも少ないため、体にかかる負担の軽減が見込めます。出血のリスクがあるため、当日の入浴は控えていただいていますが、術後はほぼ通常どおりの生活を送っていただけます。膀胱がんは、比較的再発リスクの高い疾患。膀胱がんの術後管理はもちろん、万が一再発した場合でも身近なクリニックで一貫して対応できるというのは、患者さんの安心感につながるのではないでしょうか。再発膀胱がんの手術以外にも、前立腺肥大症のレーザー手術に関しても、基幹病院の設備をお借りする形で私自身が行っています。
先進の治療にも対応し、診療の幅を広げる原動力は何でしょうか?
患者さんの選択肢を広げたいという思いがあります。設備を充実させて対応できる治療を増やすことで、一人ひとりに適した方法を選んでいただける環境を整えていきたいと考えています。また、地域医療への貢献という考えもあります。大きな病院には、そこでしかできない治療があり、それを求めている患者さんがいます。当院の治療の幅が広がって大きな病院に行かずに済む方が増えれば、その分病院の診療の枠が空き、そこでしか治療できない患者さんを受け入れられます。患者さんにも地域医療にもプラスになることですので、そうした役割を担いたいという想いは強いですね。
男性更年期障害の相談にも応じているそうですね。

男性でも、40代後半から50代頃にテストステロンというホルモンの分泌が減って更年期障害を発症する方がいます。主な症状はイライラや睡眠障害、倦怠感、だるさなどで、放っておくと仕事に行けなくなったり、周囲の人に当たるのを止められなくなったりします。うつ病の症状とも似ていますが、精神科に行ってもうつ病とは診断されず、つらい症状を抱えたまま過ごしている方も。男性更年期障害という病気があることを知って、その諸症状へのアプローチを行っているクリニックを訪れて改善をめざしていただきたいですね。テストステロンは睡眠時間の確保や体重管理をすることで増えるといわれているため、生活習慣の改善をサポートすることが中心となります。最近怒りっぽくなったと家族から指摘されたなど、気になる変化があればご相談にいらしてください。
診診連携も図り、地域全体の医療の底上げに貢献したい
診療の際に大切にしていることを教えてください。

患者さんが話していることをしっかり聞き、何を悩んでいるのか、何が問題なのかを把握することを大切にしています。「人の話を聞く」というのは、当たり前のようで意外ときちんとできていないことが多いものです。忙しかったり、他のことに気がそれたりすると、患者さんの話を聞き流してしまうことも。しかし、それでは患者さんの訴えを十分に把握することはできません。そうならないためにも、一人ひとりの患者さんに時間をかけて丁寧に診療したいと思っています。
今後、どのようなクリニックにしていきたいですか?
勤務医時代はがんの診療を専門としてきましたので、悪性腫瘍のフォローもできますし、再発膀胱がんの日帰り手術や、過活動膀胱に対するボツリヌス毒素注入療法も保険診療で行っています。再診の方にはオンライン診療も実施しています。今後も新しい知識や技術を積極的に取り入れ、「泌尿器科といえばゆきがや泌尿器クリニックだよね」と言ってもらえるよう成長していきたいと思っています。また、病診連携はもちろん、クリニック同士の診診連携にも努めたいですね。同じ泌尿器科クリニックでも、それぞれ得手不得手があるもの。互いに補い合うことで、地域全体の医療の底上げに貢献できればと考えています。
最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

何か不安なことや気になることがあれば気軽に相談してほしいですね。排尿時の痛みや残尿感、陰部の違和感など、「なんとなくいつもと違うな」と感じたら気軽にご来院ください。当院では、患者さんのお名前の取り扱いには特に注意し、匿名化を徹底しています。泌尿器科という特性上、「近所の人に名前を知られたくない」と思う方も多いのではないでしょうか。あらゆるところに配慮して、泌尿器科を受診するハードルを下げられるよう努めています。泌尿器科の病気は自覚症状が出た時には症状が進んでいることがほとんどですから、健康診断で指摘されたら放置せずに受診していただければ幸いです。皆さんの健康維持のために、一緒に生活の質を守っていきたいと考えています。

